腸内細菌が認知症と関連している
脳は人間の精神や身体の活動を正常にコントロールしている司令塔です。その脳細胞が、なんらかの原因により死んでしまったり、働きが悪くなったりすると、さまざまな障害が起こり、その状態が6ヶ月以上にわたり継続し、生活に支障が出ている状態を「認知症」と呼びます。
このように、脳の病気や障害などによって認知機能が低下して起こる認知症ですが、実は腸内細菌と関連しているという興味深い研究結果が出ています。
国立長寿医療研究センター(愛知県)もの忘れセンターの研究結果によると、「日本人高齢者においては、腸内細菌が認知症と関連している」という研究結果が発表されています。
認知症患者は悪玉菌が増えている!?
同もの忘れ外来を受診した患者さんに認知機能検査や頭部MRI 検査などを実施し、検便サンプルを収集、腸内細菌を解析。「認知症のある高齢者の便」と「認知症ではない高齢者の便」とを比較したところ、認知症の有無によって腸内細菌の組成が大きく異なっていることが分かりました。
認知症患者の方は、認知症でない⼈よりもバクテロイデス(常在菌)が減り、 特定の細菌や種類不明の細菌が多く見られました。
「腸内細菌が認知症の原因となったのか」「認知症になった結果、腸内細菌の組成が異なる結果となったのか」どちらが先であったのかについてなど、まだ解明が必要な部分もありますが、腸内細菌に違いがあったことは事実です。
また、認知症では糞便中の乳酸値が低下していたという新しい発⾒もあり、腸内細菌をよい状態に保ち続けることで、将来的に認知症をも防ぐことができるかもしれません。
老化や加齢によるもの忘れとは違い、脳の神経細胞が壊れ引き起こされる症状や状態を認知症と言います。認知症の原因や予防法についての詳しい記事はこちらをご覧ください。
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腸内環境を良い状態に保つ善玉菌
腸内には、体に良い働きをする善玉菌と、悪い影響を与える悪玉菌があります。
腸内環境を整え健康に過ごすためには善玉菌を増やすことが有効です。
食物繊維は腸内で善玉菌のエサとなるので毎日の食事で積極的に摂るように心がけてください。
悪玉菌が多いと、下痢や便秘の症状を引き起こしたり、老化が促進されたり、アレルギー、糖尿病、動脈硬化、心筋梗塞などを引き起こす原因になったりすることがあります。
将来の認知症と病気予防のために腸内フローラを整えて毎日を健康に過ごしましょう!
参照:国立長寿医療研究センター(愛知県)もの忘れセンター
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(グッドライフシニア編集部)
認知症
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