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高齢者の便秘はリスクあり!70代では男性の便秘が急増

便秘

年齢や性別を問わず多くの人が悩まされている便秘。厚生労働省の調査によると、人口1,000人あたりの便秘有訴者数は37.8人。これは、日本人の476万人は自分は便秘と自覚していることになる値です。

便秘に悩む人を年代別にみると、60代前半までは圧倒的に女性が多いのですが、それ以降は男性も増え、75歳からは男性の方が多くなっています。

高齢者にとっては、男女共通の悩みである便秘。他のさまざまな疾患にも大きく関わってくるため早期に改善することが大切です。

創業以来、乳酸菌とおなかの健康を研究するビオフェルミン製薬がまとめた記事を参考に便秘の注意点や対策についてご紹介します。
 

高齢者で便秘が増える原因とは?

便秘を疑ってみる基準は『3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感や膨満感がある状態』とされています。高齢者に便秘が増える主な原因は以下のようなものがあります。
 

  1. 食事量(食物繊維摂取量)の減少
  2. 年齢を重ねるとともに食事量が減って、便のかさが減り排出しにくくなります。また食事量が少なくなることで食物繊維の摂取量もダウン。食物繊維は腸内環境を整える善玉菌のエサになる働きや、便のかさとなり腸内をお掃除する働きもあるので、摂取量が減ると便秘につながります。

  3. 水分摂取量の減少
  4. 高齢になるにつれて、のどの渇きを感じる機能が低下したり、トイレが近くなるのを気にして水分摂取を控えたりと、水分不足になりやすい傾向にあります。そうすると便に含まれる水分量も減少して便が硬くなり、排便に苦労することも。

  5. 筋力や腸の働きの低下
  6. 加齢や運動不足に伴う筋肉量の低下で、便を出す力も弱まります。また、腸の働きが鈍くなると便が腸内にとどまる時間も長くなり、便から必要以上に水分が減ってしまうため、便が硬くなってしまい出にくくなります。

  7. 便意を感じにくくなる
  8. 高齢になると直腸の知覚が低下してしまい、便が肛門近くに到達していても便意を感じず、排便の機会を逃してしまうということが起こります。

  9. 姿勢の悪化
  10. 姿勢の悪化で骨盤の位置が変化したり、腰痛になったりすることで、思うように腹圧をかけられなくなり、便秘になることがあります。

 

まずは便秘を正しく知る! ~便秘は回数だけじゃない!

週1回の排便でも不快感なく生活している人もいれば、毎日排便があっても残便感に悩まされている人もいます。そこで重要になるのは、自分が便秘かどうかを正しく認識することです。

便秘というと、「便が出にくい」「トイレに行く回数が少ない」などのイメージがありまmすが、実は「便は毎日出るけど量が少ない」「排便後スッキリ感がない」といったことも便秘症状のひとつ!

また、健康的な便の中身は水分8割、固形物2割です。硬い便でも7割が水分と、水分比率が多いのも特徴。便秘で病院を受診する際には、回数以外の悩みも医師に伝えるようにしましょう。
 

【便秘の目安】
排便の回数
排便困難:便を出すのに苦痛を伴う
残便感
腹痛
排便に要する時間
排便しようとしても出なかった回数/24時間
排便の補助(下剤や浣腸)の有無
便秘の病悩期間(年)

 

高齢者にとって便秘は危険なサイン!?

脳卒中、心筋梗塞にも影響

便秘は脳卒中や心筋梗塞などのリスクを高めることもわかってきました。2016年に日本で行われた研究では、「排便が4日に1回以下の人は、1日1回以上排便する人と比べて心血管リスクが約1.4倍にもあがるという結果が示されています。いきむ際に血圧が上がることも要因のひとつです。
 

 

腸と腎の関係も近年明らかに

腸と腎も互いに影響しあっています。慢性腎臓病の進行が腸内環境の悪化を招く→それによって尿毒素が蓄積される→慢性腎臓病がさらに進行する、といった悪循環が起こるといわれています。慢性腎臓病(CKD)患者のうち特に透析が必要が便秘に悩まされている確率が非常に高いことも報告されており、排便管理の重要性が指摘されています。
 

フレイル・サルコペニアの患者は便秘の重症度が高い

高齢者の健康で近年クローズアップされているのが、加齢により身体が衰えたり認知機能が低下するフレイルと、筋肉量の減少により身体機能が損なわれるサルコペニアです。
65歳以上の外来患者さんを対象に、フレイルと腹部症状の関係を調べた調査では、フレイルの方はフレイルではない患者さんよりも便秘の重症度が高いという報告があります。

サルコペニアでも同様の結果が得られ、便秘と相関関係にあることが分かっています。

 

気をつけたい関連疾患

便秘になると、硬い便を出そうといきむため痔になりやすくなります。

また、大腸ポリープや大腸がんが原因で便秘になっているケースもありますので、長く続く場合は早めに受診しましょう。

 

便秘対策、具体的にどうしたら?

便秘の危険性がわかったら、次に大切なのは自分の生活習慣にあった“排便ルーティン”を作ること。

水分不足や腸の動きの低下に加えて、腸内環境の悪化も便秘の原因になるため、便秘対策として腸内環境を整えることも重要です。腸内環境を整える生活習慣を身につけ、自分なりの排便ルーティンを確立しましょう

 
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毎日朝食を食べ、繊維質が多い食事を意識する

朝起きて水を飲む、朝食を食べるなどの腸への刺激は便意を促すきっかけになります。朝、家を出る前にトイレに行く時間を設けると排便習慣も同時に身につくでしょう。また、水溶性食物繊維は便をやわらかくしたり、有害物質を吸着する働きがあるため、意識して食べるのがおすすめです。

水溶性食物繊維を多く含む代表的な食品

ニンニク、らっきょう、ごぼう、山芋、オクラ、芽キャベツ、アボカド、インゲン豆・大豆などの豆類、きのこ類、さつまいも、大根など

 

水分をしっかり摂る

水分不足になると腸の内容物が腸内を通過しづらくなったり便が硬くなります。便のおよそ8割は水分。こまめに水分を摂ることで便の状態が整います。

 

乳酸菌などのプロバイオティクスを摂取する

プロバイオティクスとは、体によい影響を及ぼす微生物や、それらを含む食品のことです。プロバイオティクスを摂取すると腸内環境がよくなり、排便回数が増加するなど便秘の改善につながります。

プロバイオティクスの代表的な食品

ヨーグルト、発酵食品(味噌、漬物、納豆など)

 

おなかまわりのトレーニング

腸を動かすためにおなかの筋肉はとても大切です。おなか周りには、横隔膜・腹横筋・腹斜筋・腹直筋があり、これらを動かすことで腸のぜん動運動は促されます。また体幹も鍛えられ、姿勢改善にもおすすめです。

詳しい運動法はビオフェルミン製薬の腸活情報サイト「腸活ナビ」で公開中
https://www.biofermin.co.jp/chokatsu_navi/article/training-003.php

 

腸の5点押しマッサージ

便秘

腹筋を鍛えたり、おなかをマッサージすることにより、腸に刺激が与えられて排便が促されます。屋外に出づらいときは、屋内で腸を意識したトレーニングやマッサージを行うことで、便を押し出す筋肉を鍛えることができます。

 

コミュニケーションと孤食に配慮

高齢者の便秘解消にはご本人に加え、家族など周囲の人の毎日の気配りも大切です。高齢者が訴える体の不調には精神的な要因がかかわっている場合も多いので、コミュニケーションをよくとり不安の原因を話し合っていきましょう。また、孤食は食欲低下の原因にもなるので、できるだけ誰かと食事をすることも大切です。

 

「排便日誌」をつけ、自分なりの排便ルーティンを確立する

便意がなくても、決まった時間に行くことが大切。毎朝のトイレが日課になるように習慣づけましょう。また、排便状態を把握するのにおすすめなのが排便日誌。回数や時間、便の硬さ、また食事や水分量、服薬状況などを記入することで、身体の変化にいち早く気づくことができます。

 

便秘対策におすすめの成分やその効果とは

便秘に効果があるものといえば乳酸菌やマグネシウム。また整腸薬などの服用も、便秘解消には有効です。名前はよく聞くものの意外とどのような成分なのか知られていないこれらについてもご紹介します。

乳酸菌

乳酸菌とは、炭水化物などの糖を消費して乳酸をつくる細菌の総称です。腸内にすむ細菌のバランスを整える(腸活)ことは、健康への近道。乳酸菌の種類は多種多様で、腸内を酸性側に傾け腸内の腐敗を抑えたり、腸のぜん動運動を助けて便秘を改善する効果があります。

発酵食品などにも乳酸菌はたくさん含まれており、エサになる水溶性食物繊維や、オリゴ糖を含む食品(バナナや玉ねぎなど)と一緒に摂るのがおすすめです。腸内環境は多種多様な菌が共存することが理想的なので、様々な種類の食品を摂るとともに自分に合った乳酸菌を探してみましょう。

 
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マグネシウム

マグネシウムは海水などに多く含まれるミネラルの一種であり、骨や歯の形成に必要な栄養素です。体内で吸収されにくく、腸内に水分を集めて便を軟らかくするため、便秘改善にも効果的。
穀類や豆類、海藻類、魚介類、くだものなどに多く含まれ、毎日の食事でバランスよく摂ることが大切です。

 

整腸薬

乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を主成分とする薬で、比較的効き目が穏やかなのが特徴です。整腸薬に含まれた菌によって作り出された乳酸や酢酸などが、悪玉菌の増殖を抑制したり、乱れた腸内環境を正常に近い状態へ整えて、軟便や便秘などを改善してくれます。

 

便秘薬

①刺激性成分配合のもの
腸に直接作用し、ぜん動運動を助けます。ひとつ気を付ける点を挙げるとすれば、腸を動かすことにより排便を促すため、腹痛を伴う可能性があることです。刺激性の便秘薬には浣腸などが含まれ、便秘改善に対する効果は大きく、即効性もありますが、服用を続けると耐性ができることもあるため、困ったときのレスキュー薬的に使うのが望ましとされています。

②非刺激性成分配合のもの
腸ではなく便に作用するため、お腹が痛くなりにくく、クセになりにくいのが特徴です。非刺激性成分として代表的な“酸化マグネシウム”は、便に水分を集め、水の力で硬い便を適度にやわらかくすることにより、お通じをスムーズにします。酸化マグネシウムは、子どもや妊婦にも処方されることがある、刺激の少ない便秘薬ですが、服用の際は医師、薬剤師又は登録販売者に相談しましょう。

 

まとめ

便秘対策には、意識的な水分補給や運動などに加えて、腸内環境を整える生活習慣が大切です。それでも便秘に悩むときは自分に合った薬を選び、用法・用量に従って適切に服用してください。

たかが便秘、されど便秘。特に高齢者は注意が必要です。放置せず、ご自分の体をしっかりといたわってください。

参考:ビオフェルミン製薬株式会社「70歳以上の男性で便秘が急増!高齢者にとって便秘は危険なサイン!?

(グッドライフシニア編集部)

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