株式会社イチイのシニア営業部では、元気なシニアの方がなぜ「自立型サービス付き高齢者向け住宅」や「高齢者向け賃貸住宅」に入居したのか、入居者の方々にご協力いただき、「入居時の意識調査」を行いました。
高齢者向け賃貸の入居者に特化した意識調査です。入居を検討する方に参考にしていただければ幸いです。
高齢者向けの賃貸住宅はどのようなシニアから求められているのか?
今回の調査は、弊社が仲介・管理するサ高住と高齢者向け住宅の中から23棟、667名を対象とし、高齢者向け賃貸への入居理由、入居者の入居形態、高齢者向け賃貸の月額費用などについて質問しました。
親を呼び寄せたい子の想いの受皿
厚労省による平成26年、1900名が対象の「高齢者向け賃貸(介護型含む)の入居者アンケート調査」によると、入居を決めた理由は「ひとり暮らしが不安になったため」がトップ(77%)を占め、第2位の「介護が必要だから」を上回りました。
一方、イチイの今回の「高齢者向け賃貸(自立型のみ)の入居者意識調査」によると、高齢者向け賃貸への入居理由の1位は「安心のため」、2位は「呼び寄せ」という結果になりました。
「呼び寄せ」とは、離れて住む子どもが親を自分の家の近くに呼び寄せるということです。
■都会で増える親の呼び寄せ問題|同居か?近居か?それぞれの事情と成功のポイント
50~60代の子ども世代にヒアリングすると、「地方の実家で暮らす年老いた親のことが心配」「家族の近くで生活してもらいたい」「孫の育児を手伝ってもらいたい」との声が少なくありません。
遠く離れて住む親と子が「同居」はしないが近くに住む「近居」を望む。自立型高齢者向け賃貸は、こうしたニーズに対する数少ない受け皿となっているのです。
その他の理由には、「配偶者に先立たれ心細くなった」「庭や家の維持が一人で大変」「家が広すぎる」などが上位を占めていました。
8割が単身入居、老後は賃貸へ
高齢者向け賃貸には、ひとり暮らしの入居者が約8割と多数を占め、残りの約2割が夫婦での入居。
親子や兄弟姉妹のふたり入居も若干ありますが、圧倒的に単身での入居が多いという結果となりました。
厚生労働省の「我が国における高齢者の住まい等の状況について」によると、65歳以上の高齢者のいる世帯、および65歳以上の高齢夫婦世帯は、約8割が一戸建てに居住しています。
一方、65歳以上の高齢単身世帯では、一戸建てよりも約6割が共同住宅に居住していることがわかります。
「家族と同居する高齢者」と「高齢者夫婦」の持ち家の割合が高いのですが、「ひとり暮らしの高齢者」の世帯は持ち家率が66%とぐっと低くなり、単身の場合は、賃貸の割合がその分伸びています。
自立型高齢者向け賃貸の支払い月額は19万
それでは、いったい高齢者向け賃貸への入居にはいくらくらいの費用がかかるのでしょう?
イチイの今回の調査では、高齢者向け賃貸の家賃、共益費(管理費)・サービス料などの支払合計額は、月額で平均すると191,479円となりました。
平均家賃との差額は42,757円で、これが共益費・サービス料などの平均額です。
大まかに計算すると、都内で高齢者向け賃貸に入居するには家賃が15万円ほど、管理費・サービス料が約4万円必要ということになります。
高齢者向け賃貸は、一般的な賃貸よりは少し割高感があり、この値段が高いか安いかは、それぞれの生活基準や価値観により異なりますが、シニアに特化した各種サービスがあるのは大きな魅力です。
まとめ
持ち家から賃貸の高齢者向けマンションに移り住む人は、今後も増えると予想されます。
住んでいる場所が都市部か田舎か、また、家族構成や年令、資金などによって高齢者の住まいの環境は違ってきます。
ご自分の状況に適した中から、最善の選択をするためにもご家族との話し合いも大切です。
ご本人も元気なうちから老後の資金計画や生活設計を考えておくことが大切です。
自立型高齢者向け賃貸は老人ホームとは違い、好きなときに外出したり、ご家族やお友達を招いたりと、今まで通りに自由度の高い生活を送れます。
高齢者向けのサービスが充実した賃貸住宅ですので、元気なシニアにはぴったりの住まいといえるでしょう。
・自分で身の回りのことができるけど安心できるサービスも欲しい。
・老後の生活をアクティブに楽しみたい。
・同居は望まないけれど娘や息子家族の近くで暮らしたい。
そんなシニアの方は、ぜひ自立型高齢者向け賃貸をご検討ください。
(文:グッドライフシニア編集部 松尾)
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