
炭水化物の摂取を制限し、たんぱく質や脂質、野菜をたっぷり摂取する「糖質制限ダイエット」は、今や定番の健康法として人気ですが、過度な糖質制限は健康リスクを引き起こす可能性があります。(2026年1月追記)
本記事では、糖質を制限しながら健康的に、そして無理なく痩せるためのポイントを、糖質制限歴9年の筆者の工夫も交えながら解説します。
糖質の高い・低い食材の一覧、体に無理なく安全に糖質制限を続けるためのコツ、管理栄養士による糖質オフメニューもご紹介します。
1.糖質制限ダイエットとは?
糖質制限ダイエット(低炭水化物ダイエット)は、ご飯・パン・麺・イモ類などの主食や甘い物の糖質(炭水化物−食物繊維)を控えめにし、その代わりに、肉・魚・豆腐・チーズ類などのたんぱく質、脂質、野菜をしっかり食べるダイエット法です。
(糖質量は目的や体質によって異なりますが、1日70〜130g前後を目安に語られることもあります)
日本人の食事摂取基準では、炭水化物の目標量は総エネルギーの50〜65%とされています。たとえば1日2000kcalの場合、炭水化物は約250〜325gが目安(換算)になります。
主食に含まれる糖質量は、目安として、ごはん(茶碗1杯・約150g)で約57g、食パン(6枚切り1枚相当)で約26〜31g、ゆでうどん(1玉)で約50g程度です。
なお、炭水化物(糖質+食物繊維)は体と脳の大切なエネルギー源です。日本人の食事摂取基準(2025年版)では、炭水化物は総エネルギーの50~65%を目安としています。糖質制限を行う場合も、極端な制限ではなく、体調や生活に合う範囲で調整することが大切です。
糖質を減らすとなぜ痩せるの?
人は太古の昔、糖質を摂取できる機会が少なかったため、摂取した糖を効率よく吸収して、脂肪として蓄積するシステム(インスリン分泌)が体には備えられています。
ところが飽食の現代人は明らかに糖質を過剰に摂取している状態。そのため、エネルギーとして使い切れなかった糖質が中性脂肪になって蓄えられ、それが肥満につながるわけです。
インスリンの過剰分泌が肥満をひきおこすため、糖質をたくさんとらなければインスリンも大量分泌しない、よって太らないというわけです。
2.糖質制限を行う際の注意点と長続きさせるコツ
糖質制限ダイエットは、肥満気味、運動不足や暴飲暴食が多い人にはおすすめですが、妊娠中の方・成長期のお子さん・高齢の方は、体調や栄養状態によって負担になる場合があるため注意が必要です。
特に60歳以上の方は、筋肉量の低下(サルコペニア)や低栄養につながらないよう、自己流での厳しい制限は避けましょう。シニアの糖質制限については、こちらの記事をご覧ください。
■シニアの糖質制限は危険?メリット・デメリットを知り正しく取り組もう
また、糖尿病の治療中の方(特に薬を使用している方)は、食事変更で低血糖のリスクが変わることがあります。腎臓が悪い方も、高タンパク食が腎臓に負担となるため注意が必要です。持病がある場合や服薬中の場合は、自己流にせず主治医・管理栄養士に相談してから進めましょう。
ダイエットのやり過ぎは、かえって深刻な病気を招くこともあります。体内の糖質が減ってしまうと、体は筋肉を分解してアミノ酸に変えていくので筋肉量がどんどん減ってしまいます。
早く痩せたいからといって、ご飯を含む炭水化物を一切食べなかったり、痩せて嬉しくなって、さらに糖質制限を過剰に行うのは避けるべきです。
「厳しい糖質制限食を30年、40年と続けると、全身や脳の老化が進行する」と警鐘を鳴らす医師の意見もあります。
糖質制限ダイエットを長続きさせるコツは無理をし過ぎないことです。まずは、どの食品に糖質が多く含まれているのか、いないのかを頭の中で大まかに理解しましょう。
そして、日々の生活の中でご自分が実行できそうなルールを作って糖質の摂取量をコントロールすれば、ストレスを強く感じることなくダイエットを続けることができます。
健康的に痩せるには、規則正しい生活とバランスの取れた食生活、適度な運動が大切。脂肪燃焼効果のあるウォーキングも気軽にできておすすめです。
3.食べるべき食材、控えるべき食材は?

糖質制限ダイエットで食べるべき食材は、糖質の入っていないもの、または少ないもの。体を動かすエネルギー源となる「タンパク質」、「脂質」、そして、体を作る「ビタミン」、「ミネラル」などの必須栄養素、「食物繊維」などを多く含む食品です。
減らすべきものは、ご飯や麺類、パンなどの小麦粉製品、そして、甘いお菓子や飲み物など。
山芋、かぼちゃ、バナナ、プルーンなどの野菜や果物も糖質が高いですが、栄養面を考えると全く避ける必要はありません。ただし食べ過ぎには注意しましょう。
糖質が多い食品、少ない食品一覧
どのような食材に糖質が多いのか、少ないのかを正しく知っておきましょう。糖質の多い食品・少ない食品は以下を参考にしてください。
糖質が多いので減らしたい食品
| 主食 | ご飯、パン、ラーメン、パスタ、うどん、そば、そうめん、シリアル、春雨、お好み焼き・たこ焼きなどの粉物 |
|---|---|
| 野菜・果物 | ジャガイモ、サトイモ、サツマイモ、山芋、かぼちゃ、とうもろこし、レンコン、バナナ、アメリカンチェリー、マンゴー、ブドウ、ドライフルーツ(レーズン、干し柿、プルーン、ドライマンゴーなど)、果物缶詰(もも、パイナップル、ミカンなど) |
| 調味料 | 砂糖、蜂蜜、片栗粉、小麦粉、みりん、ソース、トマトケチャップ、チリソース、コンソメスープの素 |
| 飲み物 | ぶどうジュース、リンゴジュース、コーラやソーダなど炭酸飲料、清涼飲料水、ミルクココア、ピーチネクター |
| お菓子 | スナック菓子(ポテトチップス、せんべいなど)、和菓子(あんこ、大福、団子など)、洋菓子(クッキー、ケーキ、パンケーキ)、ジャム、飴、グミ |
糖質を気にした方がよい食品
| 肉、魚 | 加工肉(ソーセージ・ハム・ウインナー)、加工食品(かまぼこ、ちくわなど練り製品) |
|---|---|
| 野菜、果物 | りんご、イチゴ、みかん、オレンジ、もも、メロンなどフルーツ全般、ソラマメ、グリーンピース、ゴボウ、玉ねぎ、ニンジン、赤ピーマン |
糖質の少ない食品
| 肉・魚 | 肉類(豚肉、牛肉、鶏肉、羊肉、馬肉)、魚介類(さんま、あじ、まぐろ、ぶり、いわし)、卵、肉類、魚類全般 |
|---|---|
| 野菜・果物 | 葉物野菜(ほうれん草、小松菜、キャベツ、青梗菜、セリ、三つ葉、レタス、水菜、白菜、にら)、もやし、ブロッコリー、カリフラワー、アスパラ、カブ、ゴーヤ、貝割れ大根、ズッキーニ、白菜、ミョウガ、紫蘇などの野菜、果物(アボカド、ラズベリー、ゆず、パパイヤ、レモン) |
| 調味料 | 出汁・油(サラダ油、オリーブオイル、ごま油、ラー油)、塩、酢、マヨネーズ、豆板醤、醤油など |
| 飲み物 | 水、お茶(緑茶、ウーロン茶、麦茶、紅茶、ほうじ茶)、コーヒー |
| その他 | 海藻類(ワカメ、海苔)、キノコ類、大豆や大豆製品(豆腐・湯葉)、乳製品(チーズ・バター・砂糖を加えていない生クリーム) |
お酒の糖質量
| 糖質が多い | ビール 10.9g(1缶)、発泡酒 12.7g(1缶)、梅酒 6.2g(グラス1杯) 日本酒 8.1g(1合)、紹興酒 2.6g(グラス1杯) |
|---|---|
| 糖質を含む | 赤ワイン1.5g(グラス1杯)、白ワイン2.0g |
| 糖質ゼロ | ジン、焼酎、ウイスキー、ウォッカ、テキーラ、ラム |
参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 炭水化物成分表編」
※本表記載のデータは、可食部100 gあたりの値を基にした目安です。個々の調理法・食べる量によって糖質量は変動します。
4.無理なく糖質制限を続けるためのコツと食事のアイデア
ちなみに筆者も9年前から緩やかな糖質制限を実践していて、効果があると実感しています。
白米が大好きなので1日3回食べたいのを我慢して、朝か昼に茶碗に軽く1膳。ご飯を抜いた分、鶏肉や魚のたんぱく質と野菜をたっぷりいただきます。
これだけでも1ヶ月でお腹周りがすっきり、3ヵ月間ほどで体重が4キロ落ち50キロになりました。その後は無理のないカロリー制限に切り替え、体重をキープしています。
主食にオートミールや雑穀の利用
白米(炊飯後)の糖質量は100gあたり約36.8g、オートミール(乾燥)では約59g前後※。食物繊維が豊富で糖質が控えめのオートミールを取り入れるのもおすすめです。
また、白米より糖質が少なく食物繊維が多い、もち麦や玄米、あわ、きび、麦などの雑穀などを、お好みにあわせてご飯に混ぜて炊くのもよいでしょう。
糖質の多いお菓子をナッツや果物に置き換えるのも効果的。
管理栄養士による糖質控えめのオリジナルレシピ、レンジで皮なし「豆腐シュウマイ」、オートミールで作る「炒飯」、もち麦ときのこの「中華風雑炊」、きのこたっぷり「豆腐グラタン」のメニューはこちらからどうぞ!
⇒ 血糖値対策やダイエットに「糖質オフ」レシピ5選|管理栄養士の考案メニュー
お酒は糖質ゼロをチョイス
ビールや日本酒、紹興酒などの醸造酒は高糖質で、飲むと血糖値が上がりやすくなってしまいます。反対に、ウイスキー、焼酎、ウォッカなどの蒸留酒は糖質ゼロです。
焼酎をお茶や炭酸で割った酎ハイやハイボールがおすすめ。生のレモンかグレープフルーツを絞ったサワーは、ビタミンCや食物繊維も豊富で美容効果もアップします。
緩やかな糖質制限“ロカボ”で安全で健康的なダイエットを目指しましょう!
今回、参考のため「糖質制限」に詳しい中国薬膳料理のオーナーにもお話を伺いました。「歓」では、薬膳料理や糖質制限メニューも提供。女性に人気の糖質オフランチは、ご飯を糖質の低い大豆パンに置き換え料理もデザートも砂糖を使わないオリジナル。オーナーの梅橋氏は、糖尿病と診断され自身も糖質制限を実践し、20日間で8kgの減量に成功。糖質制限の知識を生かし日本初の糖質制限専門店を出した経験もある。「歓」店舗情報
年齢を重ねると、体の代謝や食の好みも少しずつ変わってきます。糖質を意識したいけれど、毎日の食事を一人で管理するのは大変ですよね。そんなシニアの方におすすめしたいのが、積水ハウスの「グランドマストシリーズ」。食堂では管理栄養士による栄養のバランスがとれたお食事が楽しめます。
受付サービスや住人専用の食堂も併設。管理栄養士による栄養のバランスが整った食事が、お好きな時に利用できる賃貸住宅です。

■積水ハウス「グランドマストシリーズ」その魅力とは?
筆者:松尾まみ学生時代より情報誌や雑誌で旅ライターを始め国内・海外取材歴8年。結婚と出産で休業の後、オーガニック食品の会報誌の編集を経てWEBに転身。介護、健康、不動産、海外文化の執筆とサイト運営を16年。その間、自身も親の介護を経験しながら現在に至る。
参照:厚生労働省「炭水化物」
文部科学省:日本食品標準成分表2015年版(七訂)炭水化物成分表編
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