季節の変わり目、「風邪でも花粉症でもないのに鼻水が止まらない…」そんな方はいらっしゃいませんか?
その症状、この時期に多い寒暖差アレルギーかもしれません。
このページでは、この時期に症状が出やすい寒暖差アレルギーについて、また、市販の点鼻薬を使うときは要注意、アレルギーの対処法について薬剤師が説明します。
1.季節の変わり目のこの時期に多い「寒暖差アレルギー」とは?
寒暖差アレルギーは急激な気温変化が刺激となり、鼻の粘膜が腫れることでくしゃみや鼻水、鼻づまりなど、アレルギーのような鼻炎症状が出ることをいいます。
寒暖差アレルギーと呼ばれていますが、何かアレルギーの原因物質があるわけではありません。
医学的には「血管運動性鼻炎」と呼ばれています。
寒暖差アレルギーが起こる原因
寒暖差アレルギーの原因ははっきりとはわかっていないのですが、自律神経が関係すると考えられています。
季節の変わり目の寒暖差で自律神経のバランスが崩れると、鼻の粘膜の働きがうまくコントロールできなくなるため症状が出るのです。
2.知っておきたい寒暖差アレルギーの対処法とは
この時期つらい寒暖差アレルギー。症状を抑えるためにはどのようなことに気を付ければよいのでしょうか?ポイントを4つご紹介します。
1.鼻を温める
寒暖差アレルギーには鼻を温めることが非常に有効です。今年は新型コロナウイルスの対策で外出時マスクをされる方が多いと思いますが、このマスクも寒暖差アレルギー対策になります。
家で症状がつらいときは、蒸しタオルなどで鼻の付け根を温めると鼻の血行が良くなり、症状が緩和できるでしょう。ぜひ試してみて下さい。
2.入浴で体を温める
寒暖差アレルギーの鼻炎症状には入浴も有効です。入浴により鼻が温められ、血行がよくなり症状の改善が期待できます。
なお、入浴をすることで自律神経も整えられるため、その点でも非常におすすめです。入浴後は寒くならないように気をつけてくださいね。
3.外出時はマスク・マフラーなどの防寒グッズを
寒暖差アレルギーは気温差を体が敏感に感じることによって引き起こされます。
外出時は、マフラーや羽織れる衣服など防寒をしっかりするとともに、鼻を温めるためのマスクも必ず着用するようにしましょう。
4.正しい生活習慣で自律神経を整える
先述のとおり、寒暖差アレルギーは自律神経が乱れることにより引き起こされると考えられています。
早寝早起きで生活リズムを整える、運動する習慣を作るなど、自律神経を整える生活習慣を取り入れてみましょう。
3.セルフケアを頑張ったけど、症状がよくならない…薬はないの?
中にはセルフケアを頑張っても症状が改善しない方もいるかもしれません。病院では、抗ヒスタミン薬(抗アレルギー作用)やステロイド(抗炎症作用)の点鼻薬などの薬を処方してくれることが多いです。症状がひどい方は受診してみましょう。
市販の点鼻薬を使うときは要注意
手っ取り早く市販薬を試したい方もいるでしょう。市販薬は点鼻薬など便利なものもあるのですが、使用には注意が必要です。
点鼻薬には血管を収縮させることで、素早く鼻の粘膜の腫れを抑えてくれるものがあります。
この薬は「慣れ」が生じるタイプの成分で、効き目が悪くなり使いすぎてしまうと余計に症状がひどくなってしまうことがあります。
本当にひどいときだけ使うようにすればいいのですが、間違った使い方をしてしまうと、かえって症状がひどくなってしまったり、薬をやめられなくなったりすることがあるため注意が必要なのです。
市販の点鼻薬を買うときは、薬剤師などの専門家に相談するようにしていただきたいと思います。
また、鼻の症状がつらく、長く続く場合には、近くの耳鼻咽喉科のクリニックを受診しましょう。
4.まとめ
この時期に多い寒暖差アレルギーについてご説明しました。寒暖差アレルギーを予防・改善するにはセルフケアがまずは大切です。日々の生活で意識していただけたらと思います。
それでも症状がひどい方は病院を受診してみましょう。市販薬を試したい方は、薬剤師などの専門家に相談して薬を選ぶようにしてみてくださいね。
東北大学薬学部卒業。薬剤師として大学病院前や医療モール内、地域密着型など様々な薬局に従事し、現場経験は10年。出産を経て、現在は薬や医療関連を中心に記事を執筆するライターとして活動している。
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