雨の日はなんとなく体がだる重い。天気が悪くて、気分が上がらないせいだと思っているかもしれませんが、ひょっとすると、その体調不調は「気象病」のせいかもしれません。
気圧は高くなると晴れとなり、洗濯物も乾きやすい気持ちの良い日が続くのですが、下がり始めると曇りや雨となり、耳の中の内耳が気圧の変化を感知することで自律神経が乱れ、頭痛や肩こりが発生します。
毎日変化する天気(気圧)と、実は関連がある体の健康状態。筆者自身も長年、気象病に悩まされてる経験から、この気圧のメカニズムについて説明し、対策法もご紹介します。
1.低気圧とは?
大気の重さによって生じる力や圧力のことを「気圧」といい、大気の中で気圧が周囲よりも高い領域のことを「高気圧」、周囲より気圧の低い領域のことを「低気圧」といいます。
低気圧が発生すると、周りから空気が流れ込み、その空気が上空に上り冷やされることで雨雲が発達し、最終的には雨が降り始めます。夏から秋にかけて日本に上陸する台風も、典型的な低気圧です。
また低気圧には、心臓の脈の速さや血圧、血管の収縮をコントロールしている自律神経を刺激する性質があり、このバランスが崩れることで、頭痛や肩こり、手足のむくみなどを引き起こしてしまいます。
雨の日に体調不良が起きやすいのはこのためであり、このような気圧の低下による体の不調を「気象病」と呼びます。
2.低気圧による体調不良の特徴は?
頭痛・肩こり
気圧が低下すると、自律神経が乱れ、血行不良が起こります。その結果、首や肩、全身の筋肉がだる重くなり(倦怠感)コリが発生します。日ごろからコリを抱えている方は悪化を感じるでしょう。
また、低気圧では空気中の酸素の量も少なくなっているため、体内の血圧、血管の縮小・拡張に影響をもたらし、脈に合わせたようなズキズキとした頭痛も発症します。
筆者も低気圧のときには、首の付け根に激しい違和感(詰まり)があり、頭で脈が測れるんじゃないかと思うくらいの頭痛に悩まされています。
睡眠不良
低気圧では、空気中の酸素濃度が減少し、呼吸(酸素の吸収)に負荷がかかることがあります。その結果、眠りの質が低下してぐっすり眠れなくなります。
また、先の頭痛・肩こりでも触れましたが、低気圧では体に倦怠感が引き起こされ、エネルギーの消費を節約するために、逆に眠気を引き起こす例も珍しくありません。
筆者の場合は、一日中眠気と戦いながら、鼻づまりの実感もあるといった状態です。
むくみ
気圧が低下すると、血液や体液の循環が妨げられたり、血液中の水分が血管の外に押し出されたりするため、手足や顔のむくみが顕著になります。「今朝は化粧のりが悪いな」と思ったら気圧が原因かもしれません。
そのほかにも微熱、めまい、耳鳴り、吐き気など、低気圧はさまざまな体調不良の原因となっています。
気象病の症状を和らげる対処法
頭痛や肩こりの発生からもわかるように、低気圧時の体調不良は、主に以下の原因が考えられます。
- 自律神経の乱れ
- 酸素濃度の低下
- 血行不良
- 湿度や温度の変化
気圧の変化は自然現象のため事前の予防が難しい気がします。しかし、体調不良の原因が上記にあることから、その症状を軽減するような対処法をとることはできます。
耳回しマッサージ
気圧の変化を感知する内耳の血流をよくする耳回しマッサージ。耳周りの血流を促進すると、内耳のリンパ液も同時に刺激され、めまいや頭痛の緩和になります。
また、耳の周りには低気圧の不調に効くツボがたくさん。こめかみをグルグルとマッサージするのもおすすめです。
1.耳を軽くつまみ、上・下・横に5秒ずつ引っ張る
2.そのまま軽く引っ張りながら、後ろに向かってゆっくり5回まわす
3.同様に、前に向かってゆっくり5回まわす
※回数、時間は目安。いつ、何回行ってもOK
足上げストレッチ
朝起きて、夜寝る前にできるこのストレッチ。
仰向けになって脚を垂直に上げたら、足の指をグーパーグーパー。第二の心臓とも呼ばれる足の血流を良くすることで、むくみが楽になる効果があります。
100回グーパーするのが理想ですが、お好みの回数でトライしてください。
ぬるめのお湯にゆっくり入浴
低気圧で乱れた自律神経を整えるのには入浴もおすすめ!
40度以下の少しぬるめのお湯に10~15分程度、全身浸かってみましょう。全身浴なら浮力によるリラックス効果も感じられます。
40度でも熱い場合は、お湯を38度くらいにして炭酸系の入浴剤を入れてみてください。ぬるめのお湯でも血管を広げて血流を促進してくれます。
気圧予報アプリ「頭痛ーる」を活用しよう
筆者も使っている、気圧予報アプリ「頭痛ーる」!
低気圧による体調不良が起こりそうな時間帯が予想でき、痛み・服薬の記録もできる気象対策アプリです。気象予報士が開発したため信頼度も抜群。
頭痛や気象病、気圧に関するコラムも充実しているため、低気圧に対する対策術もどんどん巧みになっていきますよ。
「何だか体調が悪いな~」というときに確認して気圧が下がっていれば、体調不良の原因もわかり安心です。
まとめ
低気圧による体調不良は、頭痛・肩こり、睡眠不良、むくみなどの症状を引き起こしますが、十分な休息と睡眠を確保し、ストレッチやリラックス法を取り入れて筋肉の緊張を緩めましょう。
気圧は天候の一要素であり、私たちに多くの恩恵をもたらしてくれるのもまた確かです。その影響で起こる体調不良に対しては、長期的な取り組みが必要です。
今回ご紹介したマッサージやストレッチ、ときには鎮痛剤も使ってなるべく快適な状態を保てるようにケアしていきましょう。
都内の大学を卒業。現在は、フリーライターとしてグルメや街情報の取材記事などを書いています。グッドライフシニアでは街紹介や特選物件記事を担当しています。両親も祖父母も元気ですが介護や福祉などについて勉強中。
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