歯周病と糖尿病の関係
歯周病は糖尿病の第6番目の合併症と言われています。
国内外の調査からは、糖尿病の人はそうでない人と比べて、歯周病にかかる率が高く、しかも重症化しやすいという結果も出ています。
糖尿病患者の歯周病が進行すると、歯を失う可能性が高まります。そのため、硬い食品を噛むことが難しくなり、柔らかな食品に偏る傾向があります。
しかし、こうした柔らかな食品には、ブドウ糖やショ糖などの吸収の早い糖質が多く含まれるものが多いため、血糖値の急激な上昇につながる危険性があります。
一方、糖尿病患者に対し歯周病の治療・管理を行うことにより、血糖コントロールが改善したとの報告がなされています。
つまり、歯周病の適切なケアが糖尿病の管理にも良い影響を及ぼす可能性があるのです。
歯周病予防のための2大ポイント
- 歯ブラシとデンタルフロス・歯間ブラシを使って、きちんと歯垢(デンタルプラーク)を落とす(セルフケア)
- 定期的に歯科医院でチェックや歯石除去を受ける(プロフェッショナルケア)
以上のように、糖尿病と歯周病は密接な関係があり、歯周病の予防や治療が糖尿病患者にとって重要な要素となります。
そのため、日々のご自分でのお手入れに加え、定期的な歯科検診や適切な歯周病の治療を受けることで、糖尿病の管理にも一層効果的なアプローチが期待できるのです。
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参考:日本歯周病学会「糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン改訂第2版」https://www.perio.jp/publication/upload_file/guideline_diabetes.pdf
日本糖尿病学会「糖尿病と歯周病」http://www.fa.kyorin.co.jp/jds/uploads/gl/GL2019-13.pdf
糖尿病患者に対する歯周病治療ガイドライン改訂第2版
(グッドライフシニア編集部 松尾)
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