高齢者が室内で安心に暮らすための冬の寒さ対策は、家庭内での温熱環境にあります。古い住宅、特に木造住宅には健康リスクが潜んでおり、寒冷な環境は循環器系や呼吸器系の疾患、低体温症を引き起こす可能性があります。
寒さによる体調不良を予防し、安心して冬を迎えるための実践的な対策について学んでおきましょう。
高齢者には家の温熱環境が大切
住み慣れた自宅で、長く健康に暮らしたい。そんな願いを叶える鍵が、「家の温熱環境」にあることはご存知ですか?
近年、平均寿命が伸び、家で過ごす時間が増えたことや、高齢者の多くが1980年以前に建てられた比較的古い家に住んでいることから、「家と健康」の関係性が注目を浴びるようになりました。
中でも、建設当時の断熱性が現在の基準を満たしていない古い住宅の場合は、循環器系、呼吸器系の疾患、低体温症のといった、健康リスクが潜んでいると言われ、WHOや公衆衛生庁によって警鐘が鳴らされています。
特に高齢者が気を付けたいのが冬場の低体温症です。高齢者は体温調節機能の低下や筋肉量の減少により、低体温症にかかりやすい傾向があります。
体の表面温度の低下する冷え性と異なり、低体温症は直腸温が低下する状態を指します。この症状には震えなどの前兆が現れるため、特に冬季は慎重に観察する必要があります。
■冬の低体温症は注意が必要!冷え性とは異なる危険な兆候とは
健康を維持するためには『冬でも最低18℃』が必要だという人間の身体。高齢期を境にリスクが高まりやすいヒートショックや病気などの防止策を、住まいの温熱環境に注目して考えましょう。
高血圧や低体温症、関節痛の悪化、ヒートショックなどさまざまな病気の原因になる可能性があります。なぜ寒い家が高齢者の健康に悪いのか、また、住み慣れた自宅で高齢者が安全に冬を過ごすためのヒントとはどのようなことでしょう。
■「寒い家」が高齢者にもたらす健康被害とは?安全に冬を過ごすための対策
高齢者の冬の大敵ヒートショック
ヒートショックとは寒暖差が激しい場所を行き来することで、急激な温度変化により血圧の上昇下降が繰り返され、脳卒中または心筋梗塞を起こすことです。
特に暖かい部屋と寒い脱衣所、冷えた浴室と熱い浴槽といった、冬の入浴時にリスクが高まります。
重篤な場合、心肺停止を起こすこともあり、血液の循環調整機能が低い高齢者はひときわ注意が必要です。一人暮らしの場合は発見が遅れることも多く、最も注意が必要とされています。
ここでは、平成21年度の厚生労働省のデータをもとに、数字からわかるヒートショックの危険性や、今日からできる具体的な対策方法をご紹介します。
高齢者にとって体の“冷え”は大敵。高血圧や低体温症、関節痛の悪化、ヒートショックなどさまざまな病気の原因になる可能性があります。なぜ寒い家が高齢者の健康に悪いのか、また、住み慣れた自宅で高齢者が安全に冬を過ごすためのヒントをご紹介します。
■高齢者は冬の入浴やトイレが時として死に至る原因は?
以上、高齢者が安心に暮らすための冬の寒さ対策に関する記事のご紹介でした。これから寒さが厳しくなる冬本番、高齢の方は体調を崩してしまいがちな季節です。日々の生活の中で寒さ対策を講じてくださいね。
(グッドライフシニア編集部)
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