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高齢者の低栄養・栄養欠乏が深刻!不足しがちな栄養と改善ポイントを解説

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厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、高齢者の低栄養が深刻化しています。特に、たんぱく質やビタミンD、食物繊維が不足しやすく、フレイル(虚弱)や骨粗鬆症のリスクが高まると指摘されています。

中高年では食べ過ぎによる過剰栄養が注目されがちですが、高齢者の場合、むしろ必要な栄養が十分に摂取できていないケースが増えているのです。

今回は「日本人の食事摂取基準」から、高齢者向けのポイントをわかりやすく解説します。

日本人の食事摂取基準から見る高齢者の低栄養リスク

では、高齢者が陥りやすい低栄養の原因と、不足しがちな栄養素をどのように補えばよいのか、詳しく見ていきましょう。

たんぱく質の摂取目標量の引き上げ

高齢者の筋肉減少(サルコペニア)やフレイル(加齢による虚弱)を予防するため、50歳以上のたんぱく質摂取目標量の下限値が引き上げられました。

● 変更点
エネルギー摂取量に占めるたんぱく質の割合が 13% → 15% に増加
1日あたりの推奨摂取量
65歳以上の男性:60g/日 → 約75g/日
65歳以上の女性:50g/日 → 約65g/日

● たんぱく質が不足すると?
筋肉量が減少し、転倒や骨折のリスクが増加
免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなる
低栄養が進行し、フレイルの原因に

● たんぱく質を摂るポイント
肉・魚・卵・豆腐・納豆・乳製品 などをバランスよく摂取
毎食たんぱく質を含む食事を心がける(朝食でも摂取するのが理想的)
柔らかい調理法(煮る・蒸す) を活用して食べやすくする

ビタミンDの適切な摂取の推奨

骨粗鬆症の予防のため、高齢者はビタミンDを積極的に摂ることが推奨されています。

● 変更点
推奨摂取量:成人(高齢者含む)9.0μg/日

● ビタミンDが不足すると?
骨の形成がうまく進まず、骨粗鬆症のリスクが増加
転倒・骨折の可能性が高くなる

● ビタミンDを摂るポイント
サーモン・サバ・イワシ・うなぎ などの魚類を積極的に摂取
日光浴を適度に行う(1日15~30分程度)
きのこ類(しいたけ・まいたけ) もビタミンDの補給に役立つ

食物繊維の摂取目標が強調

高齢者の腸内環境の改善や、生活習慣病の予防のため、食物繊維の摂取を増やすことが重要とされています。

● 変更点
目標摂取量
男性(65歳以上):21g/日以上
女性(65歳以上):18g/日以上

● 食物繊維が不足すると?
便秘になりやすく、腸内環境が悪化し、生活習慣病(糖尿病・高血圧・動脈硬化)のリスクが上がります。

高齢者の便秘についての詳しい記事は、こちらをご覧ください。
高齢者の便秘は他の病気の引き金に!? 排便コントロールのポイントを看護師が解説

● 食物繊維を摂るポイント
野菜・果物・海藻・きのこ類 を積極的に食べる
白米よりも雑穀米・玄米を選ぶ
野菜を食事の最初に食べることで、血糖値の急上昇を防ぐ

エネルギー摂取不足に注意

高齢者は食事量の減少により、必要なエネルギーが不足しやすくなります。

● 変更点
目標摂取エネルギー
65歳以上の男性:2,000~2,400kcal/日
65歳以上の女性:1,600~2,000kcal/日

● エネルギー不足が続くと?
低栄養状態になり、筋肉量が減少
活動量が低下し、フレイルが進行
疲れやすくなり、免疫力が下がる

● エネルギーを摂るポイント
主食・主菜・副菜のバランスを意識する
食事回数を増やして(1日4~5回に分けて食べる)エネルギーを補給
オリーブオイル・ナッツなどの高カロリー食品を活用

低栄養による健康リスク

高齢者は栄養不足によって、フレイルやサルコペニアのリスクが高まるため、栄養バランスの良い食事を心がけることが推奨されています。

● 低栄養が進行すると?
筋肉量・筋力の低下(寝たきり・要介護のリスク増大)
免疫力の低下(感染症リスク増大)
認知機能の低下(認知症の進行リスク)

● 低栄養を防ぐポイント
毎食たんぱく質・ビタミン・ミネラルを意識的に摂取
食欲が落ちても、少量でも栄養価の高い食品を選ぶ
適度な運動と組み合わせて、筋肉量を維持する

まとめ

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、高齢者の健康維持において、たんぱく質・ビタミンD・食物繊維の摂取が重要であることが示されています。

特に たんぱく質の摂取目標量が引き上げられたこと は、フレイルやサルコペニアの予防の観点からも非常に重要です。

高齢者の健康を守るために、バランスの取れた食事と適度な運動を心がけましょう。

📌 参考資料:日本人の食事摂取基準(2020年版)報告書(PDF)

 
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(グッドライフシニア編集部)


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