介護付き有料老人ホームでの医療行為
高齢化に伴い、医療を必要とする要介護高齢者が増加傾向にあります。
介護付き有料老人ホームには、看護師や介護スタッフのの配置が義務付けられているとはいえ、あくまで老人ホームは高齢者が生活をする場であり、医療を目的とした病院とは異なります。
また、施設ごとに医療行為の対応が異なるため、入居の際は医療面での受入れ体制をよく確認することが大切です。
このページでは、介護付き有料老人ホームでの医療行為について解説いたします。
■有料老人ホーム(介護付き・住宅型・健康型)とは?
医療行為(医行為)とは?
医療行為とは、法律でいう「医行為」と同様の意味で使われます。医行為には、
- 1.絶対的医行為
- 2.相対的医行為
があり、「絶対的医行為」は医師または歯科医師にしかできない高度で危険な行為とされます。
これに対し、「相対的医行為」は、診療補助行為として看護師が行えるものを言います。
厚生労働省では「診療の補助であり、看護師が手順書により行う場合には、実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能が特に必要とされる38行為」を特定行為と定め、これも相対的医行為として、研修を受けた看護師にのみ可能とするようしています。
参照:厚生労働省「特定行為とは」
特定行為以外の看護師が行える相対的医行為の中で、介護職でも行えると、厚生労働省が定めたものもあります。
詳しくは以下になります。
看護師と介護スタッフができる医療行為
※の2つは、研修を受けて手続きを踏んだ介護職も行えます。
※ただし、該当者に大きな健康的問題がないこと、医師や看護師などの医学的指導のもとに行うことなどの必要があります。
医師の診断と絶対的医行為が受けられるかどうか
介護つき有料老人ホームの場合
- 看護師の配置義務 あり
- 医師の配置義務 なし
となっています。住宅型有料老人ホームでは、両方とも義務はありません。
ただ、有料老人ホームでは、提携している定期的な医師の診療のあるところがほとんどです。24時間看護師が常駐しているホームもあります。
となれば、ほとんどの医療が受けられると考えがちですが、医師はたとえば月に2回、看護師は日中のみの常勤などの場合もあります。
医師や看護師のいない時間は、医師の診断や看護師のできる医療行為の実施ができません。
また、医師の指示がなければ看護師ができる医療行為もできないことがあります。
特に、下記は24時間看護師の常駐がない場合は受け入れが難しい場合が多くなります。
有料老人ホームの中でも、医療的ケアの充実に特化しているところがあります。
医療依存度が高い方は、24時間看護師常駐のホームを中心に選び、入居前に医師や看護師の勤務体制や配置状況を含めてしっかりと入居についての相談をしましょう。
有料老人ホームでの受け入れが難しい場合で、要介護認定のある場合は、「介護療養病床」「介護医療院」などへの入所も考えましょう。
(グッドライフシニア編集部)
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