平均寿命の飛躍と支援・介護期間の長期化
年々、高齢化する日本人の平均寿命。
1980年には女性が78.76歳、男性が73.35歳を記録した平均寿命は、2018年には女性が87.65歳、男性が80.93歳とおよそ30年の間で10歳程度も伸びています。
そのうえで「人生100年時代、120年時代」と言われている現代日本。
平均寿命の飛躍は喜ばしいことですが、それに伴い懸念されるのが要支援・要介護期間の長期化です。
日本人の平均「要介護期間」は男性が約9年、女性が約13年。
決して短くない時間を、介護する側される側が共に乗り越えていく必要があり、要支援・介護期間の長期化は老老介護・認認介護のリスク上昇や、貯蓄への不安をもたらしかねません。
伸ばしたいのは健康寿命
人は年を取っていく存在である以上、いつかは介護が必要になる日がやってきます。
多くの人の願いは「不安を最小限に抑えながら、充実したセカンドライフを過ごす」ことではないでしょうか?
そこで近年、注目を浴びているのが「支援・介護期間を短くする=健康寿命を延ばす」取り組みです。
「支援・介護期間を短くする」とは、具体的にはどのような取り組みを指すのでしょうか。
医学博士である平松類氏監修の『親を寝たきり・要介護にしないたった6つのこと』では、全6章を通し健康寿命をのばす方法を解説しています。
自力で歩ける足腰づくりと、その習慣化のアイディア、寝たきりに陥りやすい姿勢の癖など、知っておくだけで防げる要支援・介護のリスクを、専門家の知識と経験からわかりやすく指摘しています。
また、老化として見過ごされやすい「聴力低下」や「認知機能の衰え」などにも触れ、「介護期間ゼロ」を実現するスタートケアについての貴重な1冊になっています。
【目次】
第1章:目、耳、鼻、口を若く保つ
人生を楽しむコツは五感が知っている!その悩みの原因は認知症ではなく、五感の老いかもしれません。
第2章:100歳まで現役で。「スタスタ歩ける足腰」づくり
日常の動作からわかる寝たきりを防ぐタイミングや、一生歩ける足腰に欠かせない3点などを紹介。杖やシルバーカーの使い方もレクチャー。
第3章:もしかして認知症?その兆しと予防策
認知症予防に繋がる親とのコミュニケーション。気づきたい初期症状や検査への誘い方、病院選びのコツなど。
第4章:特殊詐欺、自己、孤独感から親を守る
離れて暮らしているからこそ届けたい「安心」。免許の返納時期や、日常に潤いを与えるネットショッピングなど、『病は気から』を子どもの手でブロックしましょう。
第5章:「がん、肺炎、脳梗塞」など危険な大病チェック
毎年、最低でも受けてもらいたい検査の紹介。見逃せない予兆と心得、役立つ制度についての実用的知識について。
第6章:親に万が一のことが起きたら!?もしものときの救急救命
心臓マッサージ、AED、入院、手術…。もしもの時に必ず役立つ対処法。
著者:平松 類(ひらまつ・るい)
眼科医/医学博士/昭和大学兼任講師。
10万人以上を診察してきた実績と経験から、高齢者とのコミュニケーション・ノウハウや、疾患へのアドバイスが支持されている。著書に『老人の取扱説明書』『1日3分見るだけでぐんぐん目がよくなる! ガボール・アイ』など多数。
タイトル:親を寝たきり・要介護にしないたった6つのこと
著者:平松類
定価:本体700+税
発売日:2019/12/26
ISBN: 978-4837986324
発行:三笠書房
(グッドライフシニア編集部)
■知っておきたい「親の介護」に関すること|総集編
■高齢者の突然の入院|あわてないための心強い情報を解説
■親の介護が必要になった時にするべき4つのこと
■介護が必要になる主な原因|介護されない未来のため今できること
■増加する「老老介護」「認認介護」の問題点と対策|一人で悩まず周囲に相談を
■【在宅介護か?施設介護か?】あなたはどちらを選択しますか
■老後も自立した生活を続けるために!介護予防の必要性
■「介護予防」に取り組んで健康寿命を延ばそう!
介護保険
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