
ウォーキングは、運動不足やストレス解消、筋力の維持、生活習慣病の予防などさまざまなメリットがあります。
他のスポーツに比べ、関節や腰にかかる負担が少ないため、関節痛や怪我のリスクが低くシニアが取り組みやすい運動です。
今回は無理なく気軽に運動不足を解消できる、シニア向けのウォーキング術をご紹介していきます。自分の適切な目標心拍数を知り、安全かつ効果的なウォーキングを心掛けましょう。(2026年9月更新)
1.シニアにとってウォーキングの健康効果とは?
ウォーキングは酸素を使ってエネルギーを生み出す「有酸素運動」のひとつ。有酸素運動には脂肪燃焼効果があり、肥満の予防・改善に適しています。
つまり、ウォーキングを日常生活に取り入れることで高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の予防につながります。
また、日光を浴びることは、幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」を増やす作用があり、このセロトニンは少ないとうつ病になるリスクが高いともいわれています。
日を浴びながら歩くことは体だけでなく精神をも安定させる働きがあるため、朝日をたっぷり浴びれる朝ウォーキングがおすすめです!
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さらにはロコモティブシンドローム(移動能力の不足・衰え)やサルコペニア(筋肉量の減少)、要介護状態や認知症の予防も期待できると言われています。
また、新しく友人ができたり、ご近所との会話が増えたりと、精神的な安定にも重要な役割を果たすウォーキング。心身ともに健康に過ごしていくためにも、シニア世代におすすめの運動方法です。
ウォーキングは激しい運動ではありませんが、急な運動で筋肉や関節を傷めないためにも、始める前にはアキレス腱伸ばし、太もも前伸ばし、手首足首回しなど簡単なストレッチを行ってから始めましょう。
2.おすすめの歩き方や心拍数の目安を知ろう
では具体的に、どれくらいの歩数や時間、速さで歩くと健康に良い効果が期待できるのでしょうか。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、高齢者の身体活動の目安として、1日40分以上(約6,000歩以上)が推奨されています。
歩く目安
・歩数:1日6,000歩以上を目安に
・時間:1日40分以上初めてウォーキングを始める場合は、まずは少ない目標歩数から始めて徐々に増やしていくと良いでしょう。
心拍数を知ろう
シニアの場合、心臓や筋力が若い頃よりも衰えていることがあります。過度の運動は健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、適切な強度の運動が必要です。ここで心拍数が役立ちます。自分の最大心拍数を知ることで、運動の強度を調整し、無理なく心肺機能を改善することができます。
最大心拍数の目安を求める簡便な方法として、「220-年齢」という計算式があります。ウォーキングでは、最大心拍数の50~60%程度をひとつの目安として、無理のない範囲で運動するとよいでしょう。
例えば70歳の場合、最大心拍数の目安は「220-70=150」です。最大心拍数の50~60%で計算すると75~90拍/分となります。
ただし、適切な運動強度には個人差があります。体力や健康状態に合わせて無理のない範囲で行いましょう。
1分間当たりの脈拍数の目安(拍/分)
強度の感じ方 評価 60歳代 50歳代 40歳代 30歳代 20歳代 きつい~かなりきつい × 135 145 150 165 170 ややきつい 〇 125 135 140 145 150 楽である 〇 120 125 130 135 135 生活習慣病患者等である場合は、この強度の身体活動は避けた方が良い
参考:厚生労働省「多面的運動プログラムの実践」
歩くときのフォーム
まずは上半身。背中はまっすぐに、横から見て耳・肩・腰・骨盤を結んだ線が一直線になるような姿勢を意識し、お腹に力を入れます。視線は前方、15mほど先をまっすぐに見ます。肘は軽く曲げ、後ろにグイっと引くイメージで腕を振ります。
足の動きとして大切なのは、かかとから地面に足を付き、つま先を使って蹴り出すこと。足の指で地面をしっかりと捉えるように意識しましょう。
ウォーキングマップの活用もおすすめ
自治体によっては、その地域の特色を活かしたウォーキングコースを紹介しているところもあります。
例えば、東京都福祉保健局の「トーキョーウォーキングマップ」では、各区市町村が地域の魅力を味わえる散歩マップを用意。
「季節を感じたい」「歴史・文化をめぐりたい」「地元の街並みを楽しみたい」など、目的に合わせて調べやすくなっています。
各コースには目安となる歩数や消費カロリーなども載っているので、上手に活用しながらウォーキングを楽しんでいきましょう。
3.気を付けたい歩くときのポイント
無理のない範囲から始めること
体力や運動神経は一人ひとり異なります。特に普段から運動をする習慣がないという方は、先にご紹介した歩数や時間はあくまでも目安とし、無理のない範囲からスタートすることが大切です。
また、歩くと足や膝に痛みが出る場合や、高血圧など心臓や血管の機能に不安のある方は、ウォーキングを始めても問題がないか、必ず医師に相談しましょう。
睡眠の前後1時間は避ける
起床後1時間以内、もしくは就寝前1時間以内のウォーキングは、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まるため避けるようにしましょう。
睡眠中は汗や呼吸によって水分が失われるため、起床時は体内の水分が不足していることがあります。朝にウォーキングをする場合は、まずコップ1杯程度の水を飲み、体調を確認してから無理のない範囲で始めましょう。
炎天下を避け、水分補給も忘れずに
熱中症予防のため、夏の炎天下でのウォーキングは避けましょう。また、こまめな水分補給も大切。「喉が渇いたな」と感じてから飲むのでは、体の水分が既に不足している状態です。運動前・運動中ともに、水分を意識的に摂るようにしてください。
服装は季節に合わせ快適なものを
気温差の出やすい春や秋は、体温調節がしやすいようウィンドブレーカーやパーカーなど、羽織るものを準備しておくのがおすすめです。
汗をかきやすい夏は、吸汗速乾機能を備えたポリエステル素材のウェアが適しています。紫外線対策として帽子やUVカット素材のウェアもあると良いでしょう。
冬場もしっかりと防寒対策をしつつ、かいた汗で体が冷えてしまわないよう吸汗速乾性に優れた素材を選ぶことが大切です。
4.まとめ
今回は、無理なく楽しく健康を維持できる「シニアにおすすめのウォーキング術」をご紹介しました。
ウォーキングは誰もが簡単に、そして一人でも続けることのできる運動です。しかし無理は禁物。足や膝に痛みがないか、動悸がしたりしないか、体調は万全かなど確認してから行ってくださいね。
健康で充実した毎日を過ごせるよう、できる範囲からウォーキングを取り入れてみてはいかがでしょうか!なお、快適にウォーキングを続けるためには、歩きたくなる環境や外出がスムーズな住まい選びもポイントです。近隣に公園があるなど、自然と歩数が伸びるような環境に身を置くことも意識してみましょう。
シニアが歩いて暮らしやすい住まいについてはこちらでご紹介しています。
⇒ 毎日が気持ちいい!公園が近いシニア向け賃貸「ヘーベルVillage」特集【東京・近郊】
熊戸まこ(くまど・まこ)
学習院大学法学部政治学科卒業。IT企業に3年間勤め、退職後はライターとして高齢者の介護や福祉、健康分野の記事を執筆しています。福祉分野の専門性を高めるため、現在は社会福祉士の国家試験を取得しています。
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