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高齢者を狙う詐欺!だまされないために知っておきたい手口と対処法とは?

詐欺

「私は大丈夫」と思っている方、詐欺師はあらゆる手口を使って人を騙そうと近づいてきます。特にひとり暮らしの高齢の方は、ターゲットにされやすいのでご注意ください。

騙されないためには、詐欺の手口を知り、いざとなった時に冷静に対応できるようにしておくことが大切です。

今回は詐欺の手口や撃退法について、事例を織り交ぜながら解説していきます。

~目次~
≫特殊詐欺の手口と対処法
・オレオレ詐欺・架空請求詐欺・還付金詐欺・金融商品等取引名目・コロナ関連の詐欺
≫悪質な訪問販売詐欺の手口と対処法
・貴金属の買い取り・点検商法・リフォーム工事
≫まとめ

 

特殊詐欺の手口と対処法

特殊詐欺とは、面識のない者に対して電話やハガキ、メールなどを使って、口座への振込みに誘導したり、その他の方法で現金をだまし取る詐欺のことです。

警視庁によると、特殊詐欺が全国的に多発しており、平成30年の認知件数は16,493件、被害額は約356.8億円にも上っています。

年々、その手口も巧妙となり依然として詐欺の被害は深刻。まずは、高齢者がターゲットにされやすい4つの特殊詐欺についてご紹介しましょう。
 

オレオレ詐欺

「オレだけど」と、息子などを装い「トラブルでお金が必要になった」と、犯人の口座に振り込ませる詐欺。

騙される人が多く特殊詐欺が広く知られるようになった最初の手口といえます。
 

 
事例1)150万円の被害にあった70代女性のケース

オレオレ詐欺息子と名乗る若い男から電話があり、「事故を起こして人を大怪我させて示談金を払わなければいけない。先輩が家までお金を取りに行くので現金を用意して。病院にいるから電話にはしばらく出れない」といった内容。

念のため息子に折り返すと不在(仕事中で電話に出れないことを犯人は知っていた可能性大)。パニックの中、銀行でお金を下ろし、先輩と名乗る詐欺師に現金を渡してしまう。

  
振り込みではなく犯人が自宅までお金を取りに来るという大胆な手口。息子と声が似ていたので疑いを持たなかったそうです。

オレオレ詐欺は、犯人があらかじめ住所などの個人情報が記載されている卒業生名簿などを入手して電話をかけています。

「息子の名前」「息子が卒業した学校名」「同級生の名前」などは、知っているものとして用心する必要があります。「携帯を変えて番号が変わった」といっても、元の番号に電話をかけて確認してください。

家族と普段から特殊詐欺の対策について話し、「合い言葉」を決めておくのも手です。
 

架空請求詐欺

被害者が実際には利用していない商品やサービスの代金を、メールや文書などで請求する詐欺のこと。

心当たりのない請求には応じないこと。メールなどに記載された連絡先には絶対に連絡しないことです。不安に思った時は、各種相談窓口にご相談しましょう。

宅配便を利用して送金を求められたら「詐欺」を疑ってください。
 

還付金詐欺

税務署や市町村役場、電力会社などの公的機関職員を名乗り「還付金を受け取れます」と電話やハガキなどで被害者に接触し、ATMを操作させ犯人の口座へ振込みをさせます。 

公的機関職員が「携帯電話を持ってATMへ行け」というのは詐欺。「還付金」をATMで返還することは絶対にありません。

相手の電話番号を鵜呑みにせず、電話帳や番号案内サービス(104)などで調べる習慣をつけましょう。
 

金融商品等取引名目

「絶対に儲かる」「限られた人しか買えない」と、未公開株や債権、外国通貨など嘘の投資話を持ちかけお金を騙し取る手口。

うまい儲け話には安易に乗らないようにしましょう。
 

便乗詐欺

新型コロナウイルス感染症に便乗した詐欺の被害もあります。

・下水管に新型コロナウイルスが付いているので洗浄します
・息子になりすまして「コロナにかかったかもしれない、病院に行くからお金がいる」
・コロナで補助金がでるので、キャッシュカードと印鑑証明1通を用意しておいてください。

不審な電話があったときは慌てずいったん電話を切り、家族や親しい人に相談するか警察に通報しましょう。

また、災害などに便乗した悪質商法にもご注意ください。

台風で壊れた屋根の修理見積もりを依頼したら、高額な作業料金を提示されたケースもあります。
このような事例に国民生活センターでは、対処法として下記のようなアドバイスをしています。

・修理工事の契約は慎重に。
・その場で契約は決めずに、可能であれば複数から見積もりを取り比較検討する。
・契約後でも、クーリング・オフが利用できる場合も。

 

訪問販売詐欺の手口と対処法

各家庭を訪問して商品やサービスを売る「訪問販売」自体は違法ではありません。しかし、なかには強引な押し売りや詐欺まがいの手口が横行し、被害やトラブルが頻発しています。
 

貴金属の買い取り

「不用品を無料で引き取ります」と電話勧誘や訪問があり、いざとなったら貴金属を強引に買い取ろうとする手口。

 
事例2)不用品の買い取り
10年ほど前、筆者宅に「不用品の買取キャンペーンのお知らせです」と言葉巧みな女性から電話があり、テレビを含む不用品の引き取りをお願いすることに。

約束の日に中年男性が来て、玄関先に並べた品には目もくれず「いらない指輪やネックレスないですか?」と始まり、「ない」と何度いっても「なんかあるでしょ、壊れていてもいいから見せてくださいよ」と20分ほど粘られた。

 

かなりしつこいので、貴金属を見せて安く買い取られてしまう可能性が大いにあります。「見るだけ」と言われても絶対に見せないこと。

不用品は市町村の粗大ゴミ、売れそうな品は信頼できるリサイクルショップに見積もりをお願いしましょう。
 

点検商法

「無料で点検します」と、屋根や外壁、ガス、水道、床下、排水管、布団などの点検を装って、点検後に「このまま放置すると危険」などと不安をあおり、工事契約や商品の購入などを迫ります。

公的機関の職員を名乗る場合は、「身分証」の提示を求め、不審な場合は問い合わせをしましょう。

いくら無料と言われても、その後のセールスが目的なことを念頭に置き、安易に点検を頼まないことが賢明です。
 

リフォーム工事

点検商法と似ていますが、「リフォームが必要」と迫り不要であるにもかかわらず高額な工事の契約をさせます。
 

 
事例3)修理業者を装う
 
実はこれには筆者も危うく騙されそうになりました。
とある梅雨の昼下がり、「近所で工事をしている者ですが、お宅の屋根がめくれている」という若い男性の訪問。

慌てて外に出て屋根を見上げても、3階の屋根に異常は見えず。
すると「風が吹いた時にめくれて見えた。親方に断ってから脚立をもってきて、屋根に上がって写真を撮ってきましょうか」とやたらと親切。

しかし、わが家は道路の反対側にテラスがあり、そこから3階の屋根を見ることができるので確認したところ、剥がれている部分はありませんでした。

  
知り合いの工事屋さんに頼むとお断りして、インターネットで調べると、まったく同じ手口の詐欺がいくつも報告されていました。

2階、3階の屋根に登って自分で確認できる人なんて、そうはいませんよね。そこを狙ってくるわけです。

対処としては、家に入れない、屋根を見てもらわない。最悪の場合、屋根を壊して写真に撮るケースもあるそう。心配な時には地元の業者に見てもらうことをおすすめします。
 

まとめ

高齢者が被害に遭いやすい特殊詐欺と悪質な訪問販売について事例を挙げてご紹介しました。まだまだ書ききれないほどの詐欺の事例があり、まさに手を変え品を変え。

怪しいと思ったら相手が強引であってもきっぱり断ることが重要です。もしも契約を結んでしまった場合は、最寄りの消費生活センターに相談してください。

契約の申し込みや契約をしてしまった場合でも、「クーリングオフ」制度で一定の期間内(訪問販売・訪問購入・電話勧誘販売は8日間)であれば契約の申し込みを撤回したり、契約解除したりできる制度です。※

一人暮らしの親御さんがいる方は、詐欺にはさまざまなパターンがあることを伝え注意を促してあげてください。

詐欺の被害から身を守るには、一人で行動して被害に遭ってしまう前に、家族間で相談しやすい関係を築いておくことが大切です。普段から電話をしたり会話をして、コミュニケーションを取るようにしましょう。

筆者:松尾まみ
学生時代より情報誌や雑誌で旅ライターを始め、国内・海外の取材歴8年。結婚と出産で休業。その後、オーガニック化粧品・食品の会報誌の編集を経てWEBに転身。介護、不動産、健康などの記事の執筆と高齢者向けサイト運営を16年。その間、自身も親の介護を経験しながら現在に至る。

  

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