まだまだ働きたい」「年金だけでは不安」と感じる60代・70代の方は、決して少なくありません。実際、65歳以上の4人に1人が社会で活躍する時代。しかし、「この年齢でどんな仕事があるの?」「体力的に無理なく働けるの?」といった不安を抱える方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、そんな疑問や不安を解消できるよう、60代・70代に人気の定番職種から、未経験・短時間でも挑戦しやすい仕事、さらに具体的な仕事の探し方まで、安心してセカンドキャリアを築くための情報を徹底的に解説します。
≫1. 最新データで読み解く!60代・70代に多い仕事ランキング
≫2. 60代・70代が輝く!未経験・短時間でも始めやすいおすすめ職種10選
≫3. 60代・70代向け|定年後の仕事の探し方
最新データで読み解く!60代・70代に多い仕事ランキング
定年後の仕事探しは、若い頃とは異なる視点が重要です。体力や家庭環境、そして希望する働き方に合わせて、無理なく続けられる方法を見つけることが大切です。
では、実際に多くのシニア世代がどんな仕事に就いているのでしょうか?統計データからその傾向を知ることは、ご自身に合った働き方を見つける大きなヒントになります。
総務省「労働力調査」(2023〜2024年)や厚生労働省の資料によると、65歳以上の就業者が多く活躍している職種として、清掃・警備・ビルメンテナンス、小売・販売(スーパー・コンビニなど)、運輸・配送業(タクシードライバーや配達員)などが上位に挙げられています。これらの職種は、体力的な負担が比較的少なく、未経験からでも始めやすい点が魅力で、シニアの再就職先として長く定番となっています。
しかし、現在ではシニア世代の働き方も多様化しており、子どもや地域と関わる仕事、在宅でできる仕事など、年齢にとらわれずに活躍できる場が広がりつつあります。
2. 60代・70代が輝く!未経験・短時間でも始めやすいおすすめ職種10選
「定年後は清掃やスーパー、警備といった仕事しか選択肢がないのでは?」そう思われがちですが、実際には60代・70代からでも挑戦しやすい魅力的な職種はたくさんあります。
ここでは、未経験からでも始めやすく、柔軟な働き方ができる仕事を中心に、具体例を交えながらご紹介します。きっと「これなら私にもできそう!」と思える仕事が見つかるはずです。
学童スタッフ
放課後の子どもたちの安全を見守り、宿題サポートやおやつ準備を行う仕事です。特別な資格は不要な場合が多く、子育て経験がある方や未経験者も歓迎されます。
勤務時間は放課後が中心で、心身への負担が少なく、無理なく働けます。子どもたちの成長を間近で見守るやりがいも大きい職種です。
住んでいる地域の近くで求人が出ていることも多く、自宅から通いやすい点もメリット。スキルアップとして『放課後児童支援員』の資格取得も可能です。
保育補助
保育園で保育士をサポートする仕事です。園児のお世話や遊びの見守り、食事の手伝いなどを担当します。資格は必須ではなく、子どもたちの笑顔に囲まれて働きたいシニアの方におすすめです。
筆者の娘の幼稚園には「おばあちゃん先生」として子どもたちから親しまれ、笑顔を引き出していた保育補助の方がいました。小さな子どもたちとのふれあいは、ご自身の元気の源にもなるでしょう。
介護の仕事
介護分野は年齢制限がなく、シニア世代からのスタートも歓迎されています。特に介護補助や訪問介護は、未経験から短時間で始めやすい仕事です。
利用者と年齢が近いことで自然な寄り添いができ、感謝される場面も多くやりがいを感じられます。超高齢社会でニーズが高く安定した仕事ですが、身体介護を伴う場合は体力的な負担も考慮し、事前に仕事内容をよく確認しましょう。「介護職員初任者研修」などの入門講座もおすすめです。
家庭教師・シニア向け講師
長年の教員経験や特定の知識、趣味、特技を活かしたい方におすすめです。家庭教師として子どもたちに学習支援を行う場合、人生の先輩としてのアドバイスも喜ばれます。
シニア向け講師としては、パソコン、健康体操、手芸など多岐にわたる分野で経験談を交えながら教えることができ、受講者との交流も楽しめます。どちらも自分のペースで働け、「教える」ことは自身の学びにもつながり、大きなやりがいを得られるでしょう。
マンション管理人・受付
マンションの管理人や受付スタッフは、シニアに人気の仕事です。建物内の見回りや清掃、来訪者・業者対応、共用設備点検などを担当します。
業務は自分のペースで進められ、体力的な負担も少なめです。午前中のみや週2〜3日の勤務など、柔軟なシフトが多く、定年後の再スタートに適しています。
特別な資格や経験は不要で、真面目にコツコツ取り組める方なら未経験でも活躍可能。「地域の安心を支える存在」として、落ち着きや丁寧さが強みとなる仕事です。
観光ガイド・地域案内ボランティア
長年暮らした地域の魅力を伝える「観光ガイド」や「地域案内ボランティア」もやりがいのある仕事です。歴史、文化、地元ならではの名所など、培った知識を活かして訪れる人々をもてなします。地域活性化に貢献でき、「人を笑顔にしたい」という方におすすめ。
先日、筆者が旅先で出会ったシニア観光ガイドの方は、ガイドブックには載らない貴重な体験を提供してくれました。「この街の魅力を伝えたい」という温かい気持ちを持つ方にとって、大きなやりがいになるでしょう。
金銭的な報酬を目的としないボランティア活動も多く、無理のない範囲で人との交流を楽しみながら、自分のペースで活動できるのも魅力です。
旅するように働く
定年後の新しいライフスタイルとして注目される「旅をしながら働く」スタイル。リゾート地や温泉地の宿泊施設、飲食店などで調理補助や接客の仕事をしながら、滞在を楽しめます。
交通費は自己負担の場合もありますが、寮や宿泊施設が無料で提供されることが多く、生活費を抑えられる点が魅力です。旅館の仲居、スキー場のリフト係など、季節ごとに働く場所を変えることも可能。旅行好きな方や、いつもと違う環境で新鮮な経験をしたい方にぴったりの仕事です。
専門性・経験を活かす仕事
これまでのキャリアで培った専門知識や経験を活かし、企業のアドバイザーやコンサルタント、短期プロジェクトへの参加など、多様な働き方が可能です。
特に、マネジメント経験や特定分野の専門スキルを持つシニア層は、企業から重宝されるケースが増えています。フレキシブルな働き方が可能で、現役時代とは異なる形で社会貢献ができるため、大きなやりがいを感じられるでしょう。
身近な場所で働く仕事
シニアに人気の定番職種には、未経験でも始めやすく、体力的な負担が少ない仕事が多数あります。ビルや病院の清掃スタッフは、朝の短時間勤務が多く、黙々と体を動かしたい方におすすめ。
スーパーやドラッグストアのレジ・品出しは近所で働け、人と接するのが好きな方に。倉庫での商品の仕分け・ピッキングは接客が苦手な方でもコツコツ続けられます。
また、コールセンターの受電業務もシニア採用が進んでおり、マニュアル対応が基本で丁寧に話せる方に向いています。
在宅ワーク
パソコンやスマートフォンの操作に慣れていれば、60代以降でも十分に活躍できるのが在宅ワークです。通勤不要で自宅で自分のペースで働けるため、体力的な負担が少なく、体調やライフスタイルに合わせて柔軟に時間を設定できます。
具体的な仕事内容は、データ入力、簡単なライティング、ネットショップ運営サポート、オンラインアシスタント、ウェブサイトテストなど多岐にわたります。特別なスキルがなくても始められる案件も多く、自宅が職場になるため、交通費や準備時間も節約できるメリットがあります。
このように、体力や経験に応じて無理なく続けられる仕事は意外と多くあります。「自分にもできそう」と思える仕事から、少しずつチャレンジしてみるのがおすすめです。
3. 60代・70代向け|定年後の仕事の探し方
定年後に仕事を探す際、「どこから手を付ければ良いか分からない」「自分に合った方法が知りたい」と感じる方もいるかもしれません。ここでは、あなたの希望に合った仕事を見つけるための具体的な方法を、それぞれの特徴を交えて解説します。
①公的機関を活用する
国や自治体が運営する公的機関は、シニア世代の仕事探しを多角的にサポートしてくれます。安心して相談できるため、初めての再就職活動でも心強い味方となるでしょう。
ハローワーク(公共職業安定所)
「生涯現役支援窓口」や「高齢者専門相談員」がおり、60歳以上の求職者を無料で支援します。体力や働き方に配慮した求人紹介から、履歴書・面接対策まで、きめ細やかなサポートが特徴です。地域に根ざした求人が豊富で、じっくり相談したい方や、初めての再就職で不安な方、パソコン操作に不慣れな方におすすめです。
シルバー人材センター
各市区町村に設置された公益的な団体で、軽作業や短時間勤務など、体への負担が少ない仕事を中心に紹介しています。清掃、家事手伝い、学童の見守りなど、地域に貢献できる仕事が多数。報酬は月数万円程度ですが、社会参加や地域とのつながりを重視する方、無理なくゆるやかに働きたい方にぴったりです。
②求人サイトやアプリで「シニア歓迎」求人を探す
インターネットを使えば、自宅で手軽に多くの求人情報を比較検討できます。「シニア歓迎」の絞り込み検索は、効率的な仕事探しに役立ちます。
スマートフォンやパソコンから、「シニア歓迎」「60代以上活躍中」といった条件で求人を探せるサイトが多数あります。24時間いつでも自分のペースでチェックできるのが大きな利点です。
代表的なサイトには以下があります。
- タウンワーク・バイトル(60代向け特集あり)
- しゅふJOBパート(柔軟な時間帯で働ける仕事が多い)
- マイナビミドルシニア(中高年専門)
シニア向けの案件には、未経験OKや資格不要の仕事も多く掲載されています。会員登録すると、希望に合った求人がメールで届くサービスもあるので活用すると便利です。
③地域のつながりを活かす
意外なところで仕事が見つかるのが、地域のネットワークです。日頃の生活圏の中にも、仕事探しのヒントが隠されているかもしれません。
近所の人や自治体、通っている施設などからの紹介も、シニアの仕事探しでは有力な手段です。たとえば、以下のようなケースがあります。
- 地域の掲示板や回覧板に出ている求人
- 地元のスーパーやクリニックなどの張り紙求人
- 行きつけの施設(ジム・病院・集会所)からの声かけ
これらはハローワークや求人サイトにはない情報であることも多く、通勤負担が少なく、普段の生活に溶け込みやすいのが特徴です。地域貢献や近所で働きたい方、人間関係を重視したい方におすすめです。
④自治体やNPOの就業支援イベントに参加する
地方自治体やシニア向け団体では、次のようなイベントを定期開催しています。
- 高齢者向け就職説明会
- セカンドキャリアセミナー
- シニア応援フェア
企業の担当者と直接話せるため、ミスマッチを防ぎ、年齢に理解のある企業と出会えるチャンスが期待できます。地元自治体のホームページや広報誌を定期的にチェックしておくことをおすすめします。
まとめ
定年後の働き方は、「年金だけじゃ不安」という理由だけでなく、「社会と関わり続けたい」「まだ誰かの役に立ちたい」という思いから選ぶ方も増えています。
体力や生活リズム、家族との時間など、自分のペースに合わせて働ける選択肢はたくさんあります。
大切なのは、これまでの経験や人柄を活かして、自分らしく働ける場を見つけること。
無理なく、楽しみながら続けられる仕事との出会いが、これからの毎日をもっと豊かにしてくれるはずです。
ぜひ今回の記事を参考に、自分に合った「セカンドキャリア」の一歩を踏み出してみてください。
働きながら年金を受け取ると、どのくらい減額されるの?AさんBさんのケースをもとに、「在職老齢年金」の仕組みや、損をしない働き方のヒントをこちらの記事で詳しく紹介しています。
■定年後も活躍!60歳以上のシニアが働くメリットと仕事選びのヒント
◆参考文献:厚生労働省「職業情報提供サイト」

ホテル、人材業界での勤務を経て、出産を期にWEBライターとして活動を開始。
大手ライフメディアサイト、女性向けグルメニュースサイトなどで食・暮らし関連の
記事を執筆中。両親ともに元気ですが、将来に備えて介護について学んでいます。
シニアの生きがい関連記事
高齢者の趣味は生きがいに繋がる!アイデア6つとその重要性
自分で求めてつくる時代!高齢者の地域でのつながりづくり
人生100年時代を楽しむ!生涯学習で活き活きシニアライフを