人はどのくらいの睡眠が必要?
あなたは質の良い睡眠がとれていますか?睡眠をとることは、心も体も健康に暮らすためにとても大切なこと。睡眠は脳や身体に休養を与え、疲労を回復し、明日への活力を養う大切な時間です。
健康な成人は1日に7〜9時間の睡眠が必要といわれています。とはいえ、年齢や体質、生活環境も異なるため、必要な睡眠時間にも違いがあり人それぞれ。
このページでは睡眠に関するいくつかの研究結果を元に、なぜ睡眠が大切なのか、年代別の推奨される睡眠時間、快適な睡眠へと導く方法などを中高年にスポットを当ててご紹介いたします。
≫1, 1日7時間睡眠の人が1番長生き!?
≫2, 年代別の推奨睡眠時間は?
≫3, 快適な睡眠のための7箇条
①適度な運動習慣 ②日中に元気がバロメーター
③快適睡眠は自らつくる ④自分なりのリラックス法を
⑤日光で体内時計をオン ⑥短い昼寝でリフレッシュ
⑦睡眠障害は専門家に相談を
1, 1日7時間睡眠の人が1番長生き!?
米国で6年間100万人を超える成人(30〜102歳)を対象に行われた「睡眠習慣」の調査結果によると、睡眠時間が7時間の人が最も長寿と報告されています。
この調査結果で注目したいのが、8時間を超える睡眠時間の高齢者は、6〜7時間寝る人よりも死亡リスクが上昇すると報告されていることです。
「え!?長く寝るのは健康によくないの?」とびっくりされる人もいるのではないでしょうか。
さらに、アルツハイマー&認知症ジャーナルが7,500人の女性を対象とした研究結果では、8時間以上眠ると認知症のリスクが35%増加するという研究結果が出ています。
8時間以上寝ると認知症のリスクも上がるとは…。たくさん寝ると健康に良い気がしていましたが、どうやら、中高年の場合は睡眠時間は長ければ良いという訳ではないようです。
2, 年代別の推奨睡眠時間は?
次に、アメリカの国立睡眠財団や睡眠医学会のレポートを調べてみると、推奨される睡眠時間は年代別に以下の通りです。
年代 | 睡眠時間 | |
---|---|---|
新生児 | 0~3か月 | 14~17時間 |
幼児 | 1~2歳 | 11~14時間(昼寝を含む) |
新生児 | 0~3か月 | 14~17時間 |
学齢期 | 6~12歳 | 9~12時間 |
ティーン | 13~18歳 | 8~10時間 |
大人 | 18~25歳 | 7~9時間 |
26~64歳 | 7~9時間 | |
61~64歳 | 7~9時間 | |
65歳以上 | 7~8時間 |
若いほど睡眠時間が長く、年齢とともに概して睡眠時間が短くなり、睡眠と年齢の影響は大きいことが分かります。
中には睡眠時間が4時間でもパワフルに活動しているショートスリーパーの方や、8時間寝ても寝足りない人など、体質によりさまざまですが、このデータから見ても、中高年は7時間くらいの睡眠が望ましいようです。
では実際に日本人はどのくらい睡眠時間をとっているのでしょう?
厚生労働省のデータによると、10歳代で8~10時間、成人以降50歳代までは、6.5~7.5時間、60歳代以上で平均6時間弱です。高齢になるほど概して睡眠時間が短くなることが報告されています。
先に紹介した通り、アメリカでの60歳代の推奨睡眠時間は7時間とされているので、6時間だと日本人の睡眠時間は推奨より少し短いかもしれません。
3, 快適な睡眠のための7箇条
睡眠不足や睡眠障害は、疲労感をもたらし情緒を不安定にして、適切な判断力を鈍らせるなど、生活の質にも影響を与えます。
「うつ」などの一症状として睡眠障害があらわれることが多く、無呼吸を伴う睡眠の問題は高血圧、心臓病、脳卒中の悪化要因とされているため注意が必要です。
では、具体的に質の良い睡眠をとるためにどのようなことを心がければいいのでしょう。
①適度な運動習慣
快適な睡眠を取ることは、健康的な生活や事故防止につながります。熟睡をもたらすため定期的な運動習慣を心がけましょう。
食事をとってから、胃腸の働きがひと段落するまで約3時間かかるため、夕食は遅くても就寝の3時間前までに済ませましょう。
②日中に元気がバロメーター
睡眠時間や睡眠パターンは人それぞれで個人差があります。睡眠不足だからと言って無理に眠ろうとすると、かえって睡眠の質を低下させることもあり、また、寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減ることがあります。
「快適に睡眠を確保できているか」を判断する方法として、しっかり目覚めて、日中に眠気を感じずに元気に過ごせているかを目安にしましょう。
③快適睡眠は自らつくる
就寝前の4時間前以降のカフェイン摂取は、眠りを妨げる傾向があります。また、「睡眠薬代わりの寝酒」は、眠りが浅くなったり、アルコールに慣れが生じ、酒量が増していくこともあるので要注意。
④自分なりのリラックス法を
眠ろうとする意気込みが、かえって頭をさえさせ寝付きを悪くすることもあります。音楽を聴いたり、アロマなどの香りを楽しんだり、読書やストレッチなど、自分にあった方法でリラックスしましょう。温めの入浴は寝付きを良くしてくれます。
⑤日光で体内時計をオン
日光を浴びると「セロトニン」の分泌が促され、体内時計を刺激し一日の行動に適した生活リズムを作ります。
早起きすることが早寝に通じることはもちろん、目が覚めたら適度な日光を浴びるようにすることが快適な睡眠につながります。休日に遅くまで寝床で過ごすと、翌日の朝が辛くなるのでご注意ください。
⑥短い昼寝でリフレッシュ!
寝不足だからと2時間も3時間も昼寝をして、かえって夜眠れなくなり生活のリズムが崩れたことありませんか?長い昼寝は夜の睡眠に悪影響を及ぼすので、昼寝をするなら午後3時前の20~30分くらいにしておきましょう。
⑦睡眠障害は専門家に相談を
寝付けない、眠っているのに熟睡感がない、早朝に目覚めてしまう、(充分眠っても)日中の眠気が強いことが続くような睡眠障害は、体や心の病気の症状として現れていることがあるので要注意。そのような症状が続く場合は医師に相談しましょう。
また、いびきがひどい時は睡眠の質が悪くなっています。予防として肥満の人は減量したり、就寝前の食べ過ぎやアルコール摂取を避けるなど、生活習慣に留意することが大切です。
ただし、睡眠中の激しいいびきは、睡眠時無呼吸症候群などの病気が隠れている可能性があます。足のむずむず感、歯ぎしりなどとともに、医師・歯科医師に早めに相談しましょう。
また、うつ病では早朝に目が覚めたり、熟睡感がないなど、特徴的な睡眠障害を示します。こうした症状を初期のうちに発見し適切に治療することにより、うつ病の悪化を予防することにもつながります。

■「うつ」とは?特徴的な症状に気づき治療につなげるポイント
睡眠の質を改善することは、睡眠のための良い習慣を身につけることが大切です。適度な運動を心がけたり、眠る環境を整えたりして、毎日を元気に過ごすために質の良い睡眠をとるように心がけましょう!

■中高年の睡眠の質を高めるには?健康的な生活は睡眠から
参照:厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針検討会報告書
Alzheimer’s & Dementia Journal
National Sleep Foundation「How Much Sleep Do We Really Need?」
centers for Disease control and pervention「How Much Sleep Do I Need?」
People who sleep for seven hours a night live longest – NCBI

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