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改正道路交通法が施行され認知症適性検査の対象4~5万人

増加する高齢者ドライバーの事故

認知症ドライバーテレビのニュースなども見かけますが、高齢者ドライバーによる事故が増えています。警察庁のデータによると、交通事故の死者数は年々減り、2012年に4,400人程度となっているにも関わらず、高齢者が占める事故の割合は増加。

これらを受けて、2017年3月12日に道路交通法が改正され高齢者の認知機能検査の要件が強化されました。
法改正により、認知機能検査で「認知症のおそれあり」と判断された75歳以上の運転者には、臨時適性検査(専門医の診断)、または主治医の診断書の提出が義務付けられるようになりました。警視庁の試算では、その対象者が全国で4~5万人に増える見方しです。

改正前は、3年に1度の免許更新時のみに認知機能検査を受けることになっていましたが、改正後、信号無視や一時停止無視などの違反行為をすると、更新時以外にも認知機能検査を受けることになります。

認知症に関する診断・治療体制については、それぞれの都道府県において特性があり、それらの高齢者の認知症を診断するにあたっては、かかりつけ医の協力が欠かせません。

かかりつけ医は、運転免許証を失った高齢者が引きこもったり、社会活動から遠ざかることのないよう支援することも重要な役割であり、高齢者と、その家族を中心に、地域の人とともに支えていく事が求められます。

運転免許の返納についても、本人が自ら納得し運転を止めるために、早い段階から、本人だけでなく家族や周囲の関係者を含めて協議していくことが大切です。その場面において、信頼関係が構築されている、かかりつけ医からの説明は大きな役割を果たします。認知症の早い段階であれば、本人の理解を得やすいケースも多いと考えられます。

法改正に伴い、日本医師会が医師向けのガイドラインを発表し、かかりつけ医における認知症検査の手引と、検査だけでなくその後のアフターフォローをどのように行っていくかの目安を公表しています。

地域によっては、交通の便が悪く、運転をしないと生活が成り立たないような高齢者もいることでしょう。かといって認知症のドライバーを放置していては事故が増えるばかり。交通支援策として、住宅街を走るコミュニティバスを増やす、タクシーやバスの回数券の配布など、自家用車の代わりとなる交通代替手段も必要。
そして、かかりつけ医、家族、地域の連携により認知症の高齢者をサポートしていくことが大切です。

(グッドライフシニア編集部)


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