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シニアの住み替えはどっちが正解?都心 vs 郊外のメリット・デメリット比較

都心 vs 郊外のメリット・デメリット

人生100年時代において、セカンドライフの質を左右する住み替え。利便性を追求するなら都心、豊かな自然を求めるなら郊外。とはいえ、どちらが本当に自分に合っているのか、迷う方も多いのではないでしょうか。

本記事では最新の調査データを交え、シニア世代の住み替えにおける「都心 vs 郊外」のメリット・デメリットを徹底比較。後悔しない住まい選びに役立つ情報をお届けします。
 

 

65歳以降での住み替えを検討するシニア世代が8割

2024年5月、ベンチャーサポート不動産株式会社が発表した「シニアの住み替えに関する調査」によると、
都内および政令指定都市に住む60歳以上の男女で、住み替えを検討している人のうち、65歳以降に住み替えたいと考えている人は約8割にのぼることが明らかになりました。

特に、住み替えを考える理由としては、

家が老朽化している(16.0%)
住宅設備が古く、バリアフリー化されていない(15.5%)
家や庭の維持管理が大変(10.7%)
交通の便や周辺環境が悪い(8.8%)

などが挙げられ、高齢期に適した住まいへのニーズが高まっていることがわかります。

さらに、内閣府が発表した令和6年版「高齢社会白書」でも、約3割の高齢者が将来的な住み替えを希望しているとのデータがあり、住み替えに対する意識の高まりは国全体の傾向とも一致しています。

こうしたデータからも、多くのシニアが定年後の暮らしを見直し、安心・快適な住環境への移行を真剣に検討している様子がうかがえます。
 

都心 vs 郊外のメリット・デメリット(マンション/戸建て共通)

都心と郊外、それぞれの暮らしには異なる魅力と注意点があります。住宅形態ごとの差も分かるように整理しました。

項目 都心 郊外
利便性 ◎ 徒歩圏で買い物・医療・行政手続きが完結しやすい △ 車があると便利な場面が多い/生活施設は点在しがち
交通・通院 ◎ 駅・バスの本数が多く病院アクセスも良好 △ 距離と本数に左右されやすい/通院時間が延びる場合あり
自然・静かさ △ 緑は少なめ・人や車の往来が多い ◎ 公園や自然が身近/住宅の間隔も広めで静か
管理の手間

(住宅形態で差あり)
マンション:◎ 管理会社対応で日常の手間が少ない
戸建て:△〜✕ 修繕手配・外構の維持など自己対応
マンション:○ 物件により体制に差
戸建て:✕ 庭木・雪かき等を含め維持の負担が増えやすい
バリアフリー・上下移動

(住宅形態で差あり)
マンション:◎ エレベーターで階段負担が少ない
戸建て:△ 階段の上り下りに配慮が必要
マンション:○ エレベーターありは多いが物件次第
戸建て:△〜○ 平屋なら○/二階建ては負担増
騒音・プライバシー △ 人口密度が高く生活音・人通りが気になりやすい ◎ 戸建ては隣家との距離が取りやすく静か
費用感(賃料・維持) ✕ 家賃/地価・共益費が高め/交通費は抑えやすい ○ 家賃は抑えやすい一方、交通費・車維持費が増える場合
防犯
マンション:◎ オートロック・管理人・防犯カメラ
戸建て:△ 自主対策が中心
マンション:○ 物件により差
戸建て:△ 立地と地域の見守りに左右
資産・流動性(売買の場合) ◎ 需要が底堅く売却・賃貸化の選択肢が多い △ エリア差が大きく流動性は限定されやすい

 

都心のポイント(マンション/戸建て共通)

メリット
買い物・病院・行政手続き・公共交通が徒歩圏にまとまりやすく、通院や外出の負担を抑えられます。人通りや街灯、防犯サービスが充実しており、マンションならオートロック等の設備、戸建てでも近隣の見守り体制に期待が持てます。エレベーター付き物件の選択肢が多く、上下移動の負担を避けやすい点も魅力です。

デメリット
家賃・地価・共益費が高めで、駐車場代も上がりやすい傾向があります。人と交通が多く、生活音や人混み、緑地の少なさが気になる場合があります。住空間は面積や収納が限られがちで、戸建てでも敷地が取りにくく庭の確保が難しいことがあります。

郊外のポイント(マンション/戸建て共通)

メリット
公園や緑が身近で静かに暮らしやすく、同じ予算でも広さや設備の選択肢を確保しやすいのが特長です。庭・菜園・ペットなど暮らしの自由度が高く、特に戸建てでは趣味の幅が広がります。

デメリット
公共交通の本数や距離に左右されやすく、通院時間が延びる場合があります。商業施設や行政窓口が点在し、車があると便利な場面が多くなります。草木の手入れや外構の維持など管理の手間が増えやすく、マンションでも管理体制は物件によって差があります。
 

あなたはどちらに向いている?

都心は、車を使わず生活したい方、通院が多い方、外出や習い事・地域活動を活発に楽しみたい方に向いています。いっぽう郊外は、静かな環境や広さ、庭や趣味スペースを重視する方、車の運転に抵抗がない方に向いています。階段負担を避けたい場合は、立地にかかわらずエレベーターのある物件や平屋を選ぶと安心です。

もし「どちらか決めきれない」「まず試してみたい」なら、シニア向け賃貸住宅で一定期間の“お試し住まい”をして、地域の住み心地や生活動線を体感してから判断するのも有効です。
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◆参考文献
・ベンチャーサポート不動産株式会社〈シニアの住み替えに関する調査〉
・一般社団法人 不動産流通経営協会「高齢期における住替え意向に関する把握調査 概要版」

(グッドライフシニア編集部 松尾)

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