血糖値が高い状態(高血糖)は、頻尿や喉の渇き、疲労感などを引き起こすばかりか、長期的に高血糖状態が続くと、心血管疾患、神経障害、腎臓障害、視力喪失などのリスクを高めます。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
■食後の眠気は血糖値スパイクかも!? 症状や予防するための食べ方を看護師が解説
■糖尿病の種類や原因、その症状は?生活習慣を見直して予防しよう!
血糖値を下げるためには、食べ物の工夫は欠かせません。とはいっても、厳密な食事療法は難しく感じる方も多いはずです。
そこで今回は、血糖値を下げるのに役立つ食べ物を管理栄養士が8つご紹介します。
普段の食事に取り入れやすいものから食生活の改善を図りましょう。あわせて、減らしたい食べ物も紹介するので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
血糖値を下げるのに役立つ食べ物8選
血糖値を下げるポイントは「糖質の吸収が穏やかなものを選ぶ」「カロリーの低いものを選ぶ」ことです。
血糖値を下げるのに役立つ食べ物を8つご紹介します。自身が取り入れやすいものを見つけてみてください。
玄米・雑穀米・全粒粉パン・小麦ふすま(ブラン)パン
血糖値を下げたいときに、まず取り入れたいのが玄米や雑穀米、全粒粉パン、小麦ふすま(ブラン)パンなどの「精白されていない穀物(全粒穀物)」です。食物繊維が豊富な外皮ごと食べられるため、糖質の吸収を穏やかにしてくれます。
しっかりよく噛んで食べられるので、食べすぎ予防に役立つのもうれしいポイントです。
全粒穀物は糖尿病予防だけでなく、肥満や心臓病予防にも役立つことが、多くの研究で示されています。主食を変えるだけでよいので、取り組みの第一歩として、取り入れてみてはいかがでしょうか。
オートミール
オートミールも全粒穀物のひとつであり、血糖値を下げたいときに取り入れたい食べ物です。
オートミールはオーツ麦から作られており、米やパンなどに比べると糖質の量が少なくなっています。また食物繊維が豊富なので、食後の血糖値の上昇を防いでくれます。
シリアルのように食べるのはもちろん、米のように炒飯やリゾットにも活用できます。
オートミールの詳しい魅力やレシピをこちらの記事で紹介しているので、ご参照ください。

■【管理栄養士のレシピ】血糖値対策に!話題の「オートミール」で作る炒飯
さば
さばにはEPAやDHAなどの多価不飽和脂肪酸が多く含まれているため、積極的に取り入れましょう。肉類に含まれる飽和脂肪酸は糖尿病のリスクとなることが知られているため、さばのような魚の摂取量を増やしたいものです。
外食や惣菜でさばメニューを選んだり、手軽なさばの缶詰を利用したりするなど、やりやすい方法でOKです。
ごぼう
ごぼうは野菜の中でも食物繊維の含有量がトップクラスです。ごぼうなどの野菜を食事の最初に食べるようにすると、食後の血糖値の上昇を防ぐことが知られています。
しっかりよく噛んで食べられ、カロリーも低いので、食べすぎ防止や肥満解消にもぴったり。炒め物や煮物、汁物、サラダなど、さまざまな料理に活用してみましょう。
ブリッコリー
ごぼうに続き、ブロッコリーも食物繊維の含有量が優れています。カロリーも低いため、たっぷり食べても安心です。
またブロッコリーには、血管を強くするために大切なβ-カロテンやビタミンCなどの抗酸化物質も豊富に含まれています。血糖値が高い状態が続くと、血管がもろくなりやすいため、ブロッコリーのような食べ物を意識して取り入れるようにしてみましょう。
舞茸
舞茸はきのこの中でも食物繊維が豊富で、カロリーも低いため、毎日の食事にたっぷり使いたい食べ物です。
舞茸には、β-グルカンという水溶性食物繊維が含まれています。β-グルカンは、食後の血糖値の上昇を防いだり、免疫機能を維持したりするなどの、うれしい働きが期待されています。
わかめ・めかぶ・もずく
わかめ、めかぶ、もずくなどの海藻類には、フコイダンという水溶性食物繊維が含まれています。海藻に特有のぬめり成分であり、食後の血糖値の上昇を防ぐのに役立ちます。
めかぶ、もずくは味付きのものを利用したり、スープやサラダなどに活用したりするとよいでしょう。食事のはじめに取り入れてみてください。
納豆
納豆などの大豆製品は食物繊維を含むため、血糖値を下げたいときにぴったりです。大豆製品は肉類に比べるとカロリーが低く脂質も少ないため、肥満解消にもよいでしょう。
めかぶやおくらなどのネバネバしたものと組み合わせると、さらに食物繊維を強化できますよ。
血糖値を下げるために減らしたい食べ物
血糖値を下げるために、どのような食べ物を減らすとよいのかも知っておきましょう。
・菓子パン、惣菜パン
・甘い菓子、スナック菓子
・炭酸飲料、果物ジュース、カフェオレなどの甘い飲み物
・ビール、日本酒、ワインなどのお酒
このようなものは糖質が多いため、急激に血糖値を上昇させてしまいます。またカロリーの摂りすぎにつながり、肥満の原因にもなります。
甘いものは果物に置き換えたり、飲み物は無糖にしたりするなどの工夫をしましょう。また白米や麺類などの主食は、食べすぎを控えて適量を意識してみてください。
血糖値を下げるには、今回紹介した食べ物以外にも、バランスのよい食事や適度な運動も大切です。血糖値を下げるための取り組みを、ぜひスタートさせましょう!

管理栄養士。保健センターや病院に勤務し、生活習慣病予防や低栄養予防など、中高年から高齢者の栄養サポートに従事する。現在はフリーランスとして独立し、食や栄養に関するコラム執筆や、身近にある材料でおいしく健康になれるレシピ作成などの活動を行っている。
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