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老親に車の運転をやめさせたい!免許の自主返納を説得する方法

高齢者ドライバー

高齢の親に車の運転を辞めてもらいたくても、本人が免許の返納をしたがらない、無理やり辞めさせるわけにもいかず家族は心配している…といった話を耳にします。

親の生活もあるし、あまり強くは言えないかもしれません。しかし親が交通事故を起こした場合、加害者になってしまい、さらに認知症の場合は、その賠償金を子が支払うというケースもあるのです。

このページでは、高齢の親に自主返納をしてもらうためのヒントをご紹介します。
 

自主返納をすすめるときに大切なこと

高齢者ドライバーは、「足腰が弱ってバス停や駅、スーパーまで歩くのも大変」「長年運転しているし慣れている道だから大丈夫」。多くの高齢者が、このような理由から車の運転していると思います。

しかし親が75歳を過ぎて、もしも運転中に危険な兆候を家族が感じたら、免許の自主返納をすすめる勇気も必要です。

主な兆候としては以下のようなものがあります。
 

危険な兆候
・道に迷うことが多くなった
・同じ道なのに今までより時間がかかるようになった
・右左折のウインカーを間違って出したり、出し忘れたりする
・カーブをスムーズに曲がれないことがある
・歩行者、障害物、他の車に注意がいかないことがある
・車庫入れの時、塀や壁をこすることが増えた

 
ドライバー本人が納得し自ら運転を止めるためには、早い段階から家族が協力し、本人の意思を尊重しながら話し合いを進めることが大切です。

頭ごなしに「危ないから運転を辞めて!」といった言い方は避け、親のプライドを傷つけないよう考慮しましょう。
 

 
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次に自主返納の説得法について考えてみましょう。
 

どう説得すればいいの?

免許返納

免許がなくなった時の本人の不安を、ひとつずつ減らしてあげることが大切です。タイミングや状況を考慮しながら以下の方法で説得しましょう。
 

車の維持にかかる年間コストを算出しメリットを伝える。

車を維持するには税金、ガソリン代、保険代、車検などの費用が月額に換算すると2万円~5万円ほどかかる場合があります。車を処分すれば、そのお金が節約できるわけです。

「通院にタクシーを利用すれば年間20万円くらい自由になるお金が増えるよ!年に数回温泉旅行に行けるね!」などと、興味の湧くような内容を伝えながら、おおよその金額を伝えてみましょう。
 

車が利用できなくなった時の代案を示す

「車がないと何を不便に感じるのか?」を聞いて、車がなくなっても代わりに利用できる代案を示しましょう。本人も車のない生活が具体的にイメージができて安心です。

交通機関の割引サービス

免許返納後にタクシーやバスを割引運賃で利用できることや、その具体的な利用方法(申し込み・料金)も伝えましょう。

自転車の利用

近所の移動であれば、免許を返納して代替の移動手段として自転車を利用する方もいます。特に電動アシスト付きの 三輪・四輪自転車は転倒しづらく、荷物もたくさん運べるため高齢者にもおすすめです。

運転経歴証明書を提示すれば自転車の購入代金が割引になる地域もあります。

家族のサポート

本人が運転を辞めた後に、家族もできることは協力しましょう。

休日に、代わりに運転して買い物や通院などのサポートをしてあげるとご本人も安心できるうえ、車内で会話をしたり、途中レストランで食事をしたりすれば、親子のコミュニケーション作りにも!
 

事故を起こした時の賠償責任などを伝える

もしも交通事故を起こすと、それに伴う賠償責任や社会的制裁が家族にも影響を及ぼす可能性があります。

ケースによっては、親本人だけではなく家族(子)が民事上の責任を問われ賠償金を支払う可能性もあるのです。そうなると本人だけの問題ではありません。
 

かかりつけ医や親族にお願いする

家族が説得しても聞く耳を持たない、意固地になって運転を辞めない、といった場合は、第三者に話をしてもらうのも手です。

親が信頼している親族や友人、かかりつけ医などに説得のお願いしてみましょう。
 

相談窓口に相談してみる

安全な運転に不安のある高齢ドライバーやそのご家族の相談機関として、警視庁の担当の職員(看護師等の医療系専門職員をはじめとする専門知識の豊富な職員)による相談窓口があります。

不安のある方は専門家にアドバイスをしてもらうのもよいでしょう。

安全運転相談窓口一覧表
 
認知機能に衰えの見える場合は、交通事故のリスクを減らすうえでも免許自主返納が大切ですが、周囲にスーパーも病院もないような、地方の過疎地に住む高齢者にとっては車は大切な足。

70、80歳を超えた高齢者がマイカーに依存することなく暮らすためには、高齢者が利用しやすい交通手段や買い物支援などが必須だと思います。

巡回バスやタクシー券の配布、訪問診療や移動スーパーなど、自治体や民間企業のサポートが充実していくことを願います。

参考:政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201804/3.html
運転免許証の自主返納・運転経歴証明書について
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/korei/henno_keireki.html
運転免許証の自主返納に関するリーフレット
https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/pdf/rdhleaflet.pdf

(グッドライフシニア編集部 松尾まみ


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