二地域居住とは、簡単に言えば「都会と田舎」の両方に居住拠点を持つ生活スタイルのことです。
こちらの記事では、二地域居住の定義や、その具体例、さらには地方にもたらす効果について掘り下げてみましょう。
二地域居住とは?
二地域居住とは、都会に暮らす者が、田舎にも生活拠点(ホテルなどの宿泊も含む)を持ち、週末や一定の期間そこで暮らすことを指し、近年、注目されているライフスタイルの一つです。
二地域居住は、国土交通省により推奨されており以下のように定義されています。
都市住民が、本人や家族のニーズに応じて、多様なライフスタイルを実現するための手段の一つとして、農山漁村などの同一地域において、中長期(1~3ヶ月程度)、定期的・反復的に滞在することにより、当該地域社会と一定の関係を持ちつつ、都市の住居に加えた生活拠点を持つこと。
このことから、過疎化対策の意味合いが強い二地域居住は、都会と田舎の2ヶ所で生活すると定義されています。
一方、二拠点生活(デュアルライフ)は、二地域居住のように田舎と都会に暮らすとは定義されていません。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
■2ヶ所を拠点に生活する「二拠点生活(デュアルライフ)とは?」
■2つ以上の場所で暮らす生活スタイル「マルチハビテーション(マルハビ)とは」
二地域居住の具体的例
二地域居住を実践している方の具体的例としては、以下のようなパターンがあります。
週末の田舎暮らし
平日は都市での仕事や学業に従事し、週末になると自然豊かな田舎地域でリフレッシュするパターンです。都市での忙しい日常から離れ、自然の中でリラックスした時間を過ごします。
季節ごとの移動
季節に応じて異なる地域での生活を切り替えるパターンです。例えば、暑い夏は高原や軽井沢などの避暑地で過ごし、寒い冬は温暖な気候の伊豆や沖縄などの沿岸部で過ごすといったスタイルです。
これにより、年間を通じて快適な気候のもとで過ごすことが可能です。
夫だけ単身で都会と田舎を行ったり来たり
東京から少し離れた神奈川や千葉などの環境の良い場所に生活の拠点を移し、都心部で仕事をする夫だけが田舎と都会を行ったり来たりするパターンもあります。
毎日の通勤に1時間以上かかるとなると体の負担も大きいですが、親が健在で実家が東京にあれば可能となります。
残業や夜が遅いときは実家に泊まり、通勤時間に縛られず仕事をすることができます。空気の良い自然のあるところで、のんびりと子育てすることも可能となります。
二地域居住の地方への影響は?
二地域居住が地方での地域社会や経済に与える影響は以下のようにまとめられます
地域間の交流促進
都市と田舎の両方に居住することで、異なる地域の文化や人々との交流が促進されます。
地域経済の活性化
二地域居住者は地方の飲食店や宿泊施設、観光業、サービス業などを利用することで地域経済に貢献します。
地域社会への貢献
二地域居住者は定期的に地域に滞在し、地域の行事や地域活動に参加することで地域社会との絆が深まります。
地域産業の振興
二地域居住者は地方の特産品や地域資源を活用した生活を送ることが多く、地域産業の振興にも寄与し新たなビジネスチャンスが生まれる可能性があります。
以上のように、二地域居住は、地方への地域社会や経済にポジティブな影響を与える可能性があります。
また、田舎と都会の異なる地域に居住することで、さまざまな人と交流する機会が増え、これにより新しい友人やビジネスチャンスも広がるかもしれません。
(グッドライフシニア編集部)
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