親が住んでいた実家をどうするか――これは多くの人が直面する課題です。
実家を空き家のままにしておくと、固定資産税の負担や老朽化による空き家問題が発生するリスクがあります。また、防犯や近隣トラブルの原因になることも少なくありません。
そこで、本記事では実家じまいをスムーズに進めるための具体的な手順、費用、注意点を詳しく解説します。
なぜ今、実家じまいが重要視されている?
「実家じまい」とは、親が住んでいた家を整理し、売却・賃貸・解体などで適切に処分することを指します。
しかし、どこから手をつけるべきか分からずに悩み、結果的に放置してしまうケースも少なくありません。
さらに、近年は少子高齢化が進む中で、親の家を引き継がずに手放すケースが増えています。 その結果、住む人のいない実家が「空き家」となり、社会問題の一因となっています。
実家を放置した場合の主なリスク
- 固定資産税の負担が増える
- 老朽化による倒壊リスク
- 防犯や治安の問題
空き家を放置すると固定資産税が6倍になる可能性も。空き家についての詳しい記事はこちらをご覧ください。
■「空き家」増加の背後にある相続問題、放置により起こる問題や有効な対策は?
実家じまいの進め方
実家じまいをするときに大切な3つのステップは以下の通り。
①現状を把握する
- 実家の所有者を確認
- 固定資産税の負担をチェック
- 住宅ローンの有無を確認
②家族と相談する
- 管理者を決める
- 売却・賃貸・解体の方向性を話し合う
相続人が複数いる場合は話し合いをしっかり行いましょう。
③遺品整理を進める
- 「残すもの・処分するもの」を分類
- 買取・寄付・廃棄などの方法を検討
遺品整理のポイント
- 「いるもの」「いらないもの」「保留」に分ける
- 買取業者や寄付を活用して不要品を減らす
- 遺品整理業者を利用する場合は信頼できる業者を選ぶ
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実家の処分方法の比較と費用めやす

売却・賃貸・解体、それぞれのメリット・デメリットを表で比較してみましょう。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
売却 | まとまった資金を得られる | 売れるまで時間がかかる場合がある |
賃貸 | 継続的な収入が得られる | 管理が必要、借り手が見つかりにくい |
解体・更地化 | 固定資産税を抑えられる | 解体費用がかかる(数百万円) |
費用めやす
- 不動産売却時の手数料(売却価格の3%+6万円)
- 解体費用(100万~300万円)
- 遺品整理費用(5万~50万円)
実家を売却する際にかかる費用
実家を売るときには、不動産会社への手数料や税金が発生します。主な費用は以下の通りです。
高く売るためのポイント
費用項目 | 概要 | 目安金額 |
---|---|---|
仲介手数料 | 不動産会社に支払う手数料(売却価格×3%+6万円+税) | 例:売却価格1,500万円なら約57万円 |
測量費用 | 境界線が不明確な場合、測量が必要 | 30万~80万円 |
解体費用 | 古い家を解体して更地にする場合 | 100万~300万円 |
登記関連費用 | 売主名義を変更するための手続き費用 | 1万~3万円 |
譲渡所得税 | 売却益が出た場合、税金が発生 | 売却益の20.315%(所有期間による) |
引越し費用 | 親の新居への引越し費用 | 10万~50万円 |
節約ポイント
- 自治体の補助金制度を活用
- リサイクルショップや寄付を活用して処分費を抑える
まとめ
実家じまいをするさいは、家族と充分に話し合い、売却・賃貸・解体の選択肢を検討し、計画的に進めることが大切です。
空き家を放置すると、管理の負担や税金の問題が発生し、近隣にも迷惑をかけることになってしまいます。早めに行動し、安心して新たな生活を迎えましょう。
(グッドライフシニア編集部)
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