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LDL(悪玉)コレステロールは何が「悪」?体への影響を知って動脈硬化を予防しよう

コレステロール

「LDL(悪玉)コレステロール」という言葉、よく聞きますね。健康診断の結果をみて「基準値より高いな」と気になった方も多いのではないかと思います。

その名前から、いかにも体に悪そうなLDL(悪玉)コレステロールですが、実際にはどんなはたらきがあり、数値が高いとどんなリスクがあるのでしょうか。

正しい知識を確認し、今後の健康管理に活かしていきましょう。(2026年2月3日追記)

 

1.LDL(悪玉)・HDL(善玉)コレステロールとは?

LDLコレステロールは「脂質」の一種で、男性ホルモンや女性ホルモン、副腎皮質ホルモン、全身の細胞膜、胆汁酸などの材料になる物質です。

体に必要なあぶらとして、私たちの体内には常に一定量のコレステロールが蓄えられています。

コレステロールは血液に乗って体内の必要な部位に届けられるのですが、油のため水に溶けることができず、そのままでは血流に入っていけません。

そこで活躍するのが、コレステロールを包んで運ぶ乗り物、「リポたんぱく質」。リポたんぱく質は比重や大きさによって種類があり、LDLやHDLなどがその一つです。

LDLの中に入って運ばれるコレステロールを「LDLコレステロール(悪玉コレステロール)」、HDLで運ばれるコレステロールを「HDL(善玉)コレステロール」と呼びます

コレステロールの値は、「動脈硬化」の進行と深く関係しています
 

2.LDLとHDLのそれぞれの役割

まずはLDLとHDL、それぞれの役割から確認していきましょう。
LDLは主に、肝臓でつくられたコレステロールを体に運ぶ「供給」の役割を果たし、HDLは余ったコレステロールを除去して肝臓に戻す「回収」の役割を果たしています。

体内のコレステロールはこの「供給」と「回収」のバランスに左右されるため、LDLコレステロールが増えすぎたり、回収を担うHDLコレステロールが少なかったりすると供給過多となり、LDLコレステロールが血管内に蓄積してしまうのです。

LDLコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)が基準値より高い、またはHDL善玉コレステロール値が基準値より低いなど、血液中の脂質の値が基準値から外れバランスが崩れた状態を「脂質異常症(高脂血症)」と言います。
 

3.LDLの数値が高いとどうなるの?

蓄積したLDLで血管がもろくなる
動脈硬化血管内にLDLコレステロールが溜まると、動脈硬化が進行していきます。

動脈硬化は、血液を心臓から全身に届ける動脈の壁(血管)が硬くなって弾力性が失われた状態のことで、進行すると血管壁にプラーク(コブのようなもの)がついて血管の内側を狭くしてしまいます。

このプラークが破けると血栓となり、血管を詰まらせてしまうことも。

動脈硬化は、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞といった重大な病気を誘引する恐れもあるため、数値には注意が必要です。

このように、多すぎるLDLコレステロールは血管をもろく硬くし動脈硬化を進行させます

目に見えない血管を健康に保つためにもLDL​コレステロールが上がらないようにすることが重要なのです。

LDLの数値が上がる原因

LDLの数値が上がる原因として、まず挙げられるのは食習慣です。

コレステロールを多く含む卵や魚卵の摂り過ぎはもちろんのこと、コレステロールを体内で合成してしまうトランス脂肪酸や飽和脂肪酸の摂取量が多いと、LDLコレステロールの数値が上がる原因となります。

そのほか、肥満や体質、遺伝、運動不足も挙げられます。肥満は体内の中性脂肪が増えて脂質の代謝に異常を生じさせ、LDLコレステロールの増加につながります。

また、生まれ持った体質・遺伝により、本来肝臓で処理されるはずのLDLコレステロールが処理されずに血液中に蓄積し、動脈硬化を起こしやすい人もいます。

さらに、女性は更年期になると女性ホルモン(エストロゲン)が減少する影響でLDLを肝臓に取り込みにくくなり、数値も上がりやすくなります。
 

4.悪玉コレステロールを減らす3つの習慣

LDL(悪玉)コレステロール値を減らす生活習慣のポイントは、「食事」「運動」「禁煙」の3つです。

1, 食事(食生活の改善)

コレステロール対策は、特定の食品を「完全にNG」にするよりも、まずは食べ方の偏りを整えることが大切です。脂身の多い肉や揚げ物、バター・生クリームなど乳脂肪が多い食品、菓子・スナックなど「脂+糖」が重なりやすい食品は、摂り過ぎないように頻度と量を見直しましょう。

反対に、コレステロールの排出を助ける食物繊維に加えて、脂は「飽和脂肪酸・トランス脂肪酸を控え、不飽和脂肪酸に置き換える」意識を持つと、LDL対策につながります。ビタミンC・Eを含む野菜もあわせて取り入れましょう。

食べすぎも禁物です。野菜、海藻、きのこ類、豆類などを意識して増やし、バランスの良い食生活を心がけましょう。

控えたい食品は、脂身の多い肉、加工肉、揚げ物、バター・生クリームなど乳脂肪が多い食品、菓子パンやスナック菓子などです。マーガリンなどの加工油脂を多く含む食品は、摂り過ぎないよう注意しましょう。卵や魚卵(いくら、たらこなど)は「食べ過ぎ」にならないよう、全体のバランスの中で調整してください。

摂りたい食品は、ビタミンC・Eを含む緑黄色野菜(ニンジン、かぼちゃなど)、食物繊維が多い大豆、玄米、雑穀、野菜、海藻、きのこ類など。不飽和脂肪酸を含む青魚やマグロ、オリーブオイルなども取り入れるとよいでしょう。

コレステロール

2, 運動(有酸素運動を取り入れる)

運動はLDLコレステロールの低下やHDLコレステロールの増加に効果があるとされています。

ウォーキングなどの有酸素運動を1日30分以上、もしくは1週間で2時間以上を目標に、無理のない範囲から始めていきましょう。

3, 禁煙(たばこは控える)

禁煙たばこの煙に含まれる成分には一酸化炭素やニコチンがありますが、これらはLDLコレステロールを増加させることがわかっています。

ニコチンはLDLコレステロールの増加だけでなく、HDLコレステロールを減少させる作用があります。また、一酸化炭素は活性酸素を増やすため、LDLコレステロールが酸化し、動脈硬化を促進してしまいます。

たばこを吸う習慣のある人は、禁煙に努めていきましょう。
 

体質や閉経によるものは医師に相談を

体質や遺伝といった先天的な原因や、女性の閉経にともなうLDLコレステロール値の上昇については、生活習慣の改善だけではどうにもできないことがあります。
基準値を超えていたら、早めに医師に相談するようにしてください。
   
いかがでしたか?
数値が高くてもなんとなく放置してしまいがちなLDLコレステロールですが、増えすぎると重大な病気のリスクがあり、油断は禁物です。

できるところから少しずつ生活習慣を改善し、健やかな毎日につなげていきましょう。

筆者:熊戸まこ(くまど・まこ)
学習院大学法学部政治学科卒業。IT企業に3年間勤め、退職後はライターとして高齢者の介護や福祉、健康分野の記事を執筆しています。福祉分野の専門性を高めるため、現在は社会福祉士の国家試験を取得しています。 

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