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脳卒中予防は30代、40代から!食事・生活習慣を見直そう

脳卒中

「脳卒中になりやすい人は体質」「たまたま運が悪かった」という人がいますが、そうではありません。生活習慣や健診について30代、40代から整えておく必要があるのです。

なぜ30代、40代から準備したほうがよいのか?その理由、予防のための生活習慣についてわかりやすくお伝えします。

 

1.脳卒中にならないためのポイントは血管の炎症予防

脳卒中は突然なるものなのか

身近な人が脳卒中(脳梗塞や脳出血)で倒れた、という話を聞いたときに「突然起こった病」というイメージをする方は多いものです。

ですがこの病、発症は突然でも、その準備は何十年もかけて体内でされています。たまたま症状の現れ方が突然だということなのです。(脳動脈瘤奇形など脳卒中の特殊な病態を除きます)

病気の原因を考えますと脳梗塞は脳血管がつまっておこり、脳出血は脳内の血管が破れておこります。

脳の血管にダメージを与えるのは動脈硬化ですが、それ以外にも食生活やストレスなど様々な生活習慣が影響しています。つみ重なった生活習慣が脳卒中を作り出すので、発症は突然でも準備には時間がかかっているのです。

動脈硬化の主な原因は生活習慣

人の血管は全身に張りめぐらされており、若い時はゴムのように柔らかくしなやかです。内腔(ないくう)と言って血管の内側は狭くなることもありませんし、急に血圧が上がっても柔らかいので刺激がなくなれば自然に戻ります。

しかし、年齢を重ねると誰でも血管そのものが硬くなっていきます。これに加えて良くない生活習慣は動脈を痛める原因になります。

例えば、高血圧があれば血管に負担がかかりやすくなります。さらに、コレステロール、中性脂肪が高ければ血管の内側にゴミが溜まって血管を狭くします。また、肥満は全身に炎症を起こす細胞を生みやすく危険因子とされています。
 

2.生活習慣は30代40代から意識して改善

高血圧

脳卒中の主な原因が生活習慣であれば「年を取ってから生活に気をつければいいか」と思うかもしれません。しかし、血管の病変は何十年も時間をかけて作られるものですから、準備は30代、40代からしておいたほうがよいのです。

なぜ30代、40代からなのか

例えば、脳卒中の危険因子に高血圧があります。残念ながら遺伝的要因で肥満でもなく、生活に気を付けているのに高血圧になりやすいという方もいます。筆者も健康診断等で受診者さんの血圧測定をしていると、30歳代、40歳代でも血圧が高めの方がいらっしゃいました。

この比較的若い時の高血圧を放っておくと、60代70代には数十年かけて血管に負荷をかけ続ける事になります。

長期間の負荷は血管が痛む原因にもなるため、年齢が若いうちに気づき、対処することが必要です。

 
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年齢を重ねるほど習慣はかえにくい

年齢を重ねると人の意見を聞き入れたり、柔軟に生活を変えたりといったことはしにくくなるもの。さらに、生活を変えようという気力も低下していきます。これは、精神のエイジングによって誰でも起こることなので仕方のないことです。

ですので、生活習慣は若い時から見直す必要があるのです。気力があり、柔軟な考え方ができるうちに、より良い生活習慣を取り入れれば、それが新しい生活習慣になるでしょう。
 

3.脳卒中にならないためにできること

良くない生活習慣が脳卒中の原因となる動脈硬化を招くのなら、それを除外していけばよいのです。

食事について言えば、カロリーや糖質、油分の摂りすぎを控え、高脂血症や高コレステロール血症を予防しましょう。これらは動脈硬化の誘因になりえます。

さらに、お酒の飲みすぎは血圧の乱降下を招きやすく、血管の老化を招く恐れがあります。お酒の量にも気をつけてください。

健診については毎年受診し、高血圧を指摘されたら早めに受診し、必要であれば治療を開始しましょう。

 
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また、心電図で不整脈があると、その種類によっては血栓が脳血管に流れ、脳梗塞の原因になるケースもあります。

肥満や糖尿病は長期にわたると血管を痛める原因にもなります。病院で救急患者さんを受けていた時、脳梗塞の患者さんに糖尿病の既往がある人が多いと感じました。

実際、糖尿病があると男性は3倍、女性は2倍、脳梗塞になりやすいというデータもあります。糖尿病の方は血糖値のコントロールに気を配るようにしてください。

 
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脳卒中10か条

脳卒中予防については、公益財団法人日本脳卒中協会が提唱している脳卒中10か条というものがあります。キャッチコピーのように分かりやすくなっているので、これを覚えておくとよいでしょう。

1 手始めに 血圧から 治しましょう
2 糖尿病 放っておいたら 悔い残る
3 不整脈 見つかり次第 すぐ受診
4 予防には タバコ止める 意志を持て
5 アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒
6 高すぎる コレステロール 見逃すな
7 お食事の 塩分脂肪 控えめに
8 体力に 合った運動 続けよう
9 万病の 引き金になる 太りすぎ
10 脳卒中 起きたらすぐに 病院へ

 

脳卒中は何人かに一人が確率でなる病というものではなりません。

この病気の予防には生活習慣が重要で、生活習慣は、30代、40代から気をつけておく必要があります。

動脈硬化は数十年かけてつくられるもので、それに年齢を重ねて高血圧、肥満などを重ねるごとに少しずつリスクが生じていきます。

積み重ねこそが大事な生活習慣。変える努力ができるうちに、生活習慣を改善していきましょう。改善なくして予防はできないのです。

島谷柚希(しまたに・ゆずき)筆者:島谷柚希
医療・健康ライター。看護師、介護支援専門員。整形外科などの医療機関や介護施設などで20年以上働いてきた経験を生かし、介護予防や健康に関する情報を発信。2021年10月には「看護師歴20年の私が伝える健康法 自分観察で疲れにくい体になる!」(Kindle本)を出版。ブログ:Nruse Writer’s Cafe 

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