(2024年10月追記)
冬の大敵、それはヒートショック
冬の入浴や夜のトイレは要注意、ヒートショックを起こしやすいからです。ヒートショックとは、急な温度変化で血圧が上下することで体に与えるショックのことです。
家の浴室やトイレは家の北側にあることが多く、そうなると、あたたかいリビングとの温度差が大きくなります。
温かい場所から寒い場所に移動すると、熱を奪われないようにと、血管が縮み、血圧が上がり、ますます血圧が上がったり下がったりすることで心臓に負担をかけ、心筋梗塞や脳卒中の引き金になりやすいのです。
高齢者は特に注意が必要ですが、中高年層や血圧が高い方、心臓に持病がある方も油断は禁物です。
ヒートショックは、加齢による体温調節機能の低下や動脈硬化が進んでいる高齢者に多く見られますが、中高年層でも日頃から血圧が高めの方や、動脈硬化のリスクを抱えている方は発症の可能性が高まります。
また、生活習慣病(糖尿病や高脂血症など)を抱えている人や、運動不足気味の人も注意が必要です。これらの状態は血流の調整がうまくいかないことが多く、急激な温度変化による血圧の乱高下が起こりやすくなります。
急激な温度差と血管・血圧の変化
入浴中の急死者数はなんと推定年間19000人!
特に、浴室内でのヒートショックには注意したいもの。平成24年10月から平成25年3月までに3都県(東京都、山形県、佐賀県)において調査した結果を見てみましょう。
救急隊が入浴に関連した傷病と判断した患者で心肺停止に至った件数などを基に、人口比を用いて全国で起こった件数を推計した結果、病死なども含めた全国の入浴中の急死者数は年間約19,000人としています。
また、高齢者の浴槽内での不慮の溺死及び溺水による死亡者数について年齢別に人口10万人当たりで見ると、年代が上がるにつれて増加しており、特に75歳以上の後期高齢者の死亡者数が増えていることが分かります。
浴槽で心筋梗塞や脳卒中を起こし、意識を失うと体が浴槽内に沈み込み、溺れて亡くなることが多いのです。
参照:厚生労働省平成21年度「不慮の事故死亡統計」の概況:不慮の事故による死亡の年次推移
高齢者にとって冬の入浴は、命にかかわる場合も。特に心臓に疾患がある方や血圧が高い方は、十分な対策と注意が必要です。
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ヒートショックを予防のポイントは?
では、どのように注意すればいいでしょうか。日々の生活の中で、気をつけるべきポイントを3つご紹介します。
1.廊下に出るときは1枚羽織る、小型暖房機を使う
まず、居間から寒い廊下やトイレ、脱衣場に行くときには、めんどうでも1枚服を羽織ると安心です。足元も、暖かい室内履きを履くようにするとよいでしょう。
脱衣場には小型のすぐあたたまる暖房機を入れるとともに、浴室もあたたかくしておきたいもの。
浴槽に湯を張ったら、浴槽の蓋をあけて湯気を浴室内に満たすと、浴室内があたたかくなります。これで、室温が上がり、血管の収縮をやわらげてくれそうです。
また、タイルなどの床は冷たいので、すのこかマットを敷くと体の熱を奪われずにすみます。
2.湯温はぬるめに、半身浴で早めに切り上げる
湯の温度は高すぎると血管が急にゆるみやすく危険なので、40度くらいのぬるめの温度に保ちましょう。
首までつかると心臓に負担がかかりやすいので、半身浴がベター。肩が冷たいと感じるなら、あたためた浴用タオルを肩にかけてもよいでしょう。
長湯をすると体が疲れ、また血流が早くなる状態が長く続いてしまうので、早めに切り上げ、暖かい脱衣所で服を着ましょう。
脱衣場の暖房器具は、入浴中もスイッチを入れたままにしておくと、浴室から出たあとの温度差を少なくすることができます。
3.入浴前のお酒は厳禁。入浴前後にコップ1杯の水を
入浴の前には、お酒を飲むのを控えましょう。お酒を飲むと血管が広がり、血圧が上下しやすいもの。飲酒後に入浴して、浴槽内で亡くなる方は、昔から多いのです。
飲酒をするとトイレに行く回数が増えたり、脱水しやすくなるのも問題です。
のどがかわいた状態で入浴すると、血液がドロドロになりやすいので、コップ1杯の常温の水を飲んでから入浴し、入浴後も1杯飲むようにするとよいでしょう。
入浴する時間帯にも気をつけましょう。入浴で1日の疲れを取ろう、ということで、夜入る人が多いですが、深夜に近くなるほど気温がグッと下がり、浴槽内とその他の場所の温度差が大きくなります。
入るなら、夕方の、あまり寒くない時間帯に入るといいでしょう。
朝一番のお風呂は、体がまだ起きていない状態ですし、気温も体温も低い状態なので、朝風呂をすることで心臓に負担をかけることになりかねません。日が昇ってからの入浴をおすすめします。
4.トイレにも小型暖房機を。「ヒートショック予報」もチェック
トイレには、小型の暖房機を入れましょう。スイッチを入れてからなかなかあたたまらないと意味がないので、さっとあたたまるタイプの暖房機を使います。
また、冷たい便座にすわるのも危険です。冬は昼夜を問わず、便座は保温しておきましょう。
日本気象協会では、気象予測情報にもとづく家の中でのヒートショックのリスクの目安とした「ヒートショック予報」を日々出しています。
住まいの構造や設備、体調によって、健康への影響は異なりますが、警戒の心構えはできるでしょう。警戒の情報が出ていたら、部屋ごとの温度差を少なくして過ごしましょう。
参考資料:消費者庁「冬期に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください」
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