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戸建ての修繕費はいくらかかる?老後にできる対策を考える

戸建ての修繕費

日本の高齢者は賃貸よりも戸建て住宅に住んでいる方が多い傾向にあります。現役時代に戸建てを購入して、老後もそのまま住み続ける方が多いようです。

しかし、戸建ては築年数が古くなるほど修繕費が高額になるため、修繕費を確保していないと、将来資金難に陥ってしまう可能性があります。

そこで本記事では、戸建てを長年利用した場合の修繕費の目安や老後にできる対策について詳しく解説します。

 

1.戸建ての修繕費の目安

一般的に戸建ての修繕費は30年で500万円程度が必要と考えられていますが、本当にそんなにかかるのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

しかし、実際にアットホーム株式会社が戸建てを購入して30年以上住んでいる方を対象に行った「一戸建て修繕の実態」に関する調査(2021年11月実施)では、平均修繕費は532万1,000円という結果が出ています。

この調査に答えた方の戸建ての平均築年数36.8年であったことから、30年で500万円という目安は決して大げさではないことがわかります。

さらに40年、50年と経過すれば、より多くの修繕費がかかるほか、固定資産税や火災保険といった維持費を支払い続けなければならないため、計画的に資金を積み立ててく必要があります。

ところが、前述した調査では修繕費を「毎月積み立てている」と答えた方が8.3%だった一方、「いない」と答えた方は91.7%であり、ほとんどの方が修繕費を積み立てていない実態が明らかになっています。

こうした結果は、戸建ての修繕には大きな資金が必要であることを、多くの方が認識していない現実を表しています。特に老後、年金を主な収入源とする世帯においては、築年数が古くなり多額の修繕費が必要になった際に、資金不足に陥るリスクが高いと考えられます。

 

2.戸建ての修繕費の内訳

では、戸建ての修繕費にはどんな種類があるのか、内訳を見ていきましょう。

以下に一般的な戸建て(木造2階、30~40坪程度)における修繕費の項目と大体の年数、概算費用をまとめます。

修繕の内容 実施頻度 概算費用
外壁塗装 15~20年 100~130万円
屋根塗装 15~20年 80~100万円
ベランダ(バルコニー)防水 15~20年 20~40万円
シロアリ防除 5~10年 10~20万円
ユニットバス交換 20~25年 80~100万円
給排水管交換 20~30年 50~80万円
キッチン交換 20~25年 80~100万円
トイレ交換 20~25年 80~100万円

 
実施する時期や施行会社によって金額は異なりますが、大体10年置きに150万円前後の資金が必要と考えておくべきでしょう。

こうした修繕は毎年発生するものではなく、5~10年くらいの間隔で行うため、実施する段階になって想定以上の費用が必要になることに気づき、翌年以降に先送りしてしまうケースも珍しくありません。

しかし、上記の表にまとめた修繕内容は、先送りしたところでいつかは実施しなければならないものはほとんどなので、未実施のまま乗り切ることはできません。

もし放置していると、雨漏りやシロアリの発生、外壁の崩落など大きなトラブルにつながり、より多くの費用がかかってしまう可能性もあるので、計画的に実施することが大切です。

 

3.老後の修繕費対策

戸建ての修繕費

老後も安心して家に住み続けるためには、計画的に修繕費を積み立てると同時に、できるだけ修繕費を抑える方法を考えるのも重要です。

以下に老後の修繕費対策として有効な方法を3つ紹介します。
 

自分で修繕を実施する

老後、会社を定年退職して自分の時間がたくさん取れるようになった方は、自ら家の修繕を行ってみるのも良いでしょう。

もちろん、外壁や屋根の全面塗装、給排水管交換のように特別な技術を要する作業や、危険を伴う作業については専門業者でなければ困難ですが、壁紙張り替えなどの簡単な修繕はDIYで対応できる場合があります。

前述したアットホーム株式会社の調査でも、修繕を自分自身で行ったことがある方の割合は37.2%であり、半数近い方が修繕を行っていることが明らかになっています。

簡単な作業であっても、業者へ依頼すれば数万円の費用がかってしまうため、ホームセンターで必要なものを購入して、できる作業は自分で行えばある程度のコスト削減が可能です。
 

点検・メンテナンスを頻繁に行う

設備点検や清掃などのメンテンスを定期的に実施すれば、故障やトラブルの防止につながります。

また、近年では家を売却、購入する際には、専門家によるホームインスペクション(住宅診断)を実施するケースが増えていますが、居住中の住宅でも依頼することが可能です。

ホームインスペクションで実施する内容は、基礎や外壁のヒビ割れ、床の傾き、天井裏の雨漏り、シロアリの被害、トイレ、洗面所の水漏れ、設備の動作確認など、100項目以上にも渡るため、詳細な情報が得られます。

特に新築住宅の10年保証が切れる時期や、リフォームを検討している時期などに実施することをおすすめします。

居住中の住宅でホームインスペクションを実施すれば、現在の家の状態を把握できるため、必要な修繕とそうでない修繕の見分けや、費用の目安がつくでしょう。
 

売却して賃貸へ住み替える

前述した2つの対策では、修繕費を多少抑えることはできでも、数百万円単位の大きな削減にはなりません。築年数が古い家に住んでおり、修繕費の高騰に悩んでいる方は、思い切って家を売却して賃貸に住み替える方法を考えても良いでしょう。

賃貸アパートやマンションに住み替えれば、修繕が不要であることに加え、清掃や設備点検といった管理の手間もかかりません。また、売却すれば家の相続のことを考える必要がなくなりますので、ご自身が亡くなった後、家が空き家になるリスクを回避できます。
 

 
なお、老後を賃貸住宅で暮らすことに対して不安がある方は、「高齢者向け賃貸住宅」をおすすめします。「高齢者向け賃貸住宅」は、高齢者が安心して生活できるよう配慮されたバリアフリー対応の住宅になっているほか、さまざまな生活支援サービスが整っています。
「高齢者向け賃貸住宅」ってどんな住まい?「一般賃貸」との違いは?
 

まとめ

戸建てはマンションと違い、修繕積立金が徴収されないため、将来どのくらい修繕費がかかるのか意識していない方が多いのが実情です。中には修繕積立金がないので、マンションより戸建てのほうが維持費を抑えられるだろうと考えている方もいるかもしれません。

しかし、住宅は築年数が古くなればさまざまな箇所が劣化するので、マンションと同様、戸建ても定期的な修繕を行う必要があります。

特に老後生活では、古くなった住宅の修繕費が家計を大きく圧迫する可能性があるので、将来資金難に陥ることがないように、老後の暮らし方について早い段階で考えておくことが大切です。

 

伊野文明筆者:伊野文明
宅地建物取引士・FP2級の知識を活かし、不動産専門ライターとして活動。ビル管理会社で長期の勤務経験があるため、建物の設備・清掃に関する知識も豊富。元作家志望であり、落ち着いたトーンの文章に定評がある。
 

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