有料老人ホームやサ高住などの高齢者向け施設の入居を考える際、どのような施設なのかをじっくり調べて、候補の施設を比較する必要があります。
そのためには、資料請求や施設見学を行い、実際に住む生活を体感するためのステップを踏むことが大切です。このページでは、サ高住や老人ホーム探しのさいに気を付けたいポイントをご紹介いたします。
チェックすべき住まい選びのポイント
1、費用について
まず、1番のポイントとなるのが予算面です。いったい毎月いくらの「費用」がかかるのか?民間の有料老人ホームでは、初期費用として入居一時金がかかります。さらに居住費、食費、管理費、日常生活費や月額費用などがかかります。
公的な施設(老健・特養・療養型施設)は、入居一時金などの初期費用がなく、月額費用を毎月支払うという仕組みです。
サ高住の場合は、毎月の支払いは賃料、管理費や生活支援サービス費に、別途、オプションで食事サービスを利用した場合、利用した分だけを支払います。
また、民間の施設にも種類があるため、どの施設を選択するかによって費用に大きな差が出てきます。無理のない料金設定で、安心して住むことができる施設を選択することが大切です。
費用については、有料老人ホーム(介護付き・住宅型・健康型)入居にかかる費用をご覧ください。
2、地域や周辺環境
施設が立地している「地域」は、施設選びの際に大切になるチェックポイントです。サ高住の場合は、自立した生活を送りたい・慣れ親しんだ場所で暮らしを継続したい方が多いので、なるべく今ある家の近くで探すのが良いでしょう。遠方のご家族の近くに探すときには、環境の変化を考慮の上、施設を選択するようにしましょう。
介護付き老人ホームの場合は、娘さんや息子さんなど面会に通われるご家族の家からあまり離れていないエリアで探すのが最適だと思われます。また、施設が立地する地域によって、費用面に差が出てきます。地域と費用面を合わせて、ベストな施設選びをしましょう。
3、食事
食べることは健康の源!毎日の食事は高齢者にとって大きな楽しみ、どのような料理が提供されるのか重要視したいポイントですよね。
なかには旬の素材を生かした、レストラン顔負けの豪華な料理を提供する施設もあります。
施設内の厨房で管理栄養士による食事の提供なのか、または外部サービスを利用しているのか、和食と洋食の選択ができるのか、好き嫌いにも対応してくれるのか、イベント時や季節のメニューがあるのかなどの確認を。
老人ホームの場合は、きざみ食や介護食の対応があるのかも聞いておきましょう。
4、施設スタッフの質
入居し生活する際に、最も触れ合う機会が多いのが“施設スタッフ”です。そこで働くスタッフの雰囲気は良いか?ご自分に合っているか?など、施設で心地よい生活を送るために大切な要素です。
親切且つアットホームな雰囲気を提供してくれるスタッフがいる施設であれば、穏やかで安心した暮らしを送ることができるでしょう。施設見学の際、実際のスタッフの対応もチェックすることが大切です。
5、ケア・医療体制
安心してシニアライフを過ごすためには、施設でどのようなケアを受けることができるか事前に見て調べる必要があります。老人ホームの場合は、国が定める最低基準は、入居者3人に対し介護スタッフ1名以上です。スタッフが多ければ多いほど、手厚い介護を受けることが可能になります。
また、体調面を考慮した際、医療体制も重要なポイントです。特定の持病や疾患などがある場合は、対応してくれる施設なのか確認する必要があります。看護師が常駐しているのか、提携の医療機関が近隣にあるのか、緊急時の対応はどのようになっているかなど、医療体制がどれだけ整っているのチェックしましょう。
6、設備・リクレーションなど
介護付き老人ホームの場合は、施設の設備がしっかりとしているかどうかも重要なチェックポイントです。医療・介護に関する設備や、共有の設備。またイベントなどの娯楽面も整っているかも確認しましょう。
車椅子を使用した際、廊下や居室内でじゅうぶんに動くことができるスペースがあるかどうか・ドアは開けやすい形状であるかどうか・床の材質は滑りにくいものであるかどうか。
散歩をする庭や景色を眺めることができるバルコニーがあるかどうか・緑が多い環境かどうかなど、充実した生活を送ることができるかの判断が必要です。

有料老人ホームの選びのポイント
元気な高齢者向きの老人ホーム
基本的に、住宅型有料老人ホームと健康型有料老人ホームは要介護度が低く、自立した生活を送ることができる高齢者の方を入居者として想定しているため、介護サービスを受ける場合には外部の介護事業者に個別にサービスを依頼することになります。
施設内の設備については介護付き有料老人ホームよりも優れているところが多く、心身の健康状態に問題がなく、充実したシニアライフを送りたいという方に適していると言えます。
介護が必要な人向きの老人ホーム
これに対し、介護付き有料老人ホームは施設側から介護サービスを受けることができ、介護にかかる費用も要介護度に応じた自己負担分を支払えばいいため、日常生活で介護を必要とする方に向いています。
このように、施設の種類によってどのような方を入居者に想定しているかが異なるため、施設のサービスや設備をよく吟味し、どのような生活を送っていきたいかを考えながら有料老人ホームを探すことがまず重要になります。
次に考えておく必要があるのは入居後の生活についてです。入居後、有料老人ホームに住むほかの入居者の方や職員と多岐にわたって交流することになります。
そのため、施設の雰囲気が自分に適しているかもよく考えておく必要があります。パンフレットを取り寄せるだけでなく、実際に足を運び、自分の目で施設の様子がどうかを確かめておくことが重要と言えるでしょう。
また、入居後に要介護度が上がった場合でも住み続けることができるかも考えておく必要があります。現在の心身の健康状態に問題がなくても、入居後に要介護度が上がってしまい、入居時と同じ生活を送れなくなった場合には、サービス付き高齢者向け住宅と同様に退去や転居が必要な場合があります。
そのため、入居前にはそうした将来のことについても相談し、どのくらい住み続けることができるかも視野に入れておく必要があります。
サ高住・高齢者向け賃貸住宅選びのポイント
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、提供されるサービスや設備に幅があり、どの施設でも生活相談と安否確認のサービスを受けることができますが、ほかにも健康管理や食事提供などのさまざまなサービスを設けている施設があります。
高齢者向け賃貸住宅はサ高住のようなお食事サービスは付きませんが、各施設によって安否確認サービスや生活支援サービスなどに対応しています。
設備についても大浴場や共有リビングなどの入居者間の交流スペースを設けているところがあります。そのため、健康状態やどのような生活を送りたいかを考え、それを実現するのに必要なサービス・設備があるかを考えていくことが重要と言えるでしょう。
加えて、サ高住・高齢者向け賃貸住宅を選ぶ際には、どの程度住むことができるかも視野に入れておく必要があります。施設の性質上、サービス付き高齢者向け住宅は自立できる高齢者の方を居住者に想定しており、すべての施設に介護サービスなどが存在するわけではありません。
したがって、入居後に要介護度が上がると必要な介護サービスを施設から受けることができず、やむなく退去や転居を命じられるケースも少なくありません。
要介護度が上がった場合の施設側の対処法など、生活面のことだけでなく将来まで見据えた住宅選びが大切と言えます。
■サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?
■高齢者向け賃貸住宅とは?
気になる施設は資料請求をしましょう
ある程度の目星がついたら、気になる物件と合わせて似た物件を比較して検討してみましょう。そして、資料請求でパンフレットを取り寄せましょう。
多くの場合、資料は無料で取り寄せることが可能です。施設の特徴をはじめ、運営の方針、料金、サービス内容、交通アクセスなどがわかりやすく記載され、施設内の様子が写真で掲載されています。
複数の施設のパンフレットを集め紙面で比較を行い、自分に合っているかどうかを検討してください。資料請求から気に入ったホームやサ高住が見つかったら、実際に見学をしましょう。
(グッドライフシニア編集部)
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(グッドライフシニア編集部)
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