
一人暮らしの高齢者にとって、毎日の食事は健康を左右する大切なもの。でも、買い物や調理が負担になったり、つい簡単な食事で済ませてしまったりすることはありませんか?
そんな食生活をサポートしてくれるのが「宅配弁当サービス」です。栄養バランスに配慮した食事から見守り付きの配食まで、そのメリットや自分に合ったサービスの選び方をご紹介します。
≫1. 高齢者が陥りやすい食事のトラブル
≫2. 高齢者が宅配弁当を利用するメリット
≫3. 高齢者向け宅配弁当の選び方
≫4. 高齢者向け宅配弁当・配食サービスにはどんなものがある?
≫5. 宅配弁当を利用するときの注意点
1. 高齢者が陥りやすい食事のトラブル
高齢になると、身体機能や生活環境の変化によって、食事に関するさまざまな問題が起こりやすくなります。
食欲不振
高齢者は年齢とともに食欲が落ちることがあります。また、病気や薬の副作用、精神的なストレスなどが原因で食欲不振に陥ることもあります。
食事量が減る状態が続くと、必要なエネルギーや栄養素が不足し、体力や筋力の低下につながるおそれがあります。
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噛む力・飲み込む力の低下
高齢になると、口腔内や喉の筋肉の衰え、歯の状態の変化、病気などによって、食べ物を噛んだり飲み込んだりすることが難しくなることがあります。
また、飲み込む機能が低下する「嚥下障害」があると、食事中にむせたり、食べ物が気管に入る「誤嚥(ごえん)」が起きたりすることがあります。
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栄養バランスの偏り・低栄養
一人暮らしでは、料理が面倒になり、パンや麺類などの簡単な食事で済ませてしまうことがあります。
こうした食生活が続くと、たんぱく質や野菜などが不足し、栄養バランスが偏りがちです。特に高齢者は、エネルギーやたんぱく質の不足による「低栄養」に注意が必要です。
低栄養は筋肉量や体力の低下を招き、フレイル(加齢に伴って心身の活力が低下した状態)のリスクを高める要因にもなります。
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買い物や調理の負担
食材の買い出しや下ごしらえ、調理、後片付けなどは、毎日続けるとなると意外に手間がかかります。
足腰が弱くなったり、重い荷物を持つことが難しくなったりすると、食材の調達そのものが負担になることもあります。
2. 高齢者が宅配弁当を利用するメリット
宅配弁当サービスは、食事の準備を簡単にするだけでなく、栄養管理や家族の負担軽減など、さまざまなメリットがあります。
栄養バランスに配慮した食事を手軽に摂れる
宅配弁当サービスの中には、管理栄養士が献立を監修し、エネルギーやたんぱく質、塩分などのバランスに配慮した食事を提供しているものがあります。
自分で毎日の献立を考えたり、栄養計算をしたりする手間が省けるため、食生活が単調になりがちな一人暮らしの高齢者にも便利です。
買い物や料理の手間と時間を節約できる
宅配弁当を利用すれば、食材の買い物や下ごしらえ、調理にかかる手間を減らすことができます。
冷凍弁当なら、食べたいときに電子レンジで温めるだけで食事を用意できる商品も多く、体調がすぐれない日や忙しい日にも便利です。
毎日すべての食事を宅配弁当にする必要はなく、昼食だけ、夕食だけ、週に数回など、生活スタイルに合わせて取り入れることもできます。
やわらか食や制限食などを選べる
高齢になると、普通の食事が食べにくくなったり、病気によって食事内容に配慮が必要になったりすることがあります。
宅配弁当には、噛む力に配慮したやわらか食やムース食、塩分・たんぱく質・エネルギーなどを調整した食事を提供するサービスもあります。
家族が一人分の特別な食事を毎日用意するのは大変ですが、こうしたサービスを利用することで、調理の負担を軽減できます。
離れて暮らす家族の負担を軽減できる
高齢の親が一人暮らしをしている場合、離れて暮らす家族にとっても、毎日の食事は気になるものです。
宅配弁当を利用すれば、食事の準備を手伝う負担を減らすことができ、定期的に食事を届けてもらうこともできます。
また、一部の配食サービスでは、配達時に利用者の安否を確認する見守りサービスを実施しています。
人との交流や見守りの機会が生まれる
一人暮らしの高齢者は、人と会話する機会が少なくなり、孤独感を感じることがあります。
地域の配食サービスなどでは、配達員が直接食事を手渡す際に、あいさつや短い会話を交わす機会が生まれることもあります。
3. 高齢者向け宅配弁当の選び方

宅配弁当にはさまざまな種類があるため、料金だけでなく、食事の内容や配送方法、利用する方の健康状態などに合わせて選ぶことが大切です。
冷凍弁当と毎日届く配食サービスの違い
宅配弁当には、冷凍でまとめて届くものや、冷蔵・常温で定期的に届くものがあり、安否確認を兼ねた見守り付きの配食サービスもあります。
| 種類 | 特徴 | 向いている方 |
|---|---|---|
| 冷凍宅配弁当 | まとめて受け取り、冷凍庫で保存できる | 好きなときに食べたい方 |
| 冷蔵・常温の配食サービス | 決まった曜日や時間帯に食事が届く | 定期的に食事を届けてほしい方 |
| 見守り付き配食サービス | 食事の配達時に安否確認を行う | 一人暮らしで見守りも希望する方 |
冷凍弁当は保存しやすく、自分のペースで利用できる一方、冷凍庫のスペースが必要です。
毎日届く配食サービスは、食事を受け取る手間がありますが、買い物や調理の負担を減らしながら、生活リズムを整えるきっかけにもなります。
食事の種類や栄養バランスで選ぶ
健康状態や噛む力、飲み込む力に合った食事を選ぶことが大切です。特に食欲が落ちている方は、必要なエネルギーやたんぱく質を十分に摂れるかどうかも確認しましょう。
料金・送料・注文単位を確認する
宅配弁当は、1食あたりの料金だけでなく、送料や注文単位によって実際の負担額が変わります。
7食や10食などのセット販売、1食から注文できるサービス、定期購入によって割引が適用されるサービスなどがあります。
継続して利用する場合は、送料を含めた総額や、定期購入の休止・解約方法も確認しておくと安心です。
配達エリアや見守りサービスの有無を確認する
全国配送の冷凍弁当と、地域ごとに配達するサービスでは、利用できる地域が異なります。
また、見守りサービスを希望する場合は、安否確認の方法や、異変があった場合の家族への連絡体制なども確認しておきましょう。
4. 高齢者向け宅配弁当・配食サービスにはどんなものがある?
宅配弁当には、栄養バランスに配慮した食事や、やわらか食、制限食など、さまざまな種類があります。
冷凍宅配弁当サービス
冷凍宅配弁当サービスには、栄養バランスに配慮した「タイヘイのヘルシー御膳」
や、「食宅便」などがあります。
また、「メディカルフードサービス」
や「ウェルネスダイニング」
では、噛む力が弱くなった方向けのやわらか食や、塩分・たんぱく質などを調整した食事も用意されています。
「ベネッセのおうちごはん」でも、栄養バランスや食べやすさに配慮した冷凍宅配食などを提供しています。
こうした冷凍宅配弁当は、一般の宅配便(クール便)で数食分をまとめて受け取り、冷凍庫で保存して好きなときに食べられるのが特徴です。
地域の配食・見守りサービス
地域の配食サービスには、スタッフが決まった曜日や時間帯に食事を届け、安否確認も行う見守り付きのサービスがあります。自治体が実施するもののほか、民間のサービスもあります。
地域の配食サービスを探す場合は、お住まいの市区町村の高齢者福祉担当窓口や地域包括支援センターに相談してみましょう。インターネットで「〇〇市 高齢者 配食サービス」などと検索する方法もあります。
自治体のサービスには年齢や身体状況などの利用条件が設けられている場合がありますが、対象とならない場合でも、民間の配食サービスを利用できることがあります。
5. 宅配弁当を利用するときの注意点
宅配弁当は便利なサービスですが、利用する際にはいくつか注意したい点があります。
健康状態に合った食事を選ぶ
糖尿病や腎臓病などで食事制限が必要な方は、自己判断で制限食を選ぶのではなく、医師や管理栄養士の指導に従うことが大切です。
また、飲み込みに問題がある場合は、食べ物のやわらかさだけでなく、まとまりやすさや水分の状態などにも注意が必要です。
無理なく続けられるサービスを選ぶ
宅配弁当は、味の好みや量、料金、配送方法などによって使いやすさが異なります。
初めて利用する場合は、お試しセットや少量の注文から始め、実際に食べてみてから継続するかどうか判断するとよいでしょう。
宅配弁当は、一人暮らしの高齢者が食事の負担を減らし、健康的な食生活を続けるための選択肢のひとつです。
自分の健康状態や生活スタイルに合ったサービスを選び、無理のない範囲で上手に活用していきましょう。
食事サービス付きのシニア向け賃貸住宅という選択肢も積水ハウス「グランドマスト」には、レストランで食事を楽しめる物件もあります。毎日の食事づくりが負担になってきた方は、こうした住まいも選択肢のひとつです。
■「グランドマストシリーズ」その魅力とは?
参考:厚生労働省「高齢者の低栄養予防」
厚生労働省「食べて元気にフレイルを予防するために」
厚生労働省「食事摂取基準を活用した高齢者のフレイル予防事業」
(グッドライフシニア編集部 松尾)
