食生活と栄養に関する意識調査
近年、家族形態の変化や食生活の乱れから様々な栄養が不足していることがささやかれています。国民健康・栄養調査(厚生労働省)によると、性別・年代別に状況は違っても、栄養バランスが日本人の食事摂取基準の推奨量(同省)に満たないというデータが示されています。
キリン・トロピカーナ㈱が都内に住む20~60歳代の男女555名にインターネットを通じて行った「食生活と栄養に関する意識調査」が、このデータを裏付けるような内容なのでご紹介します。
自分の栄養バランスについて「自信がない」と回答した人が70%にのぼる一方、「自信がある」人は全体で24%で、自分の栄養バランスに「自信がある人」は約4人に1人未満ということが分かりました。
働きざかりで家庭を支える30~40歳代においても「自信のある人」は20~23%で男女でも差がみられません。一方で、年代が上がるにつれ健康への意識が高まり、食生活をはじめとした習慣に気を遣うようになると考えられ、50代、60代と「自信がある」人の割合は増えていき、60代女性では約40%が自信があると答えています。
「自分の栄養に自信がある」及び「やや自信がある」と答えた人の中から10人に対し血液検査を実施したところ、「自分の栄養バランスに自信がある」と答えた人は約2割。しかしその中の10人のうち9人が栄養不足と診断され、栄養バランスに自信のある2割ですら「顕著な栄養障害が見受けられる」という最低ランクの総合評価Dと診断されました。
なお、検査した全員について「ビタミンB1」、「ビタミンB6」、「亜鉛」が欠乏していました。
これにより、自分が自覚していなくても栄養不足に陥っている「かくれ栄養不足」の症状は身近に起こりうることが分かり、現代の栄養不足に関する社会問題が浮き彫りになりました。
「自分の栄養バランスに自信がある人」「自身がない人」に、それぞれに体調について聞いたところ、「自信がある人」の50%以上が自分の体調について「良い」と答えているのに対し、「自信がない人」で自分の体調を「良い」と考えたひとはわずか17%にとどまりました。
また、「自信がない人」の中で、“やる気がおきない”、“疲れている”、“倦怠感がぬけない”、“イライラする”、“朝起きるのが辛い”、といった体調不良を自覚する人は「自信のある人」よりも多いことが分かりました。
自分の体調に対する自信と、自分の感じる身体のコンディションには相関があることが考えられます。
自分の体調に自信を持つためには、日々自分の身体と向き合っていくことが大切だと言えます。しかしながら、自分の体調に気を遣っていて自信がある人でさえも栄養不足と診断されてしまいました。自分の体調の気遣い方や栄養バランスの摂取方法が勘違いではないか、本当に栄養バランスがとれているのかを一度見直すことが大切です。
(グッドライフシニア 編集部)
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