子供の頃は朝までぐっすり眠れたのに、年を重ねると「朝早く目が覚める」「熟睡できない」など、睡眠の悩みはつきものです。
健康な人でも「夜中や早朝に目を覚ましてしまう」といったケースは多いので、あまり気にしない人もいるかもしれません。
しかし、中高年の睡眠不足はさまざまな病気を引き起こす原因にもなりうるのでぜひ改善したいところです。
こちらのページでは睡眠の質を高めるための工夫について紹介します。より健やかな生活のために、毎日の睡眠を少しでも改善してみませんか?
睡眠の質が大切な理由
年齢を重ねると老眼になるのと同じように睡眠の質にも変化があらわれます。
・寝付きが悪い
・眠りが浅い
・夜中に何度も目が覚める
・早朝に目覚めてしまう
・睡眠時間が短い
いずれもよく聞くシニア世代の睡眠のお悩みですが「もう年だから」と放置するのはおすすめできません。なぜならば、睡眠不足は心身に次のようなさまざまなダメージを与えるからです。
睡眠不足は生活習慣病リスクを高める
睡眠不足はホルモンバランスを崩し、食欲増進ホルモンのグレシンの過剰分泌や糖をエネルギーに変えるインスリン不足を引き起こします。
その結果、肥満が進み、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が悪化する例は少なくありません。その他、免疫力の低下を招き、より感染症にかかりやすくなります。
心の健康にも影響する睡眠不足
睡眠を十分にとらずに毎日を過ごしているとストレスホルモンの別名で知られるコルチゾールが体内に蓄積されていきます。
その結果、自律神経失調症、うつ病になりやすくなるといわれていますが、特に高齢者の場合は、認知症のリスクも高まるのでさらに注意が必要です。
睡眠不足は認知症のせん妄を悪化させる
認知症はより睡眠問題が起きやすく、重度の方では1時間以上連続して眠れなくなる場合もあるそうです。
その結果、せん妄と呼ばれるもうろう状態や徘徊などを引き起こしてしまうこともあります。かといって睡眠薬の使い過ぎは強い眠気による誤嚥、転倒などの原因になるので避けたいところです。
睡眠の質を高めるにはまず室内環境を整える
睡眠の質を高めるには、まず室内環境を整えてみましょう。照明、音の2つのポイントに注意してください。
【照明】快眠には赤みのある光
電球色などの赤みのある光は、眠気を誘引するメラトニンの分泌を促します。反対に昼光色などの白い光はメラトニンの分泌を抑制してしまうので、寝室の照明は電球色がおすすめです。
明るさは10〜30ルクス、ナツメ形の電球ひとつ程度を目安にしてください。
【音】音環境は40デジヘル以下
部屋の明かりを落とし、音までなくしてしまうとかえって感覚が研ぎ澄まされて寝付きにくくなってしまいます。よく眠れる音環境は40デジヘル以下といわれますが、これは図書館程度の静かさです。
木の葉の触れ合う音、水の流れる音なども40デジヘル程度なので、自然音によるリラクゼーションCDなどを取り入れてみてもよいでしょう。
寝床環境を整えて睡眠の質をアップ
室内環境がいくら整っても寝床環境に問題があるようでは睡眠の質は向上しません。寝床環境を整えるには、まず温度・湿度に注意しましょう。
睡眠中の寝床環境は温度33℃、湿度50%程度が最適とされています。そのためにはまず室温は13〜29℃に保つようにしましょう。個人差もあるので「心地よい」と感じられるようにエアコンで温度、湿度をコントロールするようにしてください。
人間の体は入眠時に一時的に体温が下がることで眠気が促されるようにできています。寝床環境が寒すぎても暑すぎても、体温は上手くさがらず寝付きは悪くなるばかりです。また、適温でも湿度が高すぎると深い睡眠が得にくいので、必ず寝床環境は温度、湿度ともに留意するようにしてください。
睡眠の質は改善できる!
睡眠不足は生活習慣病、うつ病、認知症など、シニアによく見られる病気をより悪化させる原因となります。かといって安易に睡眠薬に頼るのは強い眠気から転倒などのリスクも高めますし、できるだけ避けたいものです。
まずは寝室の室内環境の光、音などを整え、さらに寝床環境の温度や湿度に気を配るだけでも、睡眠の質を向上させることは不可能ではありません。
そうとはいっても「8時間眠らなければ!」などと早々にベッドに入って身構えても、かえって寝付きを悪くすることにもなりかねません。「眠くなったらベッドに行く」くらいのリラックスした気持ちでいることも大事です。まずは、できることから少しずつ取り組んでみてはいかはでしょうか。

睡眠に関するいくつかの研究結果を元に、なぜ睡眠が大切なのか、年代別の推奨される睡眠時間、快適な睡眠へと導く方法などを中高年にスポットを当ててご紹介いたします。
もっとも長生きする睡眠時間は?“質の良い眠り”のための7箇条とは
(グッドライフシニア編集部 川端まり)
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