路線バスでの事故の78%が高齢者
一般的にあまり知られていないようですが、高齢者に関わる路線バスの事故が多いと言う事実。私もバスは滅多に利用しないので知りませんでしたが、編集部ではこのことについて調べてみました。
消費者庁の行った、40代から70代までの『路線バス利用者の転倒経験や意識調査』によると、平成21年9月から平成25年7月末まての約4年の間に、路線バスの事故により怪我を負う事故が273件も発生しました。そのうち213件(78%)が60歳以上で、怪我をした方の86.4%もが骨折という重大事故に至っています。
高齢者ほど転倒事故に合うと大きな怪我を負うリスクが高くなる理由には次の2つが考えられます。
1、加齢とともに足腰も弱くなり反射神経や運動機能が低下しているからです。
2、多くの高齢者の骨は骨粗しょう症などによりスカスカでもろくなっているため、転倒により骨折しやすい状態にあるからです。
高齢者の転倒による骨折の場合、大腿骨頸部骨折(太腿の付け根)が多く、安静期間中に認知症や運動機能が落ちてしまったり、寝たきりになってしまうケースもあります。
また、転倒や骨折を極度に怖がり、外出を避けて引きこもりがちになる方もいらっしゃるようなので注意が必要です。
出典:路線バスでの高齢者の転倒、骨折事故が多発!! (消費者庁)
怪我をした273件の事故のうち、「バス停から動き出すとき」の事故が最も多く、発進するときに席に着こうとした利用者の転倒が目立ちます。
また、「降りるために走行中に立ち上がったらブレーキでバランスを崩し転倒した」など、バスが動き出すときや停車するときの「ブレーキ時」による転倒も多くなっています。
乗車中だけでなく、「バスに乗ろうとしたところバランスを崩して車外で転落」など、バスに乗るときや降りるときにも事故が起きています。
出典:路線バスでの高齢者の転倒、骨折事故が多発!! (消費者庁)
さらに、同調査の「路線バスでの転倒経験や利用者の意識について」では、車内などで起きた転倒で骨折などの事故が起きていることを知っている人は27%と、これは少ない数字ですよね。
多くの人が路線バスで大きな事故が起きていることを知らないわけです。
小さなお子さんや妊婦さんにも含め、利用者の方は以下のような点に注意してください。
路線バスに乗車しているときの注意点
バスの運行中に車道では何が起こるかわかりません。運転者が危険回避のためが急ブレーキをかけることもあるかもしれません。以下のルールを守れば、車内での転倒事故も減り安全が保たれます。
以下のルールを皆さんで守りましょう
・バスに乗ったら慌てず着席し、バス停が停車するまでは絶対に立たないようにしましょう。
・赤信号で一時停車したときでも、車両内を移動するのは止めましょう。
・席に座れないときには、必ず手すりにつかまりましょう。
・周囲にいる人は高齢者の方には積極的に席をゆずりましょう。
出典:路線バスでの高齢者の転倒、骨折事故が多発!! (消費者庁)
お年寄りが事故に遭うことを怖がってバスに乗らない訳にも行きません。路線バスは高齢者にとって、日々の通院や買い物など日常生活にたいへん便利な乗り物。特に、近くに駅がない人や自転車や車に乗れない高齢者には生活に必要不可欠な交通手段です。
消費庁は運行者に対して、発進の前にはアナウンスをして車内にしっかりと事故防止を呼び掛けることや、バス利用者の着席の確認を徹底することなど、利用者への安全を促しています。
お年寄りの転倒事故が多発している事実を利用者の皆さんが知った上で、注意事項を守って安心・安全にバスを利用してください。そして、私たちもバスに乗るときには高齢の方に席を譲り、危ない時には手を差し伸べるなどのサポートを心掛けたいものです。
(文:松尾まみ)
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