歯と医療費の因果関係
歯は健康の源といっても過言ではありません。それを裏づける、「歯と医療費の因果関係」を示す調査結果をご紹介します。
この調査結果では、歯の本数が多いほど医療費が低いこと、上下の歯が揃いかみ合わせが良好なほど医療費が低いこと、歯の本数が同程度でも上下の歯がかみ合う領域が多いほうが医療費は低いことが分かりました。
つまり、歯が少ない人ほど医療費が高い傾向にあるといえるわけです。
これらの結果から、若いうちからケアを心がけ、なるべく多くの歯を残し、上下の歯でかめる状態を保持することが医療費抑制と健康維持に重要であることが示唆されました。
研究結果の詳細
オーラルケアでお馴染みのサンスターが、20才から74才まで、約25万人の定期健康診断結果と医療機関の診療情報(診療報酬明細書=レセプト)をもとに、歯の本数、かみ合わせと医科医療費の関係を分析しました。
歯の本数、咬合(かみ合わせ)状態
歯の本数は、男女とも年齢が上がるほど減少し、60才で平均25本以下でした。男女を比較すると、20代~30代は女性がやや少なく、40代以降は男性がやや少なく、70代は女性がやや少ない状況でした。
咬合状態は、上下の歯がかみ合う領域がすべて揃った良好な咬合状態の人が、20代~30代では約9割でしたが、60代以降では約6割と、男女とも年齢が上がるほど咬合状態が悪化する傾向がみられました。
歯の本数と医科医療費の関係
男性の20代~30代以外の男女の各年代で、歯の本数が多いほど医科医療費が有意に低く、歯が1本~数本抜けた程度でも、本数の低下に伴う医科医療費が増加する傾向がみられました。
歯の咬合と医科医療費の関係
男性の20代~30代以外の男女の各年代で、歯の咬合状態が良好であるほど医科医療費が有意に低く、咬合状態が最良のA分類の人の中でも歯の欠損箇所が少ないほど医療費が低くなる傾向がみられました。
(アイヒナー分類= A分類:左・右の小臼歯部と大臼歯部の4領域全てで上下の歯がかみ合う良好な状態、A1:欠損歯なし、A2:上の歯か下の歯のどちらかで欠損歯あり、A3:上下とも欠損歯あり、B分類:上下の歯でかみ合う領域が3領域以下、C分類:上下の歯でかみ合う領域がない)
参考:「歯の本数が多く、かみ合わせが良いほど医療費が低い」 サンスター、25万人の歯と医療費を分析した論文を日本歯科医療管理学会雑誌で発表
分析結果から、歯の本数の多さに加えて、かみ合わせが良いほど医科医療費が少ないことが確認されました。
若いうちから歯や咬合の状態をよく保ち、上下の歯で食べ物をしっかり“かむ”ことが、口腔の健康のみならず、全身の健康維持においても重要であると考えられます。
将来の歯を守るためにも、若いころから、定期的に歯科医院に通ったり、毎日のオーラルケアをきちんとすることが重要です。
歯ブラシでのブラッシングだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを毎日の歯磨き習慣に取り入れましょう。
マウスウォッシュは歯間部など歯ブラシの届きにくい場所のオーラルケアに効果的です。
大人になったら、歯周病は気になっても、虫歯のことはあまり考えなくなりませんか? 「70歳から大人の虫歯が急増する」のだそうです。そして虫歯で歯を失う危険性も…。なぜ高齢になると虫歯に!?歯科医の坂口豊先生に教えてもらいました。
■【歯科医監修】70歳から虫歯急増!歯の数を減らさない7つのお口ケア
(グッドライフシニア編集部 松尾)
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