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親の家をどうする?実家じまいの進め方|手順や処分・活用法・費用・注意点を解説



親が亡くなったあと、誰も住まなくなった実家。「思い出があって手をつけられない」「相続したけれど、どうすればいいかわからない」と悩む人は少なくありません。

しかし、実家をそのまま放置しておくと、空き家による防犯上の問題や固定資産税の負担、建物の老朽化など、さまざまなリスクが生じることがあります。

この記事では、相続した実家を整理する「実家じまい」について、進め方や費用、売却・賃貸・解体などの選択肢、注意点をわかりやすく解説します。

 

実家を空き家のまま放置するリスクとは?

「実家じまい」とは、親が住んでいた家や家財を整理し、売却・賃貸・解体など、今後の扱いを決めることを指します。

しかし、どこから手をつければよいのか分からずに悩み、結果的に放置してしまうケースも少なくありません。

さらに、近年は少子高齢化が進む中で、親の家を相続しても自ら住まないケースも増えています。その結果、住む人のいない実家が「空き家」となり、社会問題の一因となっています。

実家を空き家のまま放置した場合、主に以下のようなリスクが考えられます。

  • 固定資産税の負担が増える可能性がある
  • 老朽化による倒壊リスク
  • 防犯や治安の問題

空き家を適切に管理せず、「管理不全空家」や「特定空家」として自治体から勧告を受けると、土地に適用されていた住宅用地特例の対象外となり、固定資産税の負担が大きく増える可能性があります。

空き家問題についての詳しい記事はこちらをご覧ください。
「空き家」増加の背後にある相続問題、放置により起こる問題や有効な対策は?

このような問題を防ぐためには、実家を空き家のまま放置せず、計画的に整理や活用を進めることが大切です。
 

実家じまいの進め方

実家じまいを進めるうえで、大切な4つのステップは以下の通りです。

①現状を把握する

  • 実家の所有者・名義を確認する
  • 固定資産税の負担をチェックする
  • 住宅ローンや抵当権の有無を確認する

まずは、実家が現在どのような状態にあるのかを確認しましょう。登記簿などで所有者や名義を確認し、固定資産税の負担、住宅ローンや抵当権の有無なども把握しておくことが大切です。

②相続手続きを確認する

  • 遺言書の有無を確認する
  • 相続人を確認する
  • 相続登記が済んでいるか確認する
  • 相続財産の全体を確認する

親が亡くなった後に実家じまいを進める場合は、遺言書の有無や相続人を確認し、誰が実家を相続するのか整理しておきましょう。

2024年4月から相続登記が義務化され、不動産を相続したことを知った日から原則3年以内に登記を行う必要があります。実家を売却する場合にも相続登記が必要になるため、早めに手続きを進めておくことが大切です。

また、実家だけでなく、預貯金などを含めた相続財産の全体も確認しておきましょう。相続財産の額によっては相続税の申告が必要になる場合があり、申告・納税期限は原則として相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。

相続に関する手続きには期限が設けられているものもあるため、実家の整理と並行して進めていきましょう。

③家族と相談する

  • 実家を誰が管理するのか決める
  • 売却・賃貸・解体など、今後の方向性を話し合う

相続人が複数いる場合は、実家をどうするのか十分に話し合っておくことが大切です。売却するのか、賃貸として活用するのか、解体するのかなど、それぞれの希望を確認しながら方針を決めましょう。

④遺品整理を進める

  • 「残すもの・処分するもの」を分類する
  • 買取・寄付・廃棄などの方法を検討する

荷物が多く、自分たちだけで整理するのが難しい場合は、遺品整理業者を利用する方法もあります。その際は、料金体系や作業内容を確認し、信頼できる業者を選びましょう。

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実家じまいの方法は?売却・賃貸・解体の比較と費用の目安

家の模型とノート、電卓

実家じまいの方法には、主に売却・賃貸・解体などがあります。それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。

方法 メリット デメリット
売却 まとまった資金を得られ、維持管理の負担をなくせる 売れるまで時間がかかる場合がある
賃貸 継続的な家賃収入が期待できる 建物の維持管理が必要で、借り手が見つからない場合もある
解体・更地化 老朽化した建物の倒壊や管理のリスクをなくせる 解体費用がかかり、住宅用地特例が外れて固定資産税が増える場合がある

 

主な費用の目安

実家じまいにかかる費用は、建物の大きさや状態、地域などによって大きく異なります。主な費用としては、以下のようなものがあります。

  • 不動産売却時の仲介手数料
  • 解体費用(100万~300万円程度)
  • 遺品整理費用(5万~50万円程度)
  • 測量や登記などにかかる費用

実家を売却する際にかかる費用

実家を売るときには、不動産会社への仲介手数料や税金、登記などの費用が発生します。主な費用は以下の通りです。  

費用項目 概要 目安
仲介手数料 不動産会社に支払う手数料 売却価格が400万円を超える場合、上限は「売却価格×3%+6万円+消費税」(注1)
測量費用 土地の境界が不明確な場合などに必要 30万~80万円程度
解体費用 古い家を解体して更地にする場合 100万~300万円程度
登記関連費用 相続登記や抵当権抹消など、必要な登記手続きにかかる費用 手続きの内容や不動産の評価額などにより異なる
譲渡所得税など 取得費や売却費用などを差し引いて利益が出た場合に課税される 所有期間や利用できる特例などによって異なる
遺品整理・残置物処分費用 家具や家財などを整理・処分する場合 荷物の量や住宅の広さなどによって異なる


(注1)原則では、仲介手数料は物件価格に応じて計算され、400万円を超える物件では「売却価格×3%+6万円+消費税」が上限の目安となります。
ただし、2024年7月からは、800万円以下の「低廉な空家等」について特例が設けられ、一定の場合には仲介手数料の上限が税込33万円となります。

相続した空き家の売却では3,000万円特別控除も確認

相続した実家を売却する場合、一定の要件を満たせば「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」を利用できる場合があります。

この特例が適用されると、譲渡所得から最高3,000万円まで控除することができます。ただし、対象となる家屋や敷地を相続した人が3人以上いる場合は、1人あたりの控除額が最高2,000万円となるなど、適用にはさまざまな条件があります。

実家を売却する前に、特例の対象になるか税務署や税理士などの専門家に確認しておくと安心です。

実家を高く売るためのポイント

  • 複数の不動産会社に査定を依頼し、価格を比較する
    1社だけに任せると相場を見誤る可能性もあります。2〜3社程度の査定を比較し、地域の相場を把握しましょう。
  • その地域で売却実績のある不動産会社を選ぶ
    地域の不動産事情や購入希望者の傾向に詳しい会社を選ぶことで、売却をスムーズに進めやすくなります。
  • リフォームする前に不動産会社へ相談する
    売却前に高額なリフォームをしても、その費用を売却価格に上乗せできるとは限りません。まずは現状のまま査定を依頼し、必要性を相談しましょう。
  • 荷物を整理し、室内を清潔にしておく
    不要な荷物を整理し、室内を整えておくことで、購入希望者が見学した際の印象を良くすることができます。

売却が難しい実家・土地の場合は?

立地や建物の状態によっては、実家を売りに出してもなかなか買い手が見つからないことがあります。その場合は、不動産会社への買取相談のほか、賃貸として活用する方法や、自治体などが運営する「空き家バンク」への登録なども検討してみましょう。

思い出のある家をすぐに手放したくない場合は、空き家活用も選択肢のひとつです。

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また、一定の要件を満たす土地については、相続した土地を国に引き渡す「相続土地国庫帰属制度」を利用できる場合があります。ただし、建物がある土地は対象にならないなど条件があるため、事前の確認が必要です。

売却だけにこだわらず、実家の立地や状態に合った方法を検討することも、実家じまいの大切なポイントです。
 

実家じまいは早めの準備と家族での話し合いが大切

実家じまいでは、家族や相続人と十分に話し合い、名義や相続登記の状況を確認したうえで、売却・賃貸・解体など今後の方針を決めることが大切です。実家を長期間放置すると管理の負担も大きくなるため、早めに準備を進めましょう。

また、実家じまいは親が亡くなった後だけでなく、親が元気なうちに将来の暮らしを考え、住み替えとあわせて進める方法もあります。

たとえば、広い実家を子ども世帯が引き継いでリフォームやリノベーションを行い、親世帯は利便性の高いコンパクトな住宅へ住み替える方法もあります。実家を売却せず家族で住み継ぐことができるため、実家じまいの選択肢のひとつとして検討してみてもよいでしょう。

親が新しい住まいへ住み替える場合は、「シニア向け賃貸住宅」や「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」なども選択肢になります。

見守りや生活支援などを受けられる住まいもあるため、ライフスタイルや健康状態、将来の暮らし方に合わせて検討してみましょう。

シニア向け賃貸住宅とは?
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?

首都圏のサ高住については、こちらから物件情報を検索できます。
グッドライフシニアでシニア向けの賃貸住宅を探す

シニア向けの一般賃貸をお探しの場合は、空室情報を確認できる姉妹サイト「シニア賃貸60+」もおすすめです。
シニア賃貸60+で空室を探す

参考

  • 法務省「相続登記の申請義務化について」
  • 国土交通省「空き家対策 特設サイト」
  • 国土交通省「低廉な空家等の仲介手数料特例」
  • 国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
  • 法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」
筆者:松尾まみ
松尾まみ学生時代より情報誌や雑誌で旅ライターを始め、国内・海外の取材歴8年。結婚と出産で休業。その後、オーガニック化粧品・食品の会報誌の編集を経てWEBに転身。介護、不動産、健康などの記事の執筆と高齢者向けサイト運営を16年。その間、自身も親の介護を経験しながら現在に至る。

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