ACPはアドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning )と言われています。患者さんの価値観や今後の治療やケアについて患者さんのご家族、医療者が話し合っていく自発的なプロセスのことです。
ご本人の病状・予後、治療方針、意向・価値観などを話し合い、患者さんの意思決定を支援しながら、希望に沿った医療やケアを具体化することが目的とされています。
ACPは欧米やオーストラリアなどで普及されていますが、日本でも周知させようと2018年末には「人生会議」と名付けられ、より身近な存在になっています。
余命が残りわずかになってしまった時、約70%以上の人が自分の意思を伝えることが困難になり、ご本人と意思疎通が取れなくなると、残された家族は判断に困ってしまうことがあります。
例えば、意思疎通が取れない中で、食事が食べれなくなってしまった場合、栄養摂取の方法として、点滴だけするのか、胃ろうを作るのか、それともそのまま何もせずに過ごすのかなど、様々な選択肢があります。人によっては「胃ろうのように、体に穴を開けるなんて絶対に嫌だ!」と思われる方もいます。
残されたご家族が「ご本人ならどんな選択をするだろう」と想像しながら、考えなければならないため、ご家族同士で意見が割れることもあるかもしれません。
しかし日頃から今後について話し合っておくことで、本人の意思も尊重され、残された家族も迷わずに判断することができます。
一見マイナスなイメージがありますが、ご本人の希望や価値観、目標などを再確認できます。時間が経つと、考え方も変わる可能性があるため、ライフイベントに合わせて、話し合う場を設定することが提案されています。
(グッドライフシニア編集部)