学生と高齢者の下宿スタイルの世代間交流
昭和のころは、地方から上京した学生が、大家さんの家の一部屋を借りる「下宿」というスタイルが割と普通のことでした。今でいう「学生会館」や「学生寮」に近いスタイル。食事つきの下宿もあり、トイレやお風呂も共同で使うのが普通のことでした。
親代わりのような大家さんと交流することで、田舎の親も安心、学生さんもいざとなって頼れる存在がいるのは心強かったと思います。
現在は、アパートやマンションを借りてここで生活をするようになり、プライバシーは保てますが、近所の付き合いも希薄になり、都会での一人暮らしに、ふと寂しさを感じる若者も少なくないと思います。
大学によっては、1人暮らしをする学生を一般家庭に下宿させるケースも出始めているようで、将来は高齢者を見守る新たな居住の形になるのではと期待されているそうです。
愛知県春日井市にある中部大生命健康科学部では、隣接する高蔵寺ニュータウンに学生を派遣し、高齢者らと交流させる取り組みを始めました。学生が高齢者宅に数日間泊まり込んだり、高齢者をキャンパスに招いて交流会を開催。
中部大では学生を地域に受け入れてもらえるように、普段から「世代間交流会」を実施。認知症予防策や健康作りなどをテーマにした講座も開いています。
福井大の住環境計画研究室では、学生が高齢者宅で暮らす「たすかりす」と名付けたプロジェクトを昨年から本格的に始めました。足す、借りる、住むを合わせた言葉で、学生と高齢者それぞれにメリットがある住まい方を目指します。
また、NPO法人むすび(東京)は、東京都練馬区の光が丘団地で活動している。高齢者宅に大学院生が試験的に宿泊する体験事業も昨年実施したようです。
フランスでは一足先にこういった取り組みが実践されています。日本でも今後増えていくと、住宅に困っている若者が、部屋の余っている高齢者を見守りながら生活し、また高齢者から色々な知識を大学生はもらうこともでき、双方にとってメリットも大きいですよね。
大学生と地域の高齢者が生活を共にしながら交流を持つことは、とっても素敵なことだと思います。
(グッドライフシニア編集部)