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【海外在住者向け】海外在住でもマイナンバーカードを取得できる!メリットと手続き法

2024年5月、海外在住者向けのマイナンバーカード制度がスタートしました。これにより、海外に住む日本人もマイナンバーカードを新たに取得したり、継続して利用したりすることが可能になり、日本国内での様々な手続きがスムーズに行えるようになりました。

この記事では、海外在住者がマイナンバーカードを持つメリット、そして具体的な取得手続きについて解説します。
 

海外在住者がマイナンバーカードを持てるようになった理由

海外移住者マイナンバーカード

海外在住者が国外転出後もマイナンバーカードを持てるようになった背景のひとつには、海外在住者の増加が関係しているといわれています。

外務省の「海外在留邦人数調査統計」によると、2024年10月1日現在の推計で海外永住者は約58万人、長期滞在者は約71万2千人で、なかでも永住者は2003年以降増加傾向にあります。

また、マイナンバーカードには医療や年金情報などを自身で確認できたり、マイナポータルで一体化すると一時帰国の際の健康保険証として利用できるなど多くの機能が備わっています。これらの国内手続きとの連携ニーズが高まったことも制度導入のきっかけのひとつです。

従来のルールと新制度の概要

従来、海外へ転出する際は住民票から抜ける必要があり、マイナンバーカードの返納が必須でした。

2024年5月から施行された新制度では、2015年10月5日以降に海外転出した人を対象に、在外公館(日本大使館・総領事館)でも継続利用またはマイナンバーカードの申請手続きができるようになりました。
 

取得手続きの流れ(海外在住者向け)

海外移住者手続き

ここでは、実際に海外在住者の方がマイナンバーカードを取得する際の手続きについて解説します。

国外転出している状態で手続きする場合

2015年10月5日以降に国外転出をしていて、マイナンバーカードを持っていない方は、在外公館(大使館・総領事館)への申請が必要です。申請は、窓口への持参または郵送で行うことができます。

申請後、通常2ヶ月ほどで交付通知が届き、再度在外公館でカードを受領します。受領時にはパスポートや本人確認書類が必要です。

なお、申請場所と受取場所は異なっていても問題ありません。(例:申請は日本の本籍地自治体、受取は在外公館)

すでにマイナンバーが割り当てられている場合

海外でもマイナンバーカードを引き続き利用する場合は、出国前に、住所地の市町村で転出届とあわせて、国内で利用しているマイナンバーカードを窓口に提出して海外継続利用の手続きを行ってください。

手続き終了後に返却されたマイナンバーカードは、引き続き海外でも利用できます。

なお、マイナンバーカード及び電子証明書は、国外転出届を出すと国外転出予定日に失効してしまいます。国外でも引き続き利用を希望する場合は、日にちに余裕をもって継続手続きを行いましょう。

※国外転出前に国外転出者向けマイナンバーカードへの切替手続きをしなかった方は、マイナンバーカードが失効しているため、国外転出後に国外転出者向けマイナンバーカードの交付申請が必要です。
 

国外転出者がマイナンバーカードでできること

では、実際に海外に住む日本人はどのようにマイナンバーカードを利用できるのでしょうか?

海外でマイナポータルを利用

海外からでもマイナンバーカードでマイナポータルを利用できます。行政からのお知らせを確認したり、各種オンライン申請の一部利用が可能です。

なお、確定申告で利用することが多いe-Taxは2025年1月時点では海外で利用ができません。e-Taxで確定申告等を行う場合は、納税者に代わって申告書の提出その他国税に関する事項を処理する「納税管理人」の届出手続きが別途必要となるため、注意が必要です。

戸籍謄本・戸籍の附票をコンビニで取得

一時帰国した際に必要な書類を取得しておきたい、と考える方は多いもの。マイナンバーカードがあると、戸籍謄本・戸籍の附票をコンビニでスピーディに取得できます。

免税手続きや銀行口座の開設などでも、これらの書類があるとスムーズです。

なお、あらかじめコンビニ交付の利用登録をしておく必要がある点を覚えておきましょう。

ほかにも、帰国時・一時帰国時に以下のようなシーンでマイナンバーカードが利用できます。

■銀行口座の手続き
マイナンバーカードに顔写真が入っていれば、国内での本人確認手段として使いやすいです。

■証券口座やクレジットカードの手続き
マイナンバー提出が必要とされる金融手続きが、スムーズに行えます。また、新たに住民票を移す際にそのままマイナンバーカード継続利用できるのもメリットです。
 

押さえておきたい注意点3点

①対象外のケースがある

2015年10月5日時点で国外に在住し、現在まで引き続き海外に在住している方にはマイナンバーは付番されていません。そのため、“国外転出者向けマイナンバーカード”の利用制度対象外になる可能性が高いです。

また、大使館・総領事館によって手続きの対応状況が異なる場合があるため、手続きが可能かどうか問い合わせることをおすすめします。

②海外からe-Taxは不可

日本非居住者の所得税申告は、納税管理人を立てる必要があります。また、技術的にも海外からe-Taxを利用する環境が整備されていないため、2025年1月時点では海外在住の方がe-Taxを利用することはできません。

なお、e-Tax以外に国税クレジットカード納付専用の外部サイト「国税クレジットカードお支払サイト」を利用すると、クレジットカードで税金の納付が可能です。

③最新情報のチェックが必須

“国外転出者向けマイナンバーカード”の制度は2024年5月に始まったばかりです。今後も運用のアップデートが行われる可能性があるため、最新情報をこまめに確認しましょう。

デジタル庁・総務省・外務省の公式サイトを随時確認することをおすすめします。
 

まとめ

身分証明書や行政からのお知らせの確認に便利なマイナンバーカード。新制度の導入により、海外在住の方も新規申請や継続利用ができるようになり、利便性が高まりました。

「もう日本に戻らない」と思っていても、将来何らかの事情で再移住・帰国する可能性があります。マイナンバーカードを持っていれば、帰国後すぐに身分証明として活用できる点がメリットです。

手続き自体はむずかしいものではなく、総務省やデジタル庁などのホームページに詳細が記載されているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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ライター鶴田智美筆者:鶴田智美
ホテル、人材業界での勤務を経て、出産を期にWEBライターとして活動を開始。
大手ライフメディアサイト、女性向けグルメニュースサイトなどで食・暮らし関連の
記事を執筆中。両親ともに元気ですが、将来に備えて介護について学んでいます。

■参考
・外務省「海外在留邦人数調査統計」
・国税庁「国外転出者向けマイナンバーカードの手続き」「国外から利用可能な納付手続」「クレジットカード納付の手続」
・総務省「住民票及び戸籍の附票等について」
・マイナポータル「国外に転出(引越し)した後も、マイナポータルは利用できますか。」
・デジタル庁「よくある質問:マイナンバー(個人番号)について」

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