医療の発展により、食事や運動などの生活習慣や性格が認知症の発症に大きな影響を及ぼすことが分かってきました。
今回は「認知症になりやすい性格ってあるの?」といった疑問をテーマにご説明いたします。
性格の傾向である五因子とは?
生活習慣については、ご本人が気付いたときから認知症の予防や対策に向けて改善していくことができます。その一方で「怒りっぽい」「落ち込みやすい」「責任感が強い」といった性格的なことは変えづらいもの。
持って生まれた性格と認知症との関連も近年では研究対象になっています。
性格には五因子と呼ばれる五つの傾向があり、それらは「外向性」「調和性」「誠実性」「開放性」「神経症傾向」に分類されています。
これらの因子と健康との関連性についてはさまざまな研究が行われており、その性質は以下のとおりです。
・外向性
親しみやすい、人付合いが好き、支配的である、活動的、刺激を求める、陽気で楽観的・調和性
他人を信用する、実直、利他的、協力的、謙虚、優しい・誠実性
有能観を持つ、几帳面、人の期待や約束を裏切らない、目標達成のために努力する、仕事を完遂する、慎重で注意深い・開放性
空想好き、美を愛する、感情豊か、新奇なものを好む、知的好奇心が強い、異なる価値観を受容する・神経症傾向
不安になりやすい、敵意を抱きやすい、抑うつ的、自意識が強い、衝動的、傷つきやすい
上の性格の五因子のうち、あなたはどの性格に当てはまりそうですか?
認知症になるリスクの高い性格
複数の研究結果から、神経症傾向が強い人はそうでない人と比較すると認知症のリスクが高くなると言われています。
逆に認知症になりにくいとされるのは誠実性、開放性が高い人です。
神経症傾向の特徴のひとつである抑うつはストレスを受けやすく、認知症の発症率が高くなるのではないかと推察されています。
また、神経症傾向の特徴に挙げられる傷つきやすさや自意識の強さは、人との交流を回避しがちになり、結果的に人間関係が希薄になり社会的に孤立しやすくなります。
具体的には、認知機能の低下により認知症を発症していたとしても、人間関係の希薄さから周囲に気が付いてもらえず、そのまま困った状態に置かれやすい、認知症のサインを見逃してしまうといったケースが考えられます。
認知症になりにくい性格
次に認知症になりにくいとされている性格についてです。一般的に認知症リスクが低いと考えられているのは誠実性、開放性が高い人です。
中でも認知症の発症リスクとの関係が深いのが「責任感」で、「自制心」や「勤勉さ」も認知症の予防と関連していることが分かってきました。
なぜ、責任感・自制心・勤勉さの三要素が、認知症のリスク回避につながるのでしょうか。
例えば「誠実性」の特質を持った人では日常において以下の行動が考えられます。
・熱心に続ける性格のため、運動や食事など生活習慣の改善も続けやすい
・周囲との良好な人間関係を築きやすく、何かあったときに助けてもらえる
・仕事や趣味など、新しいことにチャレンジする意欲、好奇心が強い
認知症の予防・対策は、行動と継続によってはじめて効果が期待できます。
そのため「誠実性」の強い人は有効な手段を実際に行い、それを長続きさせることができるため、結果的に認知症になりにくい性格として奨励されることになるのです。
認知症になりやすい性格だとしても
もし、ご自分や家族が認知症になりやすい性格だったとき、どうすればいいのでしょうか。
生活習慣病と違い性格は変えるのが難しく、「改善」という考え方にも違和感があります。「では、打つ手はないのか?」と聞かれるとそんなことはありません。
なぜなら人の性格は複数の要素でできているものなので、認知症になりやすい「神経症傾向」と、なりにくい「誠実性」「開放性」を共存させることができるからです。
ストレスを受けてもうまく発散する方法を知っていれば、元々の性格が受ける影響を減らすことが出来ます。
例えば近所付き合いやサークル活動など、社会や他者とのかかわりのなかで受ける刺激は、神経症傾向の抱える不安感を和らげる効果があると分かってきました。
また人づき合いが苦手ならば、週数回、1日30分ほど早歩きをするといった軽めの運動や、集中力を使う知的活動(例:クロスワード)も脳を刺激する点で、認知症を予防する対策として有効です。
ご自分の性格・性質を振り返り「持って生まれたものだから・・・」と諦めてしまわず、楽しいと思うことに注目して、そこからどのように社会や人とかかわり、刺激を受けていられるかを考えるといいかもしれません。
自分の性格について考えるとき、家族や仲の良い友人に相談してみるのも、よい刺激になるのではないでしょうか。
認知症の原因や予防についての詳しい記事は、「知っておこう!認知症の原因・予防について」をご覧ください。
また、認知症の兆候については、見逃さないことが大切!認知症の兆候の記事をご覧ください。
(グッドライフシニア編集部)
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