ルーティン化療法(Routine-based therapy)は、個人の日常生活のルーティンや習慣を活用することで、特定の目標や効果を達成するための療法の手法です。
この療法は、主に自閉症スペクトラム障害(ASD)などの発達障害や認知症などの認知機能の低下がみられる疾患に対して使用されます。
個々の人の生活の中で行われる日常的な活動や習慣(ルーティン)を理解し、それを療法や介入の一環として取り入れることで、彼らの生活の質や機能を向上させることを目指します。
ルーティン化療法では、まず個人の日常生活で重要な役割を果たすルーティンを見つけ出し、そのルーティンの意味や効果を理解します。次に、そのルーティンをより効果的に活用するための調整や修正を行います。
具体的な方法としては、ルーティンの要素や順序を変えることや、サポートや指示を提供すること、視覚的なツール(スケジュールやアイコン)を使うこと、報酬や強化を導入することなどがあります。これにより、個人の日常生活がより順調に進み、目標達成や心理的な安定につながるのです。
この療法の目的は、個人の日常生活におけるルーティンを通じて、自己管理能力や自己統制力を向上させ、生活の予測可能性や安定感を提供することです。また、個人の自己肯定感や自尊心を高め、社会的な関係やコミュニケーションの向上を促す効果も期待されます。
ルーティン化療法は、個々の人の個別のニーズや目標に合わせてカスタマイズされるため、専門家(例えば、治療士や教育者)との共同作業が重要です。
(グッドライフシニア編集部)