アルツハイマー型認知症(がたにんちしょう)とは、認知症のタイプのうちのひとつです。認知症の約半分が、アルツハイマー型認知症だといわれています。女性に多くみられます。1906年、ドイツの精神医学者であるA.アルツハイマーによって報告されました。
アルツハイマー型認知症は、脳に異常なたんぱく質が蓄積して神経細胞が死に、脳が萎縮してしまうことで発症します。このような脳内の変化は、症状が出る10~20年ほど前から
起きていると考えられています。
脳の萎縮は、海馬という部分から始まり、徐々に進行後、脳全体が萎縮されます。発症後、10~15年で死に至ります。
海馬は、日々脳に入ってくる情報を整理整頓する役目を担っています。海馬をとおして「残す記憶」として整理されたものは、大脳皮質にためられます。この海馬に障害が生じる初期症状では、昔のことは覚えているけれど、新しいことを記憶できないといった症状がみられます。
脳の萎縮が海馬の周りに進むと、見当識障害(今はいつで自分がどこにいるかわからない)や遂行機能障害(料理など順序だてて物事を進められない)等の症状がでてきます。
残念ながら根本的な治療法は、まだありません。しかし、早期発見することで、本人への接し方や環境を整える準備をすることができ、不潔行為や徘徊といったBPSDの悪化を防ぐ効果が期待できます。
(グッドライフシニア編集部)