腸内環境を整える腸活は、免疫力の維持や便秘対策など、シニアの健康づくりには欠かせません。最近腸活に役立つとして注目されているのが、米やさつまいもなどに含まれる「レジスタントスターチ」。
今回はレジスタントスターチの特徴と、腸活にぴったりのさつまいもヨーグルトサラダのレシピをご紹介します。
1.腸活に役立つ「レジスタントスターチ」とは?
レジスタントスターチとは、でんぷん(炭水化物)の一種で、ヒトの身体で消化・吸収されにくいため「難消化性でんぷん」ともいいます。食物繊維と似た働きをするため、腸内環境を整える腸活にぴったりの成分として注目されています。
レジスタントスターチが含まれる食品は、以下のようなものがあります。
・米などの穀類
・じゃがいも、さつまいもなどの芋類
・いんげん豆やひよこ豆などの豆類
レジスタントスターチは、小腸で消化・吸収されにくいため、腸内で善玉菌のエサとなり、善玉菌が増えるのを助けてくれます。
「米や芋類は糖質が多いので、血糖値が気になって減らしている」という方もいるかもしれませんが、レジスタントスターチは血糖値の上昇を抑える働きも期待されているため、適量であれば心配しすぎることはありません。
腸内環境の乱れは免疫力低下にも繋がるため、シニア世代はしっかりと対策しておきたいもの。米や芋類を減らしすぎることなく、毎日の食生活に取り入れましょう。
2.米やさつまいもは冷やして食べるとお得!?
レジスタントスターチは「冷やすと増える」という変わった性質が知られています。これはでんぷんが冷えることで、ヒトの身体で消化されにくいでんぷんが作られる(=レジスタントスターチとして体内で働く)という仕組みです。
たとえば炊き立てのご飯よりも、冷蔵庫で冷やしたご飯の方がレジスタントスターチが摂れる、というわけです。じゃがいもやさつまいもも同様に、一度冷やすことでレジスタントスターチの増加が期待できます。
「冷たいご飯を食べるの?」と思うかもしれませんが、冷やしたあとに温めて食べてもレジスタントスターチは減りにくいとされていますので、電子レンジなどで温めてから召し上がってくださいね。
3. 腸活にぴったりのさつまいもヨーグルトサラダのレシピ
腸活にぴったりの、さつまいもとヨーグルトを使ったレシピをご紹介します。
ヨーグルトの乳酸菌は、腸内で善玉菌として働きます。さつまいものレジスタントスターチは善玉菌が増えるのを助けるため、さつまいもとヨーグルトは腸活に良い組み合わせです。
食物繊維や鉄が豊富なレーズンや、血糖値を上げにくいはちみつも使う、身体にやさしい栄養豊富なレシピです。
【材料(2人分)】
・さつまいも(皮付き)…正味120g(中1/2本分)
・ドライレーズン…大さじ1
・くるみ…5~6粒
・プレーンヨーグルト…大さじ3
・はちみつ…小さじ1
【作り方】
①さつまいもは皮がついたままいちょう切りにし、やわらかくなるまで塩茹で(塩は分量外)して冷ましておく。
②くるみはフライパンで乾煎りし、包丁で粗く刻む。
③①・②、レーズン、プレーンヨーグルト、はちみつを合わせ、冷蔵庫で冷やしていただく。
レシピのポイント
さつまいもに含まれる腸活に良い成分レジスタントスターチは、冷やすことで増えることが知られているため、食べる前によく冷やしておきましょう。レーズンがヨーグルトの水分を吸い、濃厚な味わいを楽しめますよ。
栄養成分値(1人分)
たんぱく質2.6g
脂質6.2g
炭水化物29.5g
食塩相当量0.15g
食物繊維2.5g
※参照:文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
シニアが意識したい腸活には、米やさつまいも、じゃがいもなどからの食物繊維やレジスタントスターチの摂取が欠かせません。また適度な運動や、水分摂取も心がけましょう。ぜひ腸内環境を整えて、元気な毎日を過ごしてくださいね!
■カルシウム不足を解消!「さば缶のしいたけチーズ焼き」
■トマトジュースは魅力がいっぱい!おすすめ「食べるミネストローネ」
■骨粗しょう症予防に!カルシウムたっぷりスキムミルク入り「和風ハンバーグ」
■血糖値対策に!話題の「オートミール」で作る炒飯
管理栄養士。保健センターや病院に勤務し、生活習慣病予防や低栄養予防など、中高年から高齢者の栄養サポートに従事する。
現在はフリーランスとして独立し、食や栄養に関するコラム執筆や、身近にある材料でおいしく健康になれるレシピ作成などの活動を行っている。
管理栄養士によるレストランでのお食事サービス、バリアフリー設計、安否確認や生活相談など、積水ハウス「グランドマスト」は、シニアが安心・快適に暮らせるサービスのある賃貸住宅です。
■「グランドマストシリーズ」その魅力とは?
■「グランドマスト・シリーズ」物件一覧2021年7月24日
関連記事
■善玉菌を増やして腸内フローラを整えよう!美容と健康、ダイエット効果も
■認知症が腸内細菌と関連がある!?予防には善玉菌を増やすことが有効
■糖質制限ダイエットの効果や注意点|おすすめの食材やNGの食材は?
■シニアの糖質制限は危険?メリット・デメリットを知り正しく取り組もう
■糖尿病の種類や原因、その症状は?生活習慣を見直して予防しよう!
■血糖値を抑える食事法│シニアが知っておきたい4つのポイントとは
■骨粗しょう症を予防するには?食事や運動のポイントを管理栄養士が解説
■シニアの健康維持に役立つ書籍!おすすめ5冊