
フレイルという言葉をご存知でしょうか?フレイルとは、「虚弱」を意味する英語の「frailty」に由来し、加齢に伴って心身の活力が低下した状態のことを指します。
フレイルは、健康な状態と要介護状態の中間に位置し、そのままにしていると転倒や病気などをきっかけに、要介護状態へ進むリスクが高くなります。
一方、フレイルは早い段階で気づき、食事や運動、社会参加など適切な対策を行うことで、健康な状態に戻る可能性があります。「もしかしてフレイルかも?」と思ったら、早めに生活習慣を見直すことが大切です。(更新日:2026年9月)
1.フレイルのリスクが上がる原因
フレイルは、加齢による心身の変化に個人をとりまく社会・環境の要因が加わることによって引き起こされます。
以下のような要因が複合的に作用することで、フレイルの発症リスクが高まるとされています。
・加齢により身体機能が低下し、筋肉量や骨密度が減少する
・栄養不足や過剰なダイエットにより筋肉量が減少する
・持病や怪我があり身体機能が低下する
・睡眠不足や睡眠の質の低下によりストレスがたまり身体機能が低下する
・孤独や社会的孤立が続き心理的ストレスがたまり身体機能が低下する
加齢による心身の変化としては、歩行スピードや筋力が低下することなどが、社会・環境面では、定年退職による収入の減少などが一例として挙げられます。
また、フレイルは年齢とともに増える傾向があり、日本人高齢者を対象とした研究では、フレイルの割合は65歳以上全体で7.4%、75~79歳で10.0%、80~84歳で20.4%、85歳以上では35.1%にのぼり、約3人に1人がフレイルであると報告されています。
2.フレイルのセルフチェック
それでは、ご自身がフレイルかどうかをチェックしていきましょう。
握力が男性28kg未満、女性18kg未満である
ここ2週間、わけもなく疲れたような感じがする
通常の歩行速度が毎秒1.0m未満である
軽い運動・体操も定期的な運動・スポーツも週に1回もしていない
以上の5項目のうち、3項目以上に当てはまる場合は「フレイル」、1~2項目の場合はフレイルの前段階である「プレフレイル」、該当しない場合は「健常」と判定されます。
フレイルやプレフレイルに当てはまる場合は、以下の予防方法を参考に、早めに生活習慣を見直していきましょう。
3.フレイルの予防に大切なことは?
フレイルの予防としては、加齢による筋力低下などを抑えるため、適度な運動を行い、バランスの良い食事を心がけ十分に栄養をつけることが重要になります。
筋肉づくりには、たんぱく質が大事!

運動をしても、筋肉のもとになるたんぱく質が不足していると、筋肉量を十分に維持・増加させることが難しくなります。
加齢により筋肉量の減少や筋力低下が起こりやすいうえ、食事量の減少などによって、たんぱく質の摂取が不足することもあります。たんぱく質を適切に摂取することで、フレイルの予防に効果があるとされています。
肉や卵を始めとしたたんぱく質を多く含む食品を取り入れるとともに、日々満遍なく栄養をとれるような食事を意識していきましょう。
たんぱく質の多い食品
| 食品 | 食品目安量 | 含有量 |
|---|---|---|
| とりささみ | 100gにつき | 23.0g |
| ぶたもも肉 | 100gにつき | 21.3g |
| まぐろの赤身 | 5切れにつき | 15.8g |
| 卵 | 1個につき | 6.2g |
| 木綿豆腐 | 1丁につき | 20g |
| 納豆 | 1パックにつき | 8.3g |
| 牛乳 | 200mlにつき | 6.8g |
筋力トレーニングや有酸素運動を行うことで、筋肉量や筋力を維持し、バランス感覚を改善することができます。高齢者でも、身体に負荷をかけない程度に運動を行いましょう。
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また、食事を見直すだけでなく、ボランティア活動に参加したり、友人と出かけたりして家に閉じこもる日が少ないようにし、社会から孤立しないようにすることもフレイルの対策として重要です。
さらに、「食べこぼす」「むせる」「噛みにくい」といった口の機能の衰えにも注意が必要です。こうした口のささいな衰えが積み重なった状態を「オーラルフレイル」といい、食事や栄養状態、心身の機能低下にも影響することがあります。
フレイル予防はこういった身近なことから行うことができるため、今日からすぐに実践していきましょう。
ロコモやサルコペニアはフレイルと関連が深く、いずれも進行すると要介護状態につながる可能性があります。こちらの記事もあわせてご覧ください。
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(グッドライフシニア編集部)
参考
・日本老年医学会「フレイルに関する日本老年医学会からのステートメント」
・国立長寿医療研究センター「日本版CHS基準(J-CHS基準)」
・厚生労働省「食事摂取基準を活用した高齢者のフレイル予防事業」
・日本歯科医師会「オーラルフレイル」
