骨粗しょう症予防に取り入れたいカルシウム。牛乳に比べ脂肪分が少ないスキムミルクは、シニア世代のカルシウム補給にぴったりです。今のスキムミルクは昔のような臭みもなく、飲み物や料理などにたくさん活用できます。
今回はスキムミルクの活用法や、スキムミルクを使ったカルシウムたっぷりレシピをご紹介します。
1.スキムミルクは骨粗しょう症対策にぴったり!
骨粗しょう症予防に大切なのがカルシウムの摂取です。カルシウムが不足すると、骨からカルシウムが取り出されてしまい、骨がスカスカになってしまう原因に。スキムミルクは脂肪分を抑えてカルシウムを摂取できるため、骨粗しょう症対策にぜひ取り入れたいものです。
そもそもスキムミルクとは、いわゆる脱脂粉乳のこと。牛乳から脂肪分と水分を取り除いて作られ、パウダー状になっています。
昔の脱脂粉乳のイメージから「味やにおいが気になるのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし今のスキムミルクは気になるにおいやクセもなく、ほんのりと甘みを感じられあっさりした味わいです。ぜひ一度手に取ってみてください。
気になるカルシウムや脂質の量は、牛乳とどの程度違うのか比較してみましょう。
エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | カルシウム | |
---|---|---|---|---|---|
スキムミルク(10g+水90g) | 35kcal | 3.4g | 1.1g | 5.3g | 110mg |
牛乳(100g) | 61kcal | 3.3g | 3.8g | 4.8g | 110g |
出典:文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
スキムミルクのカロリーは牛乳に比べ半分程度、脂質は0.1gとほとんど含まれません。カロリーや脂質の量が気になりにくいことで、手軽にカルシウムの摂取量を増やせます。
40代以上のカルシウム摂取量は、平均して200mg程度不足していることがわかっています(※1,2)。これはスキムミルク大さじ3杯(約18g)でまかなえる量です。手軽なカルシウム補給に役立つスキムミルクを、ぜひ毎日の食事に取り入れましょう。
※1:厚生労働省 令和元年国民健康・栄養調査結果の概要
※2:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
2.スキムミルクの活用法
スキムミルクはサッと水に溶けるので、水に溶かしてそのまま飲むだけでなく、コーヒーや紅茶などの飲み物に入れても楽しめます。
また牛乳の代わりとして料理やお菓子作りにも使えます。たとえばシチューをスキムミルクで作ると、あっさりして食べやすくなりますよ。
そして粉末のまま料理に混ぜ込む活用法もあります。ハンバーグ、コロッケ、ポテトサラダ、カレー、みそ汁など、スプーン1~2杯程度混ぜ込むだけで料理にコクを与える隠し味になります。
保存がきくため、いつでも使える点も魅力です。ぜひ自宅に常備しておきましょう。
3.スキムミルク入り!カルシウムたっぷり和風ハンバーグのレシピ
スキムミルクを使った和風ハンバーグのレシピをご紹介します。スキムミルクだけでなく、カルシウム豊富な豆腐も入っているため、たっぷりカルシウムを補給できます。
スキムミルクを入れても、においや味にはほとんど影響せず、むしろあっさりとしたハンバーグにコクを足してくれます。ぜひお試しください。
【材料(2人分)】
木綿豆腐…120g
鶏ひき肉…120g
玉ねぎ…中1/4玉(約50g)
スキムミルク…大さじ4
パン粉…大さじ3
塩、こしょう…少々
サラダ油…適量
大根おろし…100g
大葉…2枚
ポン酢しょうゆ…小さじ4
【作り方】
①豆腐を手でよく潰す(豆腐は水切り不要)。鶏ひき肉、みじん切りにした玉ねぎ、スキムミルク、パン粉、塩こしょうを加え、よく混ぜ合わせる。
②①を2等分し、小判型にまとめ、真ん中を指で押さえる。
③フライパンにサラダ油を薄くしき中火で熱し、②を焼く。焼き色がついたら裏返してふたをして、弱火にして火が通るまで焼く。
④器に盛り、大葉、大根おろしを載せ、ポン酢しょうゆをかけて出来上がり!
レシピのポイント
スキムミルクは「こんなにたくさん?」と思うかもしれませんが、焼きあがると風味はほとんど気になりません。タネがゆるいと感じるときは、パン粉を少々足してください。鶏ひき肉は、豚ひき肉や合いびき肉など、お好みのものでも大丈夫です。
栄養成分値(1人分)
エネルギー237kcal
たんぱく質20.4g
脂質11.7g
炭水化物15.6g
食塩相当量1.35g
食物繊維2.0g
カルシウム213mg
※参照:文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
シニア世代が気をつけたいカルシウム摂取は、スキムミルクが重宝します。あっさりとしていてクセがないため、飲んでみるとイメージと違うおいしさに驚いてしまうかもしれません。スーパーでは、コーヒー売り場横などで良く見かけます。ぜひ一度探してみてくださいね。
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管理栄養士。保健センターや病院に勤務し、生活習慣病予防や低栄養予防など、中高年から高齢者の栄養サポートに従事する。
現在はフリーランスとして独立し、食や栄養に関するコラム執筆や、身近にある材料でおいしく健康になれるレシピ作成などの活動を行っている。

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