新聞小説連載当時から求める声の多かった「親鸞」挿画集
五木寛之作による小説「親鸞」は全国の主要地方紙約40紙最大時)に配信という、新聞小説連載史上空前の規模で、『親鸞』『親鸞 激動篇』『親鸞 完結篇』の三部作として2008年9月に始まり、2014年7月に完結するまで足かけ7年に渡り連載されました。
大きな話題を呼んだのが山口晃氏による挿画でした。本書はその全1052回分の挿画をコンプリートした挿画集です。
連載を開始するにあたって五木氏から言われた「思う存分やって下さい」との言葉どおり、縦横無尽に筆を走らせます。ペン、墨、鉛筆を使った繊細なタッチに始まり、コミック調のコマ割り、銅版画風の緻密な表現、大和絵風鳥瞰図、ダジャレ絵解き、ファンにはお馴染み『すゞしろ日記』風のエッセー漫
画などなど。 次から次へと繰り出されるアイディアは尽きることがありません。
本書では全挿画に加え、ボツになったり山口自身が気に入らずに差し替えになった画や、ラフスケッチもいくつか収録しています。加えて、全挿画には山口本人による解説コメントが付いており、小説の筋を逸脱した絵や絵解きめいた絵の理解にも役立つようになっています。
新聞小説挿画の常識を覆した怪作がいかにして産み出されたのか、その背景に迫る渾身の一書です。
書籍情報
発行 : 2019年2月
書名 : 山口晃 親鸞 全挿画集
著者 : 山口晃
判型 : B5変形/並製
総頁 : 696頁
定価 : 5,500円+税
ISBN : 978-4-86152-479-0
著者プロフィール
山口晃(やまぐち・あきら)
1969年 東京都生まれ、群馬県桐生市に育つ。
1994年 東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。
1996年 東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻(油画)修士課程修了。
著者に『山口晃 大画面作品集』、『山口晃 前に下がる 下を仰ぐ』(共に青幻舎刊)など。
(グッドライフシニア編集部)