公共の交通機関が発達していない地方に住む高齢者の方々や、そのような地域への移住を検討しているシニアにとって、運転免許証の有無は生活に関わる重大な問題です。
移動手段が公共の交通機関のみとなると、日常生活の自由度がかなり低くなってしまいます。
ここでは、車社会での高齢者の移動手段について、考えていきます。
地方での移動手段は、まだまだ自家用車
内閣府が発表した「平成29年交通安全白書(概要)」の『高齢運転者による死亡事故の発生状況』によると、75歳以上の運転者の死亡事故件数は、75歳未満の運転者と比較して、免許人口10万人あたりの件数が2倍以上多く発生しているとのことです。
高齢者による車の事故が年々増えていますが、バスや電車といった公共交通機関が充実していない地域では、普段の買い物や通院、趣味での外出などに不便を強いられるケースがあります。
ご自宅からバス停や駅まで歩いて数十分、交通機関は2~3時間に1本の運行、という方もいらっしゃることでしょう。必然的に主な移動手段は自家用車になります。1家に1台ではなく、免許を所持している人1人に1台の車社会なのです。
そういったエリアにお住まいの方々にとって、運転免許証の返納は簡単に決断できることではありません。
年齢を重ねると、判断力や運動機能が低下するのはやむを得ないことです。高齢者による事故の危険性を考えて、運転免許証を返納するのが有効な方法ではありますが、その狭間で自身の生活がままならなくなるために悩む高齢者がいるのも事実です。
地方自治体サービスが浸透していない現状
自治体ごとに内容は異なりますが、高齢者専用の町内運行バスや高齢者向けタクシーチケットの配布など高齢者への積極的な行政サービスが行われています。
その多くはインターネットによる情報配信が一般的になっているため、高齢者の中には、このようなサービスの存在を知らない、また取得方法が分からない人もいます。
問題を解決する選択肢のひとつとして
このような問題を解決する手段のひとつとして、高齢者向け施設の利用を検討されてみるのも良いのではないでしょうか。
高齢者施設と聞くと、介護度の高い高齢者が入居する施設を想像される方がいらっしゃるかもしれませんが、実際はそれだけではありません。
さまざまなサービスを展開した高齢者向け施設があり、健康なうちから入居を検討される方が増えています。
このような高齢者向けの住宅の中には、サービス付き高齢者向け住宅や高齢者向け賃貸住宅があります。イメージとしては、賃貸住宅に住みながら、困ったときに各種サービスを受けることができるというものです。
これらの住宅には行動の制限はありません。ご自身の好きなように生活を送るなかで、必要なときにタクシーの送迎や食事といったサービスを依頼することができるのです。
車の運転についてもそうですが、年齢を重ねることで、自分でできることに制限が付き、選択肢が狭まってくると感じる場面が多くなることでしょう。
寂しいと感じる人もいるでしょうが、反面、選べる選択肢の内容が質の高いものとなります 。今回ご紹介した「高齢者向け住宅」がまさにその“質の高い”サービスが受けられるシニア専用の住まいなのです。
車の運転や食事の支度をはじめとした生活に関係することを、子どもや孫にお願いするのは気が引けます 。日々の生活を自分の力で送っていきたいと考える方には、ぜひ選択肢の1つとしてご検討いただければと思います。
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(グッドライフシニア編集部ライター 白藤さつき)
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