
「最近、足腰が弱ってきた」「階段の上り下りがつらい」と感じることはありませんか?
シニアにとって筋肉は、立つ・歩く・転ばないといった日常動作を支える重要な役割があります。筋力が低下すると、転倒や骨折、要介護のリスクも高まります。
2025年に発表されたアジアの最新基準(AWGS2025)でも、サルコペニア(筋肉減少症)の評価対象が50代まで広がり、早い段階から筋肉対策を行う重要性が示されています。
60代・70代からでも筋トレは決して遅くありません。自宅でできる簡単な運動でも、継続することで“筋肉貯金”はしっかり増やせます。
1. シニアにおすすめの筋肉トレーニング
シニアにも無理なく続けやすい筋肉トレーニングには、いくつか種類があります。
年齢や体力に合わせて取り入れることで、転倒予防や日常動作の改善にもつながります。大切なのは、年齢や体力に合った運動を選び、無理のない範囲で続けることです。
ここでは、筋力維持や転倒予防にも役立つ代表的なトレーニングをご紹介します。
体をほぐしてケガ予防「ストレッチ」
筋肉を引き伸ばすことで柔軟性を高めるための運動です。正しいストレッチの方法を守ることで、怪我を予防し、筋肉や関節の柔軟性を向上させることができます。
簡単なストレッチから始め、徐々に負荷を増やしていくと良いでしょう。また、ストレッチは、身体を温まった状態で行うことが大切です。運動前にウォームアップをしてから行うことをおすすめします。
筋力をつけて転倒を防ぐ「筋トレ(レジスタンストレーニング)」
レジスタンストレーニングとは、重りやゴムチューブ、自重などを使って筋肉を鍛える方法です。筋力、筋肉量、骨密度の低下を防ぐ効果があります。
ダンベルやバーベルなどの重りを使ったトレーニング、スクワットや腕立て伏せなど、ゴムチューブを使ったトレーニングなどがあります。
シニアは、転倒や骨折のリスクが高いため、バランストレーニングも重要です。片足立ちや壁を支えにして行う壁スクワットなどがおすすめです。
近年では60・70代のジム通いが増えつつあります。実際にジムでトレーニングを行っている方の体験談をもとに、「自分の体に投資する」楽しさや、やりがいについて検討してみましょう。
⇒ 60代〜70代の筋トレ事情!「筋活」で人生100年時代を健やかに過ごそう
無理なく続けられる「有酸素運動(ウォーキングなど)」
有酸素運動は、心肺機能を向上させ、糖尿病や高血圧、脳卒中などの病気のリスクを下げることができます。
ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などがおすすめです。ただし、シニアの場合は、体力や健康状態に合わせて適度な負荷で行うことが大切です。
運動不足やストレス解消、筋力の維持、生活習慣病の予防などさまざまなメリットがあるウォーキング。無理なく気軽に運動不足を解消できる、シニア向けのウォーキング術をご紹介します。
⇒ 中高年のためのウォーキング術|無理なく楽しく歩いて健康に!
2. シニアが筋肉トレーニングをするときに注意すべきこと

筋トレは正しく行えば効果的ですが、間違った方法ではケガの原因になることもあります。シニアの場合は特に、無理のない進め方が大切です。
シニアは筋肉量が少なく、怪我をしやすいため、トレーニングを始めるときは軽いウェイトから始め、徐々に負荷を増やしていきましょう。
筋トレの頻度も大切です。一般的には、60歳以上のシニアにとっては週に2〜3回の筋力トレーニングが適切とされています。
また、厚生労働省は筋力トレーニングに加えて、筋力・バランス・柔軟性などを含む多要素な運動を週3日以上行うことも勧めています。
ただし、個人差があり、体力や健康状態、目的によって適切な頻度は異なる場合があります。筋肉を鍛えるためには、トレーニングを継続することが大切、過度なトレーニングは禁物です。無理な負荷をかけると怪我や疲労の原因にもなるので注意しましょう。
また、筋肉トレーニングを効果的にするため、以下のようなポイントも頭に入れておきましょう。
タンパク質を摂取する
筋肉を維持するためには、十分なタンパク質を摂取することが重要です。たんぱく質は筋肉を構成する栄養素であり、筋肉の成長や修復に必要なアミノ酸を提供します。トレーニング後30分以内にたんぱく質を摂取することが筋肉の成長や修復に有効であるとされています。
筋肉量が減少する病気であり、寝たきりの原因にも関わるサルコペニア。予防に大切な、食事にまつわる知識を管理栄養士が解説します。
⇒ 高齢者もタンパク質が大切!サルコペニアを予防する食事のポイントを管理栄養士が解説
また、カルシウムやビタミンDも重要な栄養素です。栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
ポストワークアウトのストレッチを行う
筋肉トレーニングの後にはポストワークアウトのストレッチを行い、筋肉の回復を促しましょう。ポストワークアウト(post-workout)とは、トレーニングや運動を行った後に行う、体を回復させるためのアクションのことです。
運動やトレーニングによって筋肉が疲れ、炎症が起こりますが、ストレッチを行うことで、筋肉の緊張を解き、関節の可動域を広げ、筋肉の柔軟性を維持することができます。
水分補給を忘れない
シニアは年齢とともに体内の水分量が減少するため、運動によって汗をかいた場合に脱水症状に陥りやすくなります。トレーニング中はこまめに水分補給をしてください。
本人も自覚がないうちに体内の水分が奪われ、脱水症の一歩手前になっている状態の「かくれ脱水」。夏は熱中症予防のために水分摂取を心がけている人が多いですが、冬にも脱水の危険性があります。
⇒ 「かくれ脱水」にご注意!脱水症の予防と水分補給のポイント
今日から始める筋肉貯金!
筋トレは、無理のない範囲で続けることが大切です。トレーニングはゆっくり行い、疲れを感じたら休憩を取りましょう。運動中に不快な症状が出た場合は、すぐに中止してください。
体に痛みがある方や持病のある方は、トレーニングを始める前に医師などに相談し、安全な計画を立てましょう。
最初から頑張りすぎる必要はありません。まずは朝のストレッチや、椅子に座ってできる簡単な運動など、続けやすいことから始めてみましょう。少しずつ積み重ねることが、将来の筋肉貯金につながります。
自宅での筋トレに慣れてきたら、地域のスポーツクラブやスポーツイベントに参加するのもおすすめです。同じ目標を持つ仲間と一緒に取り組むことで、運動を続ける励みにもなります。
筋肉を保つことは、健康維持だけでなく、前向きな気持ちや人との交流にもつながります。人生100年時代を元気に過ごすために、できることから少しずつ始めていきましょう。
参考:参考:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド」
参考:e-ヘルスネット(厚生労働省)
参考:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
(グッドライフシニア編集部 松尾まみ)
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