要介護認定を受けた人が利用できる介護サービスには、在宅介護で利用できる居宅サービス、特養などの施設に入居する施設サービス、夜間対応型訪問介護やグループホームなど、住み慣れた地域で利用できる地域密着型サービスがあります。
このページでは、それぞれのサービス内容と、どのような人がサービスを利用できるのか分かりやすく説明いたします。
1.居宅サービス
要支援・要介護者が自宅での生活を続けながら、介護や看護、リハビリテーションなどのサービスを受けることができるサービスが「居宅サービス」です。
居宅サービスには訪問サービス、通所サービス(デイサービス・デイケア)、短期入所サービス、その他のサービスがあります。
訪問サービス
ホームヘルパーや介護福祉士、看護師、理学療法士など、専門スタッフが自宅を訪問し、身体介護、生活援助などの日常生活の介助や料理や洗濯などの生活援助、リハビリなどを行います。
通所サービス
デイサービス(通所介護)とデイケア(通所リハビリテーション)があり、デイサービスは自宅から施設に通い介護やリハビリを受け、デイケアはリハビリテーションを中心に行います。
デイサービスとデイケアのさらに詳しい記事↓
■デイサービスとデイケアは何が違うの?をご覧ください。
短期入所サービス(ショートステイ)
何らかの事情で一定期間、自宅での介護が困難になったとき、施設に短期間宿泊することができるサービスです。
短期入所生活介護
1泊2日から連続30日以内の期間で入所し、日常生活のサポートを受けることができます。
その他のサービス
福祉用具のレンタルや購入、住環境の改善(住宅改修)などを受けることができるサービスです。
介護保険の「居宅サービス」とは?|訪問・通所・短期入所サービスを詳しく解説
2.施設サービス
介護保険サービスで利用できる公的な施設のことを介護保険施設といいます。大きく分けると特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設(療養病床)・介護医療院の3つに分かれています。
介護保険施設の入居条件
介護保険施設 | |
---|---|
特養 | 原則:要介護3~要介護5 |
老健 | 要介護1~要介護5 |
療養病床 | 要介護1~要介護5 |
介護医療院 | 要介護1~要介護5 |
特別養護老人ホーム(特養)
常に介護が必要な状態で、自宅での介護も難しいという人が入所する施設。生活の場として日常生活全般の手厚いサポートを受けることができます。
利用できるのは要介護3以上の人です。待機者も多く入所までに数年かかることもあります。
介護老人保健施設(老健)
リハビリを中心とした医療ケアも受けることができる施設です。要介護1以上の人が利用できます。
病状が安定して退院するものの、自宅に戻ることが困難といったケースで活用されます。
在宅復帰を目的とした施設なので、入所期間は原則3ヶ月です。
介護療養型医療施設(療養病床)・介護医療院
最も医療系に特化した医療系の施設です。主に医療・看護・リハビリなどの医療サービスを提供し、病状は安定しているものの、条件としては要介護1以上で長期的な療養が必要といった場合に利用できます。
療養病床は、2024年3月には廃止されることが決まっており、廃止後の受け皿となるのが、2018年4月に新しく法定化された施設「介護医療院」です。
■介護保険の「施設サービス」とは?特養・老健・療養病床を詳しく解説
3.地域密着型サービスとは
中重度の要介護の高齢者が、できる限り住み慣れた地域で生活を続けていけるよう創設されたサービスです。
地域密着型サービスを受けられるのは、原則としてサービス事業者と同じ市町村に住民票を持っている、65歳以上の高齢者になります。40~64歳で、特定疾病により要介護認定を受けている人も含まれます。
地域密着型サービスには以下の種類があります。
・小規模多機能型居宅介護/看護小規模多機能型居宅介護
・夜間対応型訪問介護
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
・認知症対応型通所介護
・認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
・地域密着型特定施設入居者生活介護
・地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護
■介護保険の「地域密着型サービス」とは?その種類や特徴を詳しく解説
以上、施設サービスについてのご紹介でした。
各サービスの利用条件や料金は、要介護度(要支援・要介護)やサービス事業所によって異なりますので、詳細はお住まいの地域包括支援センターに確認してください。
(グッドライフシニア編集部)