
睡眠は、脳と体に休養を与え、疲労を回復し、翌日の活力を養う大切な時間です。ただし中高年になると、睡眠時間は「長ければ良い」とは言い切れないことも分かってきました。
このページでは、研究でよく紹介される「長生きと睡眠時間の関係」をわかりやすく整理し、目安の考え方と、気をつけたいサイン、今日からできる整え方までまとめます。(2026年2月3日更新)
1. 長生きしやすい睡眠時間の目安
米国で6年間100万人を超える成人(30〜102歳)を対象に行われた調査では、睡眠時間が7時間前後の人が、死亡リスクが低い傾向が報告されています。
この調査結果で注目したいのが、8時間を超える睡眠時間の人は、6〜7時間寝る人よりも死亡リスクが高い傾向が示されていることです。
「え!?長く寝るのは健康によくないの?」とびっくりされる方もいるのではないでしょうか。
ただし、こうした結果は“観察研究”が中心で、「長く寝ること」自体が原因とは限りません。体調不良、痛み、気分の落ち込み、活動量の低下、服薬などが背景にあって「結果として長く寝ている」可能性もあります。
つまり大切なのは「7時間ぴったりが正解」というより、目安の中心が“7時間前後”にあるという読み方です。睡眠には個人差があるため、時間だけで良し悪しを決めないことも大切です。
年代によって必要な睡眠の目安は変わります。まずは一般的に示される「年代別の目安」を確認しておきましょう。
| 年代 | 睡眠の目安 |
|---|---|
| 小学生(6〜12歳) | 9〜12時間 |
| 中学・高校生(13〜18歳) | 8〜10時間 |
| 成人 | 6時間以上を目安(個人差あり) |
| シニア | 床上時間(寝床で過ごす時間)が8時間以上にならないことを目安に、必要な睡眠を確保 |
※出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」
若いほど睡眠時間が長く、年齢とともに概して睡眠時間が短くなり、睡眠と年齢の影響は大きいことが分かります。
中には睡眠時間が4時間でもパワフルに活動しているショートスリーパーの方や、8時間寝ても寝足りない人など、体質によりさまざまですが、このデータから見ても、中高年は7時間くらいの睡眠が望ましいようです。
中高年の睡眠は「時間」より「日中の調子」が重要
睡眠時間には体質差があります。短めでも元気な人もいれば、7時間以上眠ってもつらい人もいます。
睡眠が足りているかの目安は、次のような「日中の調子」です。
- 朝起きたとき、ある程度すっきりしている
- 日中に強い眠気が続かない
- 集中力や気分の安定が保てている
- うたた寝が増えていない
これらが保てているなら、睡眠時間が7時間未満でも、すぐに「不足」と決めつける必要はありません。
2. なぜ「8時間以上」は注意と言われるの?
研究で「長時間睡眠のほうがリスクが高い」と言われると不安になる方もいます。ここは誤解しやすいので、次の2点をセットで押さえてください。
①「長く寝ること」自体が原因とは限らない
長時間睡眠の背景に、体調不良、気分の落ち込み、痛み、服薬、活動量の低下などがある場合があります。つまり、睡眠時間そのものより、背景の要因が健康リスクに関係している可能性もあります。
②「寝ているのに回復しない」状態が隠れていることがある
長く寝ているように見えても、途中で何度も目が覚めて睡眠が分断されていることがあります。その場合、睡眠時間が伸びても熟睡できず、疲労感が残りやすくなります。
睡眠は「長さ」だけでなく「質」や「途切れにくさ」も重要です。
年齢による眠りの変化との向き合い方、快適な睡眠のために大切なこと、今日から試せる習慣、受診の目安までの詳しい記事はこちらから。
⇒ 快適な睡眠のための7箇条|60代からの眠りを整える基本
睡眠時間を増やすより、まずは「途中で目が覚める原因」や「生活リズムの乱れ」を探すほうが近道になることがあります。
睡眠に関する悩みは以下の記事も参考になります。
⇒ シニアの睡眠の質を高める寝室環境の整え方|照明・音・温度のポイント
⇒ シニア世代に多い睡眠の悩み、食べ物や食事法でできる工夫とは?
参照:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」
Centers for Disease Control and Prevention「How Much Sleep Do I Need?」
National Sleep Foundation「How Much Sleep Do We Really Need?」
NCBI(レビュー論文内の大規模追跡研究の紹介)

学生時代より情報誌や雑誌で旅ライターを始め、国内・海外の取材歴8年。結婚と出産で休業。その後、オーガニック化粧品・食品の会報誌の編集を経てWEBに転身。介護、不動産、健康などの記事の執筆と高齢者向けサイト運営を16年。その間、自身も親の介護を経験しながら現在に至る。
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