(2024年10月追記)
「人生100年時代」と言われる今、実は「今が一番幸せ」と感じる人が多いのは60代女性だとご存じでしょうか?
子育てや仕事の責任から解放されて自由時間が増え、これまで培ってきた経験や人間関係を存分に活かせるのも60代ならではの魅力。なぜ60代女性の幸福度はこんなにも高いのか―――その秘密を調査結果を基に、編集部60代スタッフが探ってみました。
どの年代よりも”幸せ”を実感する60代シニア
アサツーディ・ケィが各世代別の幸せ度数を調べた「ADK生活者総合調査2013」によると、最も “幸せ” を感じて生きている年代は60代。その中でも女性が特に高い幸福感を実感していることが分かりました。
60代に次いで高いのは男女とも10代、以降50代、40代、30代と続き、一番、幸せ度が低い年齢層は20代でした。
60歳男女別に見る幸福感の違い
さらに60歳男女の幸福度について掘り下げてみましょう。
幸福度が高い60代男性は、そのよりどころが「配偶者」としているのに対し、幸福度の高い女性は「配偶者」のほか、「子ども」や「孫」、「趣味や特技」、「健康や体力」、そして「友人」など、よりどころが幅広く挙がっているのが特徴的です。
幸福度の高いシニア男性のよりどころが配偶者に集中している、いわゆる「妻頼み」の状況。妻が頼りとなるシニア男性は幸せという意味でもあるようです。
次に60代の男女別に幸福度の高低に関わる「よりどころ」について比較してみましょう。
60代男性の幸福のカギは「配偶者」
幸福度の高い男性は「配偶者」を筆頭に、「健康や体力」「勤勉さ」「生き方や信念」「家庭」が高いのに対し、幸福度の低い人は「配偶者」「子ども」「友人」「生き方や信念」が目立って低くなり、よりどころとして最も高いのは「健康や体力」になっています。
60代女性の幸福のカギは「多様なつながり」
幸福度の高い女性は前述の通り「配偶者」や「子ども」「友人」「健康や体力」「趣味や特技」が高く挙がっているのに対し、幸福度の低い人は「子ども」への集中度が高く、「配偶者」「趣味や特技」「財産」などは相対的に低くなっています。
幸福度の高い60代女性は、60代男女の中でも趣味活動の活発さが際立っています。「自分は幸せ」だと感じる人は、それに輪をかけて活動的であることが確認され、積極性が際立っています。
一方、幸福度が高い男性と、幸福度が高い女性の「幸せ実感者」同士を比べてみると、行っている趣味・スポーツの中身に差が見られます。
女性特性が強いと考えられる「料理」や「手芸」を別にすると、幸福度が高い女性が、幸福度が高い男性を大きく上回るものとして、「旅行(国内・海外)」や「園芸・ガーデニング」「食べ歩き」、「ライブ・コンサートの鑑賞」、「美術館・博物館めぐり」、「映画館での映画鑑賞」、「温泉めぐり」など、外出を伴うものが多く挙がりました。
今の60代はバブル期を経験しているので、若いころから様々な体験をしたり、活動的で楽しいことが好きな方が多いのも確かです。だからシニア世代になってもアクティブな方が多いのかもしれませんね!
60代女性はなぜ幸福感が高い?
先の結果を基に、60代女性が他の年代に比べて高い幸福感を持つ理由を考えてみると、以下のような要素が挙げられます。
金銭的な余裕
年金や退職金、これまでの貯蓄が生活の基盤となり、経済的な安心感を得られることが大きな理由です。この余裕が、趣味や健康管理、旅行など、自分のための投資を可能にし、心のゆとりを生んでいます。
自分自身のために使える時間が増える
仕事や家族のために費やしてきた時間やエネルギーを、自分の興味や関心事に使えるようになります。趣味や旅行、新しい挑戦に充てる時間が増えることで、生活の満足感が高まります。
趣味や特技を楽しむ余裕
趣味や特技を楽しむ時間が増えます。これらの活動が日常生活に彩りを与え、新しい友人やコミュニティとのつながりを生むきっかけにもなります。
生きがいを感じられる趣味を見つけるヒントをこちらの記事でご紹介しています。
■高齢者の趣味は生きがいに繋がる!アイデア6つとその重要性
豊富な経験がもたらす自信や満足感
これまでの人生経験が、困難や問題に対処する自信や知恵を生み出し、その過去からの積み重ねとなる達成感や自己肯定感が、幸福感につながることに。
多様な「よりどころ」の存在
60代女性は、配偶者に加えて、子どもや孫、友人、趣味、健康など、さまざまな支えを持っていることが特徴です。これらの「よりどころ」が多様であるほど、日々の生活に彩りが増し、幸福感を高めます。
多くの子を持つ母たちは、育児期間中たくさんの我慢をしました。自分に使うお金を我慢して、子どもの習い事や塾、教育費を払うことに必死。そして40代、50代になると親の介護も始まったりします。
我慢と忍耐の先にやってきた自分のことに集中できるのが60代。人生の折り返し地点も過ぎ「残りの人生を楽しもう!」と、元気にエネルギッシュにはじけるのも当然です。
まとめ
60代が幸せを感じる理由には、いくつかの要素が挙げられます。長年の経験がもたらす知恵を生かしながら、これまで歩んだ人生の充実感を感じられる世代は、心にゆとりを与えています。
人生にゆとりができる年代が、まさに60代です!
幸せを実感することに年齢は関係なく、健康や心の豊かさなど様々な要素が絡み合っていますが、多くの60代女性が、その代表格として人生を謳歌していることは間違いありません。
参考:ADK「シニアレポート」
(グッドライフシニア編集部)