サルコペニアとは?
サルコペニアとは、加齢や疾患により筋肉量が減少し、握力や下肢筋・体幹筋など、全身および身体機能が低下した状態のことです。
サルコペニアを発症すると、歩くスピードが遅くなる、杖や手すり必要になる、転倒しやすく怪我が増えるといったことが起こり、日常生活の基本的な動作に影響が生じます。
この症状は決して珍しいものではなく、65歳以上の高齢者の15%が該当すると考えられています。
主な原因には栄養不足、運動量の減少、生活習慣などが挙げられ、そこに肥満が加わると「サルコペニア肥満」と呼ばれます。
サルコペニア肥満は体型に表れにくく、筋肉量が落ちているため日常生活での運動がおっくうになり、気がついたときには生活習慣病を患っていた、というケースも珍しくありません。
筋肉量の低下は「寝たきり」などの介護リスクを高める面もあるため、筋肉量の少ない女性や高齢者は細心の注意が必要でしょう。
体型に表れにくく、気がついたときには生活習慣病の恐れもある「サルコペニア肥満」。ただ脂肪が増加するだけでなく、筋肉量の低下も同時に発症するため、日常生活への支障や寝たきりによる介護リスクが憂慮されています。
サルコペニアを予防するとっておきの方法はあるのでしょうか・・・?
■痩せているのに肥満!?加齢などで筋肉量が減るサルコペニア肥満
肥満は認知症のリスクが3割アップ
肥満(メタボリックシンドローム)は糖尿病や代謝障害、心血管疾患といった悪影響だけでなく、認知症などの脳機能障害を引き起こすこともわかってきています。
成人期後期(40~65歳頃)に体格指数(BMI)が高く「肥満」と判定された人は、「正常」値の人より、認知症のリスクが3割以上増加する例もあるようです。
厚生労働省の発表する「国民健康・栄養調査」によると男性、女性ともに高齢者の肥満率は高まってきており、日頃の運動不足や濃い味付けの食事が慢性化した現代日本では、かつての生活より肥満になりやすい環境が整っているとも言えるでしょう。
現在の日本では、認知症は介護や支援を必要とする理由の18%を占めており、認知症になるかならないかが、老後の暮らしを左右する鍵といっても過言ではありません。
サルコペニア肥満は栄養不足、筋肉量の低下しているにもかかわらず、脂肪だけが落ちずに体に残ることで生じる肥満です。
筋肉のもととなる良質なタンパク質の摂取も重要ですが、ウォーキングやストレッチなどの軽い有酸素運動も、予防には十分効果があります。
日々のちょっとした工夫を大切に、認知症や寝たきりに悩まされない快活な老後を目指しましょう。
高血圧や糖尿病などの生活習慣病を予防するだけでなく、筋力維持にも効果のあるウォーキングは、日光を浴びながら行うことで幸せホルモン「セロトニン」まで分泌できる、とっておきの運動法。
運動前後のストレッチだけでなく、理想的なフォームも参考にして、効率よく筋力アップを図りましょう。
年齢を重ねるにつれて気になる体力の低下。特に下半身の筋肉は加齢により衰えやすく、転倒などの小さな怪我から寝たきり生活にも繋がりかねません。実際にジムに通って筋肉づくりをしている60~70代の方の声をもとに、自分の体への投資について考えてみましょう。
参考:学校法人 順天堂 https://www.juntendo.ac.jp/news/20220415-01.html
(グッドライフシニア編集部 久本)
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