特に閉経後の女性や高齢の女性がなりやすいといわれる骨粗しょう症。 骨がもろくなり骨折につながることもあります。
今回は骨粗しょう症の原因と予防についてご紹介いたします。
1.身近に潜む骨粗しょう症(骨粗しょう症とは)
骨粗しょう症とは、長年の生活習慣などで骨の密度がスカスカになった状態で、ちょっとしたことで骨折を起こしやすくなる病気のことです。
特に閉経後の女性は注意が必要です。骨の健康に重要な役割を果たす女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が、閉経後は急激に減少するため骨粗しょう症のリスクを高める大きな要因となります。
現在、日本では1000万人以上の方が骨粗しょう症になっていると言われており、その数は社会の高齢化に伴って年々増加傾向にあります。
2.骨粗しょう症の症状、原因
骨粗しょう症の主な原因は、『加齢』にあると言われています。
骨粗しょう症になっても日常生活で大きな痛みを感じることは少なく、重いものを持ったときや席を立ったときに腰や背中が少し痛む程度のものしかありません。
しかし、病状が進むと転倒などのふとした拍子に“骨折をしやすい体”になってしまいます。また、スカスカになった骨が潰れ、身長が縮んだり、腰が歪曲したりすることもあります。
骨は常に新陳代謝を繰り返し、古くなった骨は破骨細胞という細胞に壊されます。そして、その壊された部分を骨芽細胞が修復し作りかえていきます。
このように、細胞と同じく骨も日々破壊と再生を繰り返しており、加齢によってそのサイクルが崩れることで徐々に骨が弱くなっていき、骨粗しょう症を引き起こしているのです。
また、骨の健康にはカルシウムだけでなく、ビタミンDも重要な役割を果たします。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨の形成を促進します。日光に当たることで生成される他、魚やきのこ類からも摂取できますが、中高年の女性は特に意識して摂ることが推奨されます。
ほかにも、運動不足や日光の照射不足など、日々の生活習慣にも一因があると言われています。
3.高齢者が骨折したら寝たきりに繋がる
「骨折したとしても治ってしまえば日常生活に影響はないだろう」と考える人もいるかもしれません。しかし、若い方に比べて高齢者の方の骨は治りにくいのが実状です。
また、一度骨折してしまうと再び骨折をする危険性も高まってしまいます。なかでも太ももの付け根部分を骨折した場合には、歩行が困難になり“寝たきりの生活”を余儀なくされる危険性まで秘めています。
厚生労働省が2016年に発表したデータを参照すると、寝たきりに相当する要介護度5になった方の原因として、第3位に骨折・転倒が入っています。骨粗しょう症は早急な対策が必要と言えるでしょう。
4.骨粗しょう症対策には食習慣の改善と十分な運動を(予防や治療など)
では、どのようにして予防・治療を行っていけばいいのでしょうか。
食事の改善や運動習慣を身に着けるといった些細なことも十分に予防につながります。小魚や大豆製品を始めたとしたカルシウムを多く含む食品を食事に取り入れたり、ウォーキング程度の簡単な運動を継続して行ったりしていきましょう。
骨粗しょう症は自覚症状が少ないため、骨粗しょう症が心配な方は、定期検診やクリニック(整形外科や内科)で骨密度測定を受けましょう。
その結果、必要であれば医師の診断のもと薬物療法やホルモン補充療法(HRT)、ビタミンDやカルシウムの補充があります。
早期診断が非常に重要で、骨密度測定などを定期的に行うことで骨折リスクを大幅に減らすことが可能です。特に家族歴に骨粗しょう症のある方は、早めの診断を心がけましょう。
骨は私たちの生活に必要不可欠なものです。骨を健康な状態に保つためにも、一刻も早い予防・治療を行うようにしていきましょう。
(文:グッドライフシニア編集部 ライター谷村行海)
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