各自治体によって異なる福祉サービス
東京23区で住み替えや転居を検討する際、「その区でどのような高齢者福祉サービスが受けられるか」は大きな判断ポイントになります。
見守りサービスや生活支援、外出支援、住宅支援など、シニアの暮らしを支える制度は区ごとに内容が異なります。住むエリアによって受けられるサポートに違いがあるため、住まい選びでは家賃や立地だけでなく、福祉の充実度にも目を向けることが大切です。
この記事では、東京23区それぞれの公式情報をもとに、シニアの暮らしに役立つ福祉サービスをわかりやすく整理してご紹介します。東京23区内で住み替え先を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
| 1.足立区 | 2.荒川区 | 3.板橋区 | 4.江戸川区 | 5.大田区 |
| 6.葛飾区 | 7.北区 | 8.江東区 | 9.品川区 | 10.渋谷区 |
| 11.新宿区 | 12.杉並区 | 13.墨田区 | 14.世田谷区 | 15.台東区 |
| 16.千代田区 | 17.中央区 | 18.豊島区 | 19.中野区 | 20.練馬区 |
| 21.文京区 | 22.港区 | 23.目黒区 |
※クリックすると各区に飛びます。
23区外の福祉情報はこちらから。
⇒ 高齢者福祉の充実度は?【東京23区外】エリア別福祉情報
1.足立区
高齢者向け福祉の充実している足立区では、以下のようなサービスを提供しています。
孤立ゼロプロジェクト(絆のあんしんネットワーク)
地域住民、民間事業者、行政が「絆のあんしん協力機関」として連携し、日常の異変を早期に発見。必要に応じて専門機関へつなぐとともに、サロン活動等への参加を促し、住み慣れた地域で安心して暮らせる地域づくりを目指しています。
おはよう訪問(乳酸菌飲料の配達)
平日の毎日、委託業者が乳酸菌飲料を自宅へ直接届け、高齢者と対面して声かけを行います。不在時や異変を察知した際は、あらかじめ登録された緊急連絡先や関係機関へ迅速に連絡が入る仕組みとなっており、見守りと健康維持を両立させた足立区独自の事業です。
ゆ~ゆ~湯入浴事業
区内在住の高齢者を対象に、地域の公衆浴場(銭湯)を低価格で利用できるよう支援する事業です。専用の「入浴証」を提示することで、通常料金から400円を差し引いた金額で入浴できます。単なる衛生管理だけでなく、外出機会の創出や、銭湯を核とした利用者同士の交流・安否確認の場としての役割も果たしています。
あいあいサポート
公的サービスでは対応しきれない「日常の困りごと」を支援する住民参加型の事業です。掃除や食事準備などの「あったかサポート」と、電球交換や家具移動など短時間の作業を行う「ちょこっとサポート」があります。地域住民が協力会員として支える、足立区ならではの有償ボランティア制度です。
足立区ではそのほかの支援事業も積極的に運用しています。詳細は足立区ホームページをご覧ください。
2.荒川区
荒川区は高齢者向け政策のなかでも、アクティブに社会とつながり続けるための外出・交流支援に力を入れています。
東京都シルバーパス購入費の独自助成
荒川区が全国に先駆けて実施している外出支援です。通常、住民税課税世帯はシルバーパスを12,000円で購入しますが、区が独自に11,000円を助成するため、実質1,000円で都内のバス・地下鉄が乗り放題になります。購入後に区へ申請することで差額が返還される仕組みで、アクティブなシニアの移動を経済面から支えています。
高齢者スマートフォン購入費助成
65歳以上の区民を対象に、スマートフォンの新規購入費用を最大30,000円まで助成する事業です。対象は初めてスマホを持つ方に限られますが、本体代金だけでなく契約事務手数料やデータ移行費用も対象となります。
協力店舗での購入とスマホ教室の受講が条件となっており、デジタル活用による情報収集や交流を、購入から操作習得まで一貫してサポートしています。
オレンジカフェ(認知症カフェ)の多角的展開
荒川区は「認知症とともに生きる街」を掲げ、区内14か所以上の拠点でオレンジカフェを運営しています。近年は公共施設だけでなく、民間カフェと連携した開催も増えており、専門職への相談がより日常に近い場で行えるのが特徴です。
また、これらと連動して「はつらつ脳力アップ教室」等の予防プログラムも充実しており、早期発見から交流まで手厚い体制が整っています。
さらに詳しい荒川区の福祉情報は荒川区ホームページをご覧ください。
3.板橋区
板橋区は、24時間365日の相談窓口や家具転倒防止の設置助成など、日々の安心を支える実益的な支援が充実しています。
おとしよりなんでも相談
「夜中に急に体調が悪くなったら?」「介護のことでふと不安になった」という高齢者の切実な声に応える、板橋区独自の取り組みです。地域包括支援センターの営業時間外でも、フリーダイヤルで専門的なアドバイスをいつでも受けられます。
独居世帯や、遠方に住むご家族にとっても「いつでもつながる窓口がある」ことは、板橋区に住む大きなメリットとなります。
高齢者見守りキーホルダー
外出先での「もしも」に備えた、実用性の高いツールです。キーホルダーに刻印された識別番号により、本人が意識を失った際や道に迷った際でも、警察や消防が「おとしより相談センター」を通じて即座に身元を特定し、登録された緊急連絡先へつなげることができます。
個人情報を露出させずにプライバシーを守りながら、迅速な救護活動を可能にするスマートな支援です。
家具転倒防止器具の取り付け助成
防災への意識が高いシニア層に向けた、非常に具体的な実益支援です。65歳以上の高齢者のみの世帯を対象に、寝室や居室の家具(L字型金具等)の取り付け費用を最大13,000円、調査費用を9,000円まで助成します。
自力での高所作業が難しいシニアにとって、プロの手を借りて住まいの安全を実質的な負担を抑えて確保できる点は、非常に満足度の高い施策です。
このほかの板橋区の福祉サービス詳細は、板橋区ホームページをご覧ください。
4.江戸川区
江戸川区では「熟年者」という独自の呼称を使い、銭湯での交流支援やデジタルの活用促進など、地域で楽しく健やかに暮らすための環境を整えています。
健康長寿協力湯
全国的にも珍しい手厚い入浴支援です。60歳以上の区民に「健康長寿入浴証」を発行し、区内の協力銭湯をいつでも・何回でも、通常料金の約半額(270円)で利用できます。さらに閉店1時間前は「お湯わりタイム」としてさらにお得になる仕組みも。単なる入浴支援を超え、熟年者の外出促進と地域コミュニティ形成の場として機能しています。
熟年人材センター
「生涯現役」を掲げる江戸川区ならではの、就労・生きがい支援組織です。全国のシルバー人材センターのなかでも特に活発で、長年の経験を活かせる仕事の提供に加え、独自にボランティアに関する情報発信も行っています。
現役並みに働きたい、あるいは社会貢献で輝きたいアクティブな熟年者にとって、心強いプラットフォームとなっています。
高齢者スマートフォン購入助成金交付事業
デジタル化への適応を支援するため、65歳以上の区民を対象に最大30,000円の購入費用を助成しています。特徴的なのは、購入時に店舗でのスマホ教室受講や、区の防災アプリのインストールを条件としている点です。
単に端末を安く提供するだけでなく、情報収集や安全確保という「使いこなすための環境」までセットで提供しています。
このほかの江戸川区の福祉サービス詳細は、江戸川区ホームページをご覧ください。
5.大田区
大田区は、独自の「老いじたく」登録や住み替え支援など、万が一への備えに寄り添う先進的な体制が魅力です。
老いじたく情報登録事業
万が一、自らが意思表示できなくなった場合に備え、緊急連絡先や延命治療への意思、葬儀・納骨の希望などをあらかじめ区に登録しておく制度です。救急搬送時や逝去時に、警察や病院からの照会に対して区が登録内容を回答します。
「家族に負担をかけたくない」「最期まで自分の意思を尊重してほしい」という現代のシニアの切実な願いに応える、大田区ならではの先進的な取り組みです。
高齢者救急代理通報システム
急病や怪我の際、専用ボタン一つで民間受信センターのオペレーターにつながり、状況に応じて救急車の手配や緊急連絡先への通報を行うシステムです。特筆すべきは、火災センサーや一定時間動きがないことを検知する「ライフセンサー」もセットで設置可能な点。
24時間体制で自宅が守られている安心感は、独居世帯や遠方の家族にとって何物にも代えがたい支えとなります。
あんしん居住制度
高齢者が民間賃貸住宅へスムーズに入居できるよう、区が「家賃債務保証」や「見守りサービス」をパッケージ化して支援する制度です。保証人が見つかりにくい高齢者の住み替えを後押しし、入居後も定期的な安否確認を行うことで、貸主と借主双方の不安を解消します。
このほかの大田区の福祉サービス詳細は、大田区ホームページをご覧ください。
6.葛飾区
葛飾区は、所得制限のない補聴器助成や独自の住宅改修など、自立した生活を長く支える実益的な支援が豊富です。
補聴器購入費用の助成
加齢による難聴対策が2025年度より大幅に強化され、所得に関わらず全ての65歳以上が助成対象となりました。助成上限額は非課税世帯で144,900円、課税世帯でも72,450円と、23区内でも極めて手厚い水準です。
高価な補聴器の導入を公費が強力にバックアップし、日々の会話や社会参加の継続を支えます。
もの忘れ予防健診
「最近、うっかりが増えたかな?」という不安に寄り添う、68歳以上を対象とした無料の認知症検診です。区内約120か所の指定医療機関で、記憶力などの簡単な検査を健康診断と同じ感覚で気軽に受けられます。早期発見と適切なケアを繋ぐことで、住み慣れた街での自分らしい暮らしを支えます。
高齢者自立支援住宅改修
介護認定を受けていない「自立」の状態から利用できる、区独自の住環境整備支援です。手すりの設置だけでなく、トイレや扉の取り替えといった生活の質に直結する設備改修に、最大20万円〜(世帯状況による)の助成を行います。
「動けなくなる前に備える」という予防的観点が強く、自宅での安全確保を実質的な負担を抑えて実現できます。
このほかの葛飾区の福祉サービス詳細は、葛飾区ホームページをご覧ください。
7.北区
北区は、24時間体制の緊急通報システムや寝具の乾燥サービスなど、日々の安心と清潔な暮らしを支える独自の支援が充実しています。
高齢者見守り・緊急通報システム
急病等の際、ボタン一つで24時間体制の受信センターにつながります。看護師などの専門スタッフが状況を判断し、迅速に119番通報や緊急連絡先への通知を行います。月1回の定期的な「お伺い電話」や随時の健康相談も可能で、独居世帯の日常的な安心を支えます。
高齢者ヘルシー入浴補助券
70歳以上の区民(要介護4・5を除く)を対象に、区内等の公衆浴場が100円から利用できる補助券を年間24枚交付します。心身の健康維持や地域交流を目的とした支援で、郵送での申請も可能です。
詳しい情報は北区ホームページをご覧ください。
8.江東区
江東区は、独自の自動消火器設置や移動支援、寝具乾燥など、在宅生活の安全と清潔を支える実益的な助成が充実しています。
高齢者自動消火器の設置
65歳以上の高齢者世帯(日中のみも含む)を対象に、ガスレンジ付近への自動消火器設置を無料で行います。火災発生時に自動で薬剤を噴射し、迅速な初期消火を可能にする江東区独自の防火対策です。
年1回の保守点検も無料で実施され、調理中の「うっかり」による火災を未然に防ぎ、住み慣れた自宅での安全を強力にサポートします。
高齢者リフト付福祉タクシー
車いすや寝たきりの65歳以上の方が、専用車両を普通車タクシーと同じメーター料金で利用できる移動支援です。23区および武蔵野・三鷹地区での乗車が可能で、通院やリハビリだけでなく、外出時の精神的・身体的ハードルを大きく下げてくれます。
初回に無料の利用登録を行うだけで、プロのサポートによる安心な移動手段を確保できます。
高齢者寝具乾燥サービス
重い布団を干すのが困難な、自宅療養中の要介護高齢者を対象とした衛生支援です。月1回の乾燥消毒や年1回の水洗いを専門業者が自宅まで伺い無料で実施します。
寝具5点まで対応可能で、ダニ退治や殺菌により清潔な睡眠環境を維持。健康の基本である睡眠の質を高めるとともに、床ずれ予防や感染症対策にも繋がる江東区ならではの手厚いサービスです。
このほか更に詳しい江東区の福祉情報は区ホームページをご覧ください。
9.品川区
品川区は、介護保険の枠を超えた独自の特別給付や、高水準の補聴器助成など、在宅生活の質を底上げする手厚い支援が魅力です。
介護保険外の「特別給付」
介護保険制度では本来対象とならない「要支援1・2」の方でも、夜間の訪問介護や通院時の介助が受けられる品川区独自のサービスです。
また、要介護者に対しても病院内での付き添い介助を公費でサポートするなど、制度の隙間を埋めるきめ細やかな給付を行っており、在宅生活を長く続けるための大きな支えとなっています。
高齢者補聴器購入費助成事業
加齢による難聴への対策として、2025年度より助成上限額が72,450円へと大幅に引き上げられました。医師が補聴器の必要性を認めた65歳以上の方が対象で、住民税の課税・非課税を問わず、全ての世帯が助成を受けられるのが大きな特徴です。
高価な補聴器の導入を区が強力にバックアップし、認知症予防や社会との繋がり維持を促進しています。
このほか更に詳しい品川区の福祉情報は区ホームページをご覧ください。
10.渋谷区
渋谷区は、アプリを活用した独自のポイント制度や、介護保険を補完する手厚いホームヘルプサービスなど、新しい形の高齢者支援を展開しています。
ハチさんポ(高齢者健康アプリ活用事業)
区が推奨する健康アプリを活用し、歩数や脳トレ、イベント参加に応じてポイント(ハチさんポ)が貯まる独自の仕組みです。貯まったポイントは、区内の加盟店で使えるデジタル地域通貨「ハチペイ」に交換可能。
スマホ操作を学べる「スマホサロン」も各所で開催されており、デジタルを通じて健康維持と地域交流を楽しく継続できる渋谷区らしい施策です。
ホームヘルプサービス
介護保険のサービスだけでは不足する場合や、同居家族がいても介護負担の軽減が必要な世帯を対象とした、区独自の訪問介護支援です。
掃除や調理などの生活援助に加え、外出の付き添い介助も利用可能。制度の隙間を埋める柔軟なサポート体制により、住み慣れた地域で自立した生活を長く続けられるようバックアップしています。
住宅設備改修給付
介護認定を受けた方を対象に、生活の質を大きく向上させる大規模な改修をサポートします。介護保険(上限20万円)とは別枠で、浴槽の取り替え(最大約38万円)や流し台・洗面台の交換(最大約15万円)、階段昇降機の設置(最大30万円)など、高額な設備改修に助成が出ます。
身体機能の低下に合わせ、自宅を住みやすく整えるための強力な支援です。
さらに詳しい福祉サービスについては渋谷区ホームページをご覧ください。
11.新宿区
新宿区は、安価な生活援助や特殊詐欺対策など、在宅での安全と便利を支える実働的なサポートが魅力です。
自動通話録音機の無償貸出し
おおむね65歳以上の区民がいる世帯を対象に、着信時に自動で警告メッセージを流し通話内容を録音する装置を無償で貸し出します。取り付け工事や工具は不要で、特殊詐欺や迷惑電話を未然に防ぐための、非常に手軽かつ効果的な防犯支援です。
生活援助サービス
要支援認定者等を対象に、区の研修を修了した援助員が掃除や調理、買い物などの家事をサポートします。1回60分以内の利用負担が160円(1割負担の場合)と非常に安価で、生活機能の低下を防ぎながら、住み慣れた自宅での自立した暮らしを継続できるようきめ細やかに支援します。
地域安心カフェ
区内7カ所で展開される、高齢者や介護者が気軽に集える交流の場です。1回200円程度の茶菓代で、お茶を楽しみながら地域住民と繋がれるほか、専門機関と連携しているため日常生活の不安もその場で相談できます。
孤独防止と専門的な支援を繋ぐ、新宿区らしい温かな居場所づくりです。
さらに詳しい福祉サービスについては新宿区ホームページをご覧ください。
12.杉並区
杉並区は、外出特化の相談窓口や自立時からの住宅改修、活動が還元されるポイント制度など、社会参加を軸とした支援が魅力です。
外出支援相談センター「もび~る」
高齢や障害により一人での外出が不安な方のための、全国でも珍しい外出に特化した総合相談窓口です。通院や買い物だけでなく、趣味や旅行といった「やりたいこと」を実現するために、最適な移動手段(福祉タクシーや有償ボランティア等)を提案・紹介してくれます。
単なる移動手段の提供に留まらず、社会との繋がりを諦めないための心強いパートナーです。
長寿応援ポイント事業
60歳以上の区民がボランティアや健康づくり等の活動に応じてポイントを貯められる制度です。1ポイント50円換算で区内共通商品券等に交換可能。少額(10ポイント〜)から交換できるようになり、より気軽に参加・還元を受けられる仕組みに進化しています。
高齢者住宅改修給付
介護保険の認定で「非該当(自立)」と判定された65歳以上の方でも利用できる、区独自のバリアフリー化支援です。手すりの設置や和式トイレの改修工事に対し、最大20万円(自己負担1割〜)の助成が出ます。「足腰が弱くなる前に自宅を整える」という予防的観点が強く、住み慣れた家で長く安全に暮らすための環境づくりを早期からバックアップします。
さらに詳しい情報は杉並区ホームページをご覧ください。
13.墨田区
墨田区は、全世帯への商品券配布やシルバーパスの自己負担軽減など、物価高騰から高齢者の暮らしを守る独自の経済支援が充実しています。
区民生活応援事業
物価高騰対策として、2026年3月より所得制限なしで全世帯に1万円相当の商品券等を配布しています。おこめ券やギフトカード、デジタル商品券(QUOカードPay等)から選択でき、高齢者世帯の日常的な買い物を直接バックアップします。
自治体独自の給付としては23区内でも非常に規模が大きく、全ての区民に等しく恩恵が行き渡る墨田区らしい施策です。
高齢者配食みまもりサービス
炊事や買い物が困難な65歳以上の方へ、1日2回(昼・夕)までお弁当を届けます。最大の特徴は、配達時の「安否確認」がセットになっている点と、糖尿病や腎臓病、嚥下機能に合わせた「制限食・ムース食」の選択肢が豊富な点です。
健康状態に合わせた栄養管理と、1日2回の見守りにより、独居世帯の安心を二重に支えます。
東京都シルバーパスの独自助成
70歳以上の都民が都営交通等を利用できる「東京都シルバーパス」に対し、墨田区独自の補助を行っています。通常、所得がある方は12,450円の自己負担が必要ですが、墨田区では所得に関わらず一律1,000円で購入できるよう助成を拡充。
外出時の交通費を大幅に抑えることで、積極的な社会参加や健康維持を強力に後押ししています。
更に詳しい墨田区の福祉情報は区のホームページをご覧ください。
14.世田谷区
世田谷区は、認知症共生の先進的な取り組みや、住み慣れた地域で安心して暮らし続けるための居住支援、多世代との交流支援が魅力です。
世田谷区認知症とともに生きる希望条例
自治体として全国に先駆け、認知症の方の意思と権利を尊重することを明文化した条例を制定しています。本人が自ら発信し、社会参加する「ピアサポート」の体制づくりに注力しており、診断直後から専門職が寄り添う支援が充実。
「ケアの対象」としてだけでなく「地域の一員」として自分らしく活動できる場を区全体で推進しています。
お部屋探しサポート
民間賃貸への入居が難しい高齢者に対し、区が指定する協力不動産店が物件探しをサポートする制度です。
特筆すべきは、単なる紹介に留まらず、「インクルーシブ居住支援」として「見守り機器の設置費用・月額利用料」や「葬儀・片付けの事前契約費用」などを区が助成している点です。
家主が最も不安視する「孤独死」や「事後処理」のリスクを区が実質的に肩代わりする仕組みがあるため、他区に比べてシニアの受け入れに理解のある物件を見つけやすくなっています。
せたがや・がやがや館
高齢者を中心に、子どもから大人まで多世代が交流できる活動拠点です。健康づくりのための運動室や、囲碁・将棋・健康麻雀を楽しめる娯楽室、舞台発表ができる交流室など、趣味や生きがいを見つける設備が充実。
キッチン付きの会議室はサロン活動にも活用されており、単なる施設利用を超えた、利用者同士の社会参加や新たなコミュニティづくりの場となっています。
その他、詳しい情報は世田谷区のホームページをご覧ください。
15.台東区
下町情緒豊かな台東区は、鍵を預けられる24時間体制の見守りや、お身体が不自由な方へのきめ細かな移動支援が特徴です。
民間緊急通報システム
一人暮らしや高齢者のみの世帯を対象に、急病などの緊急事態に備えた専用機器を貸与し、設置費用や利用料を助成する制度です。緊急ボタンを押すと看護師らが待機する受信センターへ繋がり、必要に応じて救急車の手配や警備員の派遣を行います。
最大の特徴は、「委託業者に自宅の鍵を預ける」仕組み。緊急時に警備員が自力で開錠して安否確認を行うため、万が一意識を失っているような事態でも迅速な救護が可能です。
また、月1回の「お伺い電話」による健康相談も受けられるため、精神的な支えにもなっています。
福祉タクシー利用券
身体障害者手帳(1〜3級の一部等)や愛の手帳をお持ちで、歩行や日常生活に支障がある方を対象に、1ヶ月あたり4,000円相当(年間48,000円分)のタクシー利用券を交付しています。
2026年(令和8年)度分も3月から順次配布が開始されており、所得制限等の要件はありますが、通院や外出の際の経済的負担を大きく軽減できます。坂道が少ない台東区ですが、体力を温存しながら浅草や上野などの賑わいエリアへ出かけるための、心強い移動手段として親しまれています。
このほか詳しい福祉サービスの情報は、台東区ホームページをご覧ください。
16.千代田区
千代田区は、民間企業のノウハウを活かした最先端のフレイル対策や、コミュニティバスなど、シニアに向けた手厚い支援が魅力です。
ちよだアクティブシニア塾
2025年度から開始され、2026年3月にはさらに提携企業が拡充された最新の目玉事業です。日本カメラ博物館や株式会社ニップンなどの民間企業と協定を結び、企業ならではのユニークな出張講座や生活支援サービスを地域のシニア団体に提供しています。
最新家電の活用法から、体を使うゲームの体験会、フレイル予防セミナーまで、従来の行政サービスを超えた「わくわくするシニアライフ」を官民一体でプロデュースしています。
地域福祉交通「風ぐるま」
区役所や福祉施設、主要な駅などを結ぶ千代田区独自のコミュニティバスです。全車両が低床ノンステップのバリアフリー仕様で、車椅子用のスロープも常備されているため、足腰に不安がある方でも安心して乗り降りが可能です。
区の花「さくら」をモチーフにした親しみやすいデザインで、日常の通院や買い物の身近な足として愛されています。
更に詳しい福祉情報は区のホームページをご覧ください。
17.中央区
中央区は、23区トップクラスの還元率を誇る「プレミアム付買物券」や、毎年贈られる「敬老買物券」など、日々の暮らしに直結する経済的支援が非常に手厚いのが特徴です。
ハッピー買物券
中央区のハッピー買物券券は、例年25%〜30%という非常に高いプレミアム率を維持しています(2026年度は25%)。1人最大5冊(5万円で6万2,500円分)まで購入でき、百貨店から築地場外市場まで幅広く使えるため、日常の買い物にゆとりが生まれます。
区民優先で抽選が行われるため、中央区に住むことでこの恩恵を非常に受けやすくなるのが大きなメリットです。
敬老買物券
75歳以上の区民全員を対象に、毎年長寿を祝う「敬老買物券(3,000円〜10,000円相当)」を贈呈しています。
銀座の百貨店から近所の商店街まで幅広く利用でき、毎年秋に届くこの券を楽しみにしているシニアも少なくありません。区全体で長寿を祝う文化が、毎年の実利的な還元として定着しています。
江戸バス
区内を網羅する「江戸バス」は、バリアフリー化された小型バスで、通院や買い物に最適です。70歳以上の方がお持ちの「東京都シルバーパス」が利用できるほか、区の主要施設へ経済的な負担を気にせずアクセスできる環境が整っています。
さらに詳しい福祉情報は中央区のホームページをご覧ください。
18.豊島区
豊島区は、銭湯をお得に利用できる「おたっしゃカード」や、シルバー人材センターによる定期的な見守り訪問など、日常の安心と楽しみを支える仕組みが充実しています。
としま・おたっしゃカード
豊島区に住民登録がある65歳以上の方を対象に、区内の指定銭湯を1回100円で利用できるICカードを発行しています。
4月から翌年3月末までの1年間で最大40回分(ポイント)が付与され、広々としたお風呂でリラックスしながら、地域住民との交流や健康維持を図ることができます。毎年4月以降に銭湯を利用する際に自動で新年度分が更新される手軽さも魅力。
銭湯文化が色濃く残る豊島区ならではの、心身ともに「おたっしゃ(元気)」でいるための人気サービスです。
見守りと支えあいネットワーク事業
ひとり暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯を対象に、シルバー人材センターの訪問員が月2回、定期的に自宅を訪問し、安否確認を行う事業です。
単にインターホンを押すだけでなく、区の広報紙を手渡しながら直接お声がけをするため、孤立を防ぎ、さりげない異変にも気づける体制を整えています。また、夏季には75歳以上のひとり暮らしの方を対象に、民生委員らが熱中症予防の啓発に訪問するなど、季節に合わせた「顔の見える支援」が徹底されています。
更に詳しい情報は豊島区ホームページをご覧ください。
19.中野区
中野区では高齢者や障害のある方が安心して地域で暮らしていけるよう、町会や自治会、民生委員、事業者などが協力し、地域での支え合い活動の推進に取り組んでいます。
高齢者スマートフォン購入等費用助成事業
情報格差の解消に力を入れる中野区ならではの目玉事業です。65歳以上の区民を対象に、スマートフォンの本体購入代金や、操作相談ができるショップ等でのサポート費用の一部を助成しています(令和8年度分は5月中旬から受付開始予定)。
「スマホに変えたいけれど、使いこなせるか不安、お金もかかる」というシニアの一歩を、区が金銭面と学習面の両方から後押ししています。
あんしんサポート
中野区社会福祉協議会が実施する、一人暮らしや身寄りのないシニアを対象にした支援体制です。
日々の暮らしにおいては、月2回の電話確認や3ヶ月に1回の自宅訪問を通じて生活状況を細やかに見守るほか、介護保険の枠組みではカバーしきれない掃除や買い物、粗大ごみの搬出といった「ちょっとした困りごと」に対しても、協力会員による「ほほえみサービス」が柔軟に対応します。
さらに、入院時の連絡先引き受けや、万が一亡くなった後の葬儀・片付けといった事務手続きの相談にも応じており、単身シニアが将来の不安を解消し、住み慣れた地域で安心して老後を過ごせるよう、まさに「家族代わり」としての役割を担っています。
詳細は中野区ホームページをご覧ください。
20.練馬区
練馬区は、全国に先駆けて導入した「街かどケアカフェ」や、認知症の方の外出を支える手厚いGPS助成など、地域全体で高齢者を支える仕組みが整っています。
位置情報提供サービス利用料助成
認知症による徘徊不安を抱える家族を支える強力な制度です。セコムと協定を結び、端末の申込金7,700円を区が全額助成するため初期費用は0円。月額利用料も助成により1,650円(税込)と安価です。
24時間居場所を確認できるほか、要請に応じて緊急対処員が現地へ駆けつける体制も整っており、プロの見守りを気軽に導入できるのが魅力です。
街かどケアカフェ
高齢者が気軽に立ち寄り、交流や相談ができる地域拠点です。区立施設や地域団体、薬局など区内多数の場所で運営され、どなたでも利用可能です。
専門スタッフによる健康相談や介護予防体操、認知症カフェなど多彩な事業を実施。コーヒーを楽しみながら「交流・相談・予防」を一体的に行える場として、地域に根ざしています。
このほかの高齢者支援の詳細は練馬区ホームページをご覧ください。
21.文京区
文京区は、専門員による生活支援や大学連携の講座など、住まいの安心と知的な生きがいを支える仕組みが魅力です。
すまいる住宅
高齢者や障害者等の入居を拒まない民間賃貸住宅を区が登録・紹介する制度です。区内に1年以上居住し、自力での住み替えが困難な65歳以上の単身・高齢者世帯等が対象。
入居後は、電球による見守りや緊急通報装置の設置、専門員による生活支援が受けられ、本人と家主双方の安心を担保します。利用には事前の入居資格認定が必要です。
いきいきアカデミア
「文京いきいきアカデミア」は、60歳以上の区民を対象とした2年制の高齢者大学です。1年目は全員共通の教養課程(年24回)で基礎を学び、出席率7割以上で2年目の専門課程へ進級。2年目は選択制の専門講座を計20回以上受講することで卒業となります。学ぶ楽しみに加え、受講生同士の仲間づくりも大きな魅力です。
その他詳しい福祉情報は文京区ホームページをご覧ください。
22.港区
港区は、圧倒的な財政力を背景に、補聴器購入への高額助成や、節目ごとの手厚い「寿商品券」の贈呈など、シニアの生活を華やかに彩る支援が充実しています。
「寿商品券」と100歳訪問
長寿を祝い、9月15日時点で在住の節目を迎える方へ「寿商品券」を贈呈しています。77歳の1万円から始まり、年齢に応じて最高99歳の3万円分まで、地域の民生委員らが直接自宅へ届けます。
100歳の方には記念品が贈られるほか、希望者には区長が訪問するなど、区を挙げて高齢者を敬う文化が根付いています。
高齢者補聴器購入費助成事業
加齢による難聴をフレイル予防の観点から支援する制度で、助成額は23区トップクラス。60歳以上の区民を対象に、補聴器の購入費用を最大144,900円(条件により全額〜半額)まで助成します。
多くの自治体が数万円を上限とするなか、10万円を超える助成枠を設けている点は驚異的で、自分に合った高性能な補聴器を選びやすく、社会参加を諦めないための強力な後押しとなっています。
更に詳しい福祉情報は港区ホームページをご覧ください。
23.目黒区
目黒区は、閑静な住宅街を守るための「防犯機器助成」や、長寿を祝う節目ごとの「記念品料」など、住民の安心と誇りに寄り添った支援を行っています。
防犯機器等購入緊急補助事業
住まいの安全性を高める実利的な制度です。防犯カメラや補助錠、センサーライト等の購入・設置費用に対し、4分の3(上限3万円)を補助します。
令和8年4月以降の設置分が対象で、1世帯につき1回申請可能。オンラインでも手続きできます。空き巣や強盗被害への不安を解消し、住み慣れた自宅で安心して暮らし続けるための目黒区らしい実利的な制度です。
敬老事業
目黒区では長寿を祝う「敬老事業」として、節目の方へ記念品料を贈呈しています。年度中に満80歳・90歳を迎える方には5,000円、満100歳や区内最高齢の方には10,000円の特別記念品料が贈られます。
また、新80歳を対象に「敬老のつどい」を開催。対象者には招待状や案内が届き、地域全体で健やかな長寿を祝福します。
更に詳しい目黒区の福祉情報は区のホームページをご覧ください。
東京23区でシニアが暮らすなら福祉制度の違いもチェック
以上、東京23区エリア別の高齢者福祉の充実度のご紹介でした。
東京23区は全国的に見ても福祉制度が充実していますが、その内容は区ごとに大きく異なります。
見守り支援や外出支援、住まいに関する制度など、それぞれの区に特色があります。
住み替えや転居を検討する際は、家賃や立地だけでなく、こうした福祉制度の違いもあわせて確認することで、より安心して暮らせる住まい選びにつながります。
(グッドライフシニア編集部 鶴田智美)
