本人も自覚がないうちに体内の水分が奪われ、脱水症の一歩手前になっている状態のことを「かくれ脱水」といいます。
夏は熱中症予防のために水分摂取を心がけている人が多いですが、冬にも脱水の危険性があります。
脱水症を未然に防ぐには適切な「水分補給」が大切です。脱水がどのようなものかを知り、かからないためにも日ごろから予防を心がけましょう。
≫1.脱水症・かくれ脱水とはどんなもの?
・脱水症状をチェックしましょう
≫2.夏も冬も注意が必要な高齢者の脱水症
≫3.脱水症状にならないための対策
≫4.脱水には水分と電解質を補う必要があり
1.脱水症・隠れ脱水とはどんなもの?
脱水症状とは、体から水分・塩分などの電解質が失われた状態のことです。脱水症状になると、頭痛・めまい・吐き気をはじめとした、様々な症状があらわれます。
シニアの場合は、脱水症状が続くと血液がドロドロの状態となり、脳梗塞・心筋梗塞を引き起こすきっかけにもなります。
そして、この脱水症になりかける一歩手前の状態を「かくれ脱水」と呼びます。
自分で水分補給をしない乳幼児、喉の渇きを感じにくい高齢者の方は特に注意が必要です。本人も周囲も気づかないうちにかくれ脱水になっている場合があります。
周りにいる家族の方が、体調の変化がないか様子を見ながら、こまめに水分補給をしてあげてください。
脱水症状をチェックしましょう
以下のような症状があったらご注意ください。
ふだんより喉が渇く
体重が短期間で減ってきた
尿の色がふだんより濃い
病気ではないのに37℃前後の微熱がある
さらに、高齢者には以下のような症状があります。
皮膚がかさつくようになり乾燥が目立つ
口の中が粘つくようになり、食べ物がパサつく
便秘気味、あるいは昔よりひどくなった
手の甲をつまんで離すと痕が3秒以上残る
足の脛がむくむようになった、靴下の痕が残る
尿の回数が減り色が濃くなっている
チェックの項目が1,2個あった場合は“かくれ脱水”の可能性があるので経口補水液を飲み、水分と電解質を補ってください。
2.夏も冬も注意が必要な高齢者の脱水症
高齢者が脱水症状になりやすい5つの理由は以下の通りです。
- 加齢変化により、体の中に蓄えることができる水分量が少なくなる
- 腎臓の働きが低下して、水分調節が難しくなる
- 感覚機能が鈍くなり、のどが渇いたことに気が付きづらくなる
- 食事量自体が減り、食事から水分や塩分をじゅうぶんに補給できなくなる
- トイレにいく回数を減らすために、あまり水分をとらないようにしてしまう
夏場は暑さで汗をかくことで自然と水分補給をしますが、高齢者の場合は冬場にも水分補給を意識する必要があります。
冬は湿度が低い上に空気は乾燥しているため、皮膚や粘膜、呼気などから水分を奪われがちです。また、部屋の中では暖房を使用するため更に乾燥します。
汗をかいていないのに、気付いたら体から水分が失われている…という状態になりやすいのです。夏場のみならず、冬場も水分補給を心がけましょう。
3.脱水症にならないための対策
1日の水分摂取量の目安:1~1.5リットル
水分は、少しずつこまめにとるようにしましょう。理由は、水分を一気にとると尿として排出されてしまうためです。
朝起きたらお水を一杯。お部屋でのんびりしながら少しずつ。その他にも入浴前と入浴後、寝る前など、水分をとるタイミングを日々の習慣の一部にしましょう。
一気に大量の水を飲むのではなく、少量の水分をこまめにとる「ちょこちょこ飲み」が脱水予防に効果的です。
水や白湯がオススメ
緑茶やコーヒーなどは利尿作用が高い飲み物であり、脱水症対策には向いていません。脱水を防ぐためには、水や白湯がオススメです。冬場は体を冷やさないよう白湯にすると良いでしょう。
ゼリーや果物でも水分補給を
水や白湯だけでは、飽きがきてしまいます。その際は、ゼリーや果物で水分を補うよう工夫してみてみましょう。
キウイと塩で「食べる点滴」
キウイには水分だけでなく、糖質・カリウム・マグネシウムが含まれており、点滴と同じ栄養素が含まれています。そこに塩分を加えると、まさに「食べる点滴」になります。
管理栄養士で一般社団法人臨床栄養実践協会理事長の足立香代子さんが提唱する食べ方をご紹介します。
~塩キウイの食べ方~
キウイ1個を切って塩をまぶすだけで簡単な食べる点滴のできあがり!糖・塩・カリウム・マグネシウム・カルシウムと点滴と同じ5つの栄養素を含んでいます。塩の分量はキウイ1個に対して2本の指で軽くひとつまみ(0.5g程度)。
~手もみ塩キウイスムージーの作り方~
キウイ2個を用意します。キウイの皮をむき、6等分程度にカットします。キウイを袋にいれ、手で揉みすりつぶします。ある程度キウイがつぶれたら、キウイをグラスに移します。グラスに、塩1グラム・水200ccをいれ、かき混ぜて完成です。
4.脱水には水分と電解質(イオン)を補う必要があり
軽度の脱水症を起こしている場合は、発汗により失われた水分と電解質(イオン)を補う必要があります。水と電解質を両方とも効率よく摂取できる経口補水液がおすすめです。
経口補水液は、水に食塩やブドウ糖を溶かしたもので、水分と電解質の吸収を助けてくれます。
経口補水液は購入しなくても自宅で簡単に作ることもできます。
水1リットルに対して食塩3グラム、砂糖20~40グラムを溶かせば完成。少量のレモン果汁を入れると、スッキリと飲みやすくなります。
水だけを飲むのではなく、梅干や塩昆布、塩飴などと一緒に摂るのも効果的です。お試しください。
健康に毎日を過ごすために、個人にあった方法で脱水予防を行いましょう!
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(グッドライフシニア編集部)
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