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あなたは大丈夫?カルシウム不足の症状や影響、おすすめの食べ物を管理栄養士が解説

カルシウム

あなたは牛乳や大豆製品など、カルシウム源になるものを毎日食べていますか?

もし毎日とれていない場合は要注意です。カルシウム不足ではさまざまな症状や影響が出る恐れがあるため、しっかり対策しましょう。

今回はカルシウムの基本から、カルシウムが豊富なおすすめの食べ物まで管理栄養士が解説します。
 

カルシウムの働きとは?

カルシウムの働きは、主に骨や歯を作る材料となることです。骨が作られる成長期はもちろん、大人になってからも骨量を維持するために欠かせません。

ほかにも、血液を凝固させて出血を防いだり、筋肉の興奮を抑えたりするなど、私たちの体に欠かせないミネラルです。

日本人は「牛乳コップ1杯分」のカルシウムが不足

1日あたりのカルシウムの推奨量(18歳~74歳)は男性750~800mg、女性650mgほどとなっています。

それに対し、日本人の平均的な摂取量(20歳以上)は男性503mg、女性494mgであり、156~297mgほど不足している計算です。

牛乳コップ1杯(200g)のカルシウムの量は220mgであり「あと牛乳コップ1杯分のカルシウムが不足している」といわれています。
 

カルシウム不足の症状や影響

骨粗しょう症

カルシウムは不足した状態が続くと、体にとって悪い影響を引き起こす可能性があります。どのような影響があるのか、見てみましょう。
 

骨量の低下

カルシウム不足の状態が続くと、骨粗しょう症の原因となります。骨粗しょう症とは、骨量が低下して骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。

カルシウム摂取量が不足すると、血液中のカルシウム濃度が下がります。そうすると、血液中の濃度を維持するために、骨からカルシウムが取り出されてしまうため、骨量がどんどん低下してしまうのです。

特に女性は閉経すると、ホルモンバランスが崩れて骨粗しょう症のリスクが高くなるため、注意が必要です。

 

血圧の上昇

カルシウム不足は血圧の上昇にも関わります。カルシウムは骨や血液以外に細胞内にも存在し、筋肉を収縮させる働きがあります。

カルシウム不足の状態が続くと、骨からカルシウムが取り出され、血液中のカルシウムの量が増えるため、細胞内のカルシウムも増えてしまうことがわかっています。

その結果、血管の筋肉の収縮が促されてしまい、血圧が高くなってしまうのです。

カルシウム摂取により血圧が低下したという報告も複数あるため、血圧が気になる方にはぜひ意識したいポイントです。
 

神経系の異常

血液中のカルシウム濃度が低下した低カルシウム血症の状態では、神経系の異常を起こす可能性があります。具体的には、手足のしびれ、筋肉のけいれん、食欲の低下、イライラ、情緒不安定などの症状が知られています。

ただし低カルシウム血症による症状は、単に食事からのカルシウム不足によって起こるのではなく、ほかの原因や病気が隠れていることが考えられます。通常、食事からカルシウムが不足しても、カルシウム濃度は一定に保たれるような作用があるためです。

このような症状がある場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。
 

カルシウム不足を解消するおすすめの食べ物

カルシウム不足の影響を避けるためにも、カルシウムを含む食べ物を意識して取り入れましょう。具体的に、どのような食べ物を取り入れるとよいのでしょうか?

カルシウム不足の解消におすすめの食べ物を紹介します。
 
図

カルシウムを含む食べ物

カルシウムは牛乳や小魚、大豆製品、色の濃い野菜に多く含まれています。強い骨を作るために必要なため、毎日意識して取り入れましょう。

カルシウムを含む食べ物は、牛乳、ヨーグルト、チーズ、煮干し、桜えび、さば缶(水煮・味噌煮など)、豆腐、納豆、小松菜、水菜などがあります。
 

カルシウムと一緒に摂りたいビタミンD

カルシウムを含む食べ物だけでなく、カルシウムの吸収を助ける働きがあるビタミンDを含む食べ物も意識して摂取しましょう

ビタミンDが不足することも、骨粗しょう症のリスクとなります。

ビタミンDは野菜や果物には含まれず、魚介類やきのこ類に多く含まれるため、下記の食べ物を取り入れてみましょう。

いわし、鮭、さんま、さば缶(水煮・味噌煮など)、きくらげ、まいたけ、干ししいたけなど
 
カルシウムは骨を強くする以外にも、私たちの健康を守るために欠かせない役割があります。

まずは毎日牛乳や乳製品をとる習慣をつけ、魚介類、大豆製品、色の濃い野菜などをバランスよく食べ、不足しないように対策しましょう。

 
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
厚生労働省「令和元年「国民健康・栄養調査」の結果」
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

 

広田千尋筆者:広田千尋
管理栄養士。保健センターや病院に勤務し、生活習慣病予防や低栄養予防など、中高年から高齢者の栄養サポートに従事する。現在はフリーランスとして独立し、食や栄養に関するコラム執筆や、身近にある材料でおいしく健康になれるレシピ作成などの活動を行っている。

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